弾丸標本の反省 その2 | todou455のブログ 火縄銃ときどき山登り

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火縄銃の弾丸標本で一番苦労したのは,大型の弾丸を集めることだった。百匁玉(重さ375グラム)は,だいぶ前に友人のKさんから貰っていたし,10匁以下の弾丸なら一合戦できるほど持っていた。しかし,三十匁玉(重さ112.5グラム)と五十匁玉(重さ187.5グラム)だけは,どうしても見つからない。

     五十匁大筒 これに入れる弾が見つかりません。 

 

こんなにでかい鉄砲です。重さは20キロほどあります。

 

  しかたがないから三十匁玉は,玉鋳型を買って自分で弾を作った。その玉鋳型を持ってきたのは,私を土浦ガモと呼んでいる京都の古道具屋だ。とてつもない値段だったが,日本のためには,金など惜しんではおられぬ。槍ヶ岳の頂上から飛び降りるつもりで買い入れた。その価格を友人のKさんに話したら,腹を抱えて大笑いされてしまった。馬鹿と思われるのも癪に障るから,購入価格はもう絶対に誰にも話さぬ。

 五十匁玉は,玉鋳型さえ見つからなかったから,とりあえず三十匁玉までの弾丸標本を作製した。作成したといっても,銘木店から購入した木材に,弾丸名を打ち込んだ透明テプラを張り付けただけのことである。

 

       左から三匁五分玉,6匁玉,十匁玉,十二匁玉,

       三十匁玉,五十匁玉,百匁玉,三百五十匁玉

 

 一番癪に障るのは,写真の右端に写っている三百五十匁の砲弾である。これも京都の古道具屋が持ち込んできた代物だ。西南戦争で使われた砲弾で畑の中に埋まっていたものだという。しかし購入後,冷静に観察するとどうも怪しい。友人のKさんに見せたら,「馬鹿だなぁ~また騙されたな。」と大喜びされてしまった。

 はっきり言って偽物だった。欲しくて欲しくてたまらなくなると,真贋を見抜く目も曇ってしまう。(この部分はブロ友様の問い合わせにより加筆) 骨董品修行の道は厳しいのである。