こんにちは、naoです。
昨日の朝5時頃、某繁華街から推定20代後半の男性をお乗せしました。
ご乗車する前にちょっとした騒動が有ったんです。
そのお客様ですが、シルバー基調のスーツを着ていました。
この時間帯に、このような格好をしている方は、乗せたくないのは、想像できるかと思います。
わたしのタクシーの20mくらい前に、空車のタクシーがいて、順番で言うとそのタクシーが、そのお客様を乗せるはずだったのです。
しかし、そのタクシーはそのお客様を見て、手が挙がったにも関わらず、乗車拒否で逃げちゃったんです。
タクシーは基本的にお客様を選ぶことが出来ません。
基本的にと言ったのは、
極端に不衛生なお客様や、泥酔で行き先すら伝えられないお客様などは、拒否することは出来ます。
今回の場合は、断る理由が無いお客様です。
タクシーセンター(タクシーの取りまとめする機関)に通報されると、事情聴取となり、仕事の日は休みを取らされ、休暇の日なら返上をして、タクシーセンターまで弁明をしに行かなければなりません。
そのお客様は、乗車拒否をしたタクシーをダッシュで追いかけて行きました。
その様子をわたしはタクシーを停めて、見ていました。
50mくらい追いかけたのですが、諦めてわたしのタクシーの方に戻ってきました。
わたしのタクシーを見つけるや否や、すぐに手が挙がりました。
わたしの気持ちは書かなくても、わかりますよね。
タクシーセンターに行きたくないので、仕方なく
扉を開けました。
そのお客様が乗車し、扉を閉めようとしたら、推定20代前半の1人の男性が乗り込もうとしてきました。
スーツのお客様は
「いいから、早く出して!」
何かやばい仲なのか?
2人の会話からすると、そうではなく2人は先輩後輩のようで、ふざけていたみたいです。
結局、その男性も乗り込んできて、わたしに行き先を告げてきました。
その場所は知らないので教えて欲しい事を告げると、住所を伝えてきました。
住所を聞いて、ナビに打ち込んだ直後、新たな登場人物が現れました。
10代後半くらいの女性で、窓をノックしてきました。
中から窓を開けて、2人と窓越しに話をしています。
内容的にはその女性は男性たちが早朝まで飲んでいただろうお店の人で、
「またきてね!」
の、挨拶でした。
やっと、タクシーを走らせる事が出来るようになりました。
わたしとしては目的地に1秒でも早く着いてお客様を下ろしたかったのです。
お客様たちは、先ほどまでいた店の女の子の話題で盛り上がっていました。
途中、スーツの男性が車窓の風景を見て、自分たちが普段通る道と違っていたので、わたしに対しクレームをつけてきました。
出発時にナビ通りに行ってもいいかの確認をし、了承を得ていたのですが、ナビ通りに進んでも結局クレームをつけられてしまったのです。
(こう言うことは結構あります)
怒り口調ではないのですが、わたしがわざと遠回りをしていると言ってます。
誤解を解くために、ナビを見せながら、その場で遠回りしていない説明をしました。
もう1人のお客様が、スーツの男性に
「この道で間違ってないですよ」
と伝えてくれたので、事なきを得ました。
乗車20分くらいで、目的地に到着しました。
支払いはSuica(交通系のICカード)だったのですが、残高不足のようでブザーがなりました。
「お兄さん(わたしのこと)、お金ないんだけど〜」
その言葉を聞いて、驚きました。
「カードとか、PayPayとかないんですか?」
「お連れ様は立て替えられないでしょうか?」
確認したら、どちらも無いとの返事。
ある特定の人達(推測してください)って、カードを作れないとの知識が頭をよぎりました。
「どうしましょうか?」
と、聞いたところ、
「警察行ってもいいよ」
との、あり得ない返事。
警察に行くと、事情聴取などで時間も取られるし、会社の報告も面倒です。
「警察はやめましょう」
と、わたしから伝えました。
すると、お金が無いのは冗談で、Suicaをチャージしているから、待っていて欲しいとの言葉が返ってきました。
無事にチャージも出来て、支払いを完了出来ました。
スーツの男性からすると、わたしをからかうつもりで、お金が無いと伝えたのに、わたしが警察はやめましょうと言った事に喜んだみたいで、わたしに対して、
「コーヒーは飲むか?、酎ハイは飲むか?、タバコは吸うか?」
と、矢継ぎ早に聞いてきたんです。
目の前のコンビニでそれらの品を買って、わたしにくれたいとの事でした。
酎ハイは仕事の関係で、持っているだけで懲戒対象になる事、タバコは吸わないことを伝えました。
コーヒーをくれるんだろうなと思ってました。
本当はコーヒーなんていらないから、早く立ち去りたかったんです。
しかし、思っていたのとは違う結果になりました。
「これでコーヒーを飲んで」と、運転席と後部座席の間にある、運賃を置く台に500円玉を置いて、タクシーを降りていきました。
5日目にして、初のチップです。
乗車前から、面倒な事になると思いながらお乗せして、途中でもクレームがつき、お金が無いとまで言い出し、まさかの結果でした。
とても複雑な気持ちでいただいた初チップでしたが、一生忘れない思い出になりました。