猫も偉くなったものである。 | todou455のブログ 火縄銃ときどき山登り

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 『金山城伊達・相馬鉄砲館』のある宮城県丸森町は,昭和半ば過ぎまで絹糸の原料を作る養蚕が盛んな地だった。

 

金山城伊達・相馬鉄砲館

 

 

養蚕業は、カイコを飼ってその繭から絹糸を作る産業である。明治政府は,「外貨獲得産業」として養蚕業を重視した。日清・日露戦争に用いられた軍艦などの近代兵器は,カイコが吐き出した絹糸の輸出代金で購入されたといっても過言ではない。

 丸森町の山里にあるこの農家は,およそ120年前に養蚕を行うために建てられた。この家の大きな屋根裏部屋と二階は,カイコの飼育場だったのである。

丸森町にある養蚕農家の遠景

ズームします。

 

養蚕室として使用された屋根裏部屋

 

これを見ただけでも,カイコがいかに多額の収入を農家にもたらしたか想像に余りある。農家にとって養蚕は貴重な現金収入源で、農家ではカイコを「おカイコ様」と敬称して呼んだほどである。

 昔の日本家屋は木造で隙間が多かったから,家にネズミが侵入することは珍しくはなかった。丸森町の人たちは,大切なカイコを食い荒らすネズミを退治するネコを可愛がり、町内には,猫を神として崇め奉った猫神様の石像が数十基も建立された。その数は日本一だという。

 

猫神様の石像

 

 今はすっかり忘れられているが,ネコはネズミを捕るために人間に飼われていた動物だ。しかし,ネズミを捕るためではなく,人の心の癒しのためにネコが飼われるようになって久しい。今や猫は,完全に家族の一員だ。おカイコ様ではあるまいが,猫も偉くなったものである。