雪上車を作る その1
昨日,北海道のマウンテンマンのK さんは,自宅から7 0 キロほど北にあるルスツの運送会社へ行った。別に就職したわけではない。カナダに発注していたキャタピラー4 本が,到着したので取りに行ったのだ。
到着したキャタピラー4本
K さんは来シーズンの鹿狩りに備え,雪上車を作ろうとしている。雪上車の本体にする農業用運搬特殊車両は,すでに購入済みで,これにキャタピラーを取り付ければ,雪上車になるはずだとK さんは言う。K さんの温泉付き別荘は,太平洋側にあるが,山の中だから冬は雪が深い。雪の山奥で鹿を追うには,雪上車が必要だと力説する。しかし今シーズン,K さんは,軽トラを改造した偵察戦闘車で登別周辺の山中を駆け回り,86 頭のエゾシカを射止めている。雪上車があれば怖いものなしだが,別になくともそれほどは困らないだろう。
キャタピラーの取り付けを待つ小型特殊車両,これが雪上車になる。
ダンプ式だから,ここに小部屋を乗っければ燃料と食料が続く限り,
エゾシカを追って北海道の山中を進撃できる。
後ろの白い軽トラが,エゾシカ偵察戦闘車 改1号。
雪上車作りは,K さんの大人の遊びに違いない。ルスツの運送会社へキャタピラーを取りに行ったのも,武漢肺炎騒ぎで道内の運輸や流通に滞りが出ているからではなく,一日も早くキャタピラーを見たかったのだろうと,私はにらんでいる。購入した中古の農業用運搬特殊車にキャタピラーを履かせると,こんな感じの雪上車ができるはずだ。
雪上車完成イメージ
多分キャタピラーはもっと大きくなるはずだ。
K さんは一流の技術者だが,問題はこの雪上車がちゃんと動くかどうかだ。私の心は複雑である。この雪上車計画が失敗すればよいとも思っているし,成功して欲しいとも思っている。雪上車が快調に動くようであれば,K さんは,しばらくは,本州に戻ってこないかもしれない。それは私にとって,非常に困るのである。