今日はカメラの日 駒木根流の鉄砲 | todou455のブログ 火縄銃ときどき山登り

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 日本の火縄銃は,弾丸の命中に強いこだわりを持つ多くの砲術流派を誕生させた。砲術流派は,照準器や機関部,銃身などに強いこだわりを持つから,流派によって鉄砲の姿かたちが異なることが多い。幕末には,砲術流派の数は600を越した。

 しかし,時の流れは恐ろしいもので,多くの砲術流派の伝書や鉄砲は失われてしまった。そのため,現在,鉄砲を見ただけで,その砲術流派を特定することができるのは,私の場合は,二十流程度に過ぎない。その名前を上げれば,稲富流 井上流 荻野流 紀州勝野流 酒井流 文四郎流 霞流 関流 田付流 田布施流 天山流 中島流 南蛮櫟木流 日東南蛮流 武衛流 藤岡流 毛利伊勢守流 森重流 陽流 米村流などである。

 

稲富流仕様の鉄砲

 

 

酒井流仕様の鉄砲

 

南蛮櫟木流仕様の鉄砲

 

 

 一月ほど前,新たに駒木根流の鉄砲がどんな姿かたちをしているのか判明することができた。その鉄砲に駒木根流の砲術家の名前が刻まれていたから,それと分かったのである。ただちに三十枚以上の写真を撮り,データとして保存した。砲術流派の鉄砲の姿かたちなどが分かると,歴史研究に大きな貢献がある。例えば仙台鉄砲に大きな影響を及ぼした伊勢守流砲術は,津田流砲術と深い関係性があることがわかっている。このようなことを知ることができると,わからなかった事実が見えてくることがあるのだ。

 

駒木根流の鉄砲

 

駒木根虚庵正敬の名前

 

 人の記憶は,脆くて儚いが,写真は,真実を正確に切り取り,嘘をつかない。今日はカメラの日だそうだが,世界中の研究者は,カメラに対して感謝しても感謝しきれないほどの,恩恵を感じているはずである。