そもそもWR155Rを納車したのが8月頭頃だったのもあるが、週末は猛暑か天候が悪いかのどちらかで、なかなか整備作業をする時間が取れなかった。久々に週末が晴れたので、前後ブレーキフルードの交換を行った。納車時からフルードがすでに茶色くなっていたのは気付いていたが、これはショップと契約をする際、現状渡しという話だったので特に問題はない。店長のおやっさんにしても、メーカー補償のない海外バイクを売ったところで利益はあまりなく、日本製以外のバイクゆえのトラブルで後からあーだこーだ言われるリスクを回避するには仕方ないことだろう。あまり言いたくないが、バイク乗りは厄介な連中が多いので理解できる話だ。
というわけで作業に移る。
ブレーキフルードの交換手順はXTZ125の時と変わらないので以下リンクを参照のこと
※作業は自己責任でお願いします。またブレーキは人命に関わるパーツなので、少しでも不安な場合は絶対に手を出さずショップへ行きプロの整備士に任せること。当ブログでは一切責任を負いませんので悪しからず
まずは車体の向きの関係でリア側から。
丸で囲んだ部分のネジを外さないとリザーバータンクの蓋を開けられないようになっているので、ネジを外し蓋とダイヤフラムを外す。
ごらんの通りフルードは茶色く変色している。おそらく車体を組み立てた時に入れたきりと見て間違いない。これはXTZ125もそうだったので特に驚かないが。続けてフルードを抜く準備。
ニップルにホースを装着。ここで8ミリのメガネレンチをかけ忘れていたのでやり直し、ホースの先にはフルード受け用のペットボトルを設置。フルードを飛散させてフレームや塗装面に付くと変色や劣化、腐食の原因となるので十分注意する。
後はブレーキペダルを手で押す→ニップル緩める→フルードが少し排出→ペダルを押し込んだままニップル締める→べダルから手を離す
という手順を繰り返してフルードを抜いていき、リザーバータンクが空になる手前で新しいフルードを補充。この手順を守らないとフルードが抜けずエアも噛むので要注意
これを何度も行ってフルードを入れ替えていく。特にリアはフルードの経路や高さの問題で、自然には抜けてこないので気をつけよう。
入れ替えが終わったらダイヤフラムと蓋を取り付け、ネジ止めし直してOK
続いてフロントに移る。
こちらも見事にカラメルのような色。長くは持たなかっただろう。
こちらもさっさと交換してしまう。
ブレーキレバーを握る→ニップルを緩める→フルードが少し抜ける→レバーを握ったままニップルを締める→レバーから手を離す
手順をしっかり守り、排出されるフルードが綺麗になるまで入れ替える。
ミスなどでフルードが飛び散ったりして車体の金属部などに付着した時は、すぐに多量の水で洗い流そう。もちろんニップル等に水が入らないようにすること。
フルード交換が終わったら車体を押し歩いてブレーキの利きを確認。タッチが硬く利きが悪い時はエアを噛んでいる可能性大なので、作業のやり直しとなる。フルードの予備が無いと危険なので、エア噛みを起こさないよう慎重に作業しよう。
作業が終わり、近所を少し走ってタッチを確認したが問題なし。本当はブレーキ本体を外して細かい整備もしたかったが、WR155Rはブレーキキャリパーを外すのにフロントは8ミリくらいのトルクス、リアはおそらくホイールを外す必要があるので断念。これはまた今度に取っておくことにした。
最後にサスのプリロード調整を行った。ノーマルの状態だとサスが柔らかく乗り心地はいいのだが、どうもコーナーの踏ん張りが効かず、車体を傾けるのが怖いし、旋回もいまいち気持ち良くない。そこでプリロードを強めてみた。+1では違いがほとんどなかったので、ノーマルから+2へ調整した結果、車体を傾けてもしっかり踏ん張るようになった。感覚としてはXTZ125とほぼ同じ乗り味で、オンロード向けのセッティングだろう。
WR155Rは画像のボルトを外して泥除けを取ればプリロード調整が可能。バッテリーボックスを外さないと調整できなかったXTZ125よりは遙かに楽である。ただしスペースは狭く作業性はあまり良くないのと、狭さゆえか調整ナットがかなり固く、回すのに力を要すので注意。作業はメンテナンススタンドで車体を持ち上げて行う。
プリロードはノーマル(最弱から2段目)より+2の位置。
オンロード寄りのセッティングとなるが、基本的に日本では乗車時間の99%が舗装路の走行である以上、こちらのセッティングを適用するのが理に適っている。オフを攻めたい時は、工具を持参し現地で気合いの調整を行うのもひとつの手か。自分はやりたくないですが。
調整によってハンドリングが改善され、軽快な乗り味になった。軽い車体のバイクである以上、交差点やコーナーを軽快に曲がっていくのが本来の姿だと個人的に思うので、このセッティングで運用を続ける。乗り心地はやや硬くなるが許容範囲内であるので、それが不快に感じることもない。乗っていて爽快、楽しいと思えることはバイクの命、一番重要な部分であろう。
そんなわけで今回はここまで