幕末当時のフランス軍の青銅砲を持っている。尾張藩家老の旧宅解体で出てきた品物だという。私は,この砲身を利用して大砲を復元しようと思い立ち,これに合うような車輪も購入した。
昨年,私はこの復元計画をブログに書いた。すると銃砲史学の先学で日本有数の真鍮工芸家のブラスさんが,これに大変興味を持った。ブラスさんは当館の大支援者の一人で,真鍮材でこんな工芸品を作るゲイジュツカである。
写真引用 記事に刺激され昔の作品を | 趣味の真鍮模型作りと気まぐれ日記
ブラスさんからは,最初から実物大の復元砲を製作するのはリスクが大きいから,まずは8分の1サイズの模型を作ってから研究するようアドバスがあった。新車を作る時も,まずは模型を作ったうえで観察と検討を行なうのだそうだ。その復元砲の模型は,ブロスさんが無償で作ってくれるという。
当館は大赤字であるし,巨匠の作品を無償でもらうほど私は厚かましくはない。私が返事をあいまいにしていたら,ブラスさんはせっかちだ。二月には艦載砲にした場合の8分の1サイズの真鍮模型を製作し,当館に送ってきてくれた。それがこれである。
そして一昨日には,陸砲にした場合の8分の1サイズの真鍮模型を送ってきてくれた。
たしかにこれらの模型を見れば,砲架を作る大工さんはイメージを作りやすいだろうし,安い材料の調達見込みも付けやすいはずだ。私も砲の移動や保管場所,砲にとりつける金具類の設計や配置などを考えるのに役にたつ。
一日も早く仙台藩丸森鉄砲隊にこの大砲をガラガラガラと音を立てて引っ張らせて行進させたいものである。夢は一歩,また一歩実現に向かい出した。
仙台藩丸森鉄砲隊
ブラスさん,本当にありがとうございました。<m(__)m>