こんにちは、naoです。



おととい、東京オリンピックのマラソン、競歩の開催地の変更案が急に発表されました。


具体的には、IOC(国際オリンピック委員会)が8月の東京の暑さをから、選手の健康面を考えて、東京から札幌に変更したいとの内容です。



この事について、考えてみました。



まず、なぜ8月という暑い中、オリンピックが開催されるのかを調べてみました。


1964年の東京オリンピックでは10月10日に開会式が行われました。

日本(多くの北半球の国)の気候を考えると、この時期か春頃に開催するのが、ベターな気がします。


しかし、この時期に出来ない理由が存在するのです。


IOCが正式に発表をしているわけでは有りませんが、アメリカや、ヨーロッパのスポーツ事情に関連しているみたいです。


アメリカでは10月頃(ちょうど今頃です)はアメリカンフットボールが開幕したり、野球のプレーオフ(優勝決定戦)が開催されます。


ヨーロッパでもサッカーのシーズンが始まる頃となります。


4月頃にも開幕か、優勝決定の時期になります。


世界的にも注目されるスポーツの繁忙期のため、オリンピックの注目度が下がってしまうことになります。


スポーツの閑散期となる8月開催が、全世界的に注目され、テレビ視聴率も高くなるからというのが、一番の理由なのです。


これだけの大きいイベントをやるのには、スポンサー(テレビ局等)の意向はとても大切なので、8月は譲れないのです。


また、8月頃の開催はオリンピックを誘致する条件として、決まっていたことなのです。



では、8月の暑さは急に始まった事なのでしょうか?


東京でオリンピックをする事が決まったのが2013年9月です。

ここ最近の日本の気候が変化したとしても、6年前から急上昇したとは思えません。


つまり、東京でオリンピックが決まった時点で、その事はわかっていた事なのです。


仮に、誘致時点では個別の競技については考えていなかったとしても、その後は検討されているはずです。


wikkipediaによると、誘致決定から1年後の2014年9月10日のNHKの番組で、「マラソンなどの暑さ対策は検討されている」と報道されたそうです。


その対策が現在発表されている「スタート時間を早朝にする」や「舗装を熱くなりにくい材質する」になったのだと思われます。


マラソンのスタート時間の変更については、2018年12月5日の報道では、

IOCとの合意はこの時点では取れていないが、現在の7時から6時に早める方針で、今年中に正式決定される見通し」

と東京オリンピック、パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(元首相)が言ってます。


その後、時間変更がされたので、IOCとの合意も取れたのでしょう。



ここからは、今回の札幌への開催地変更案が発表されてから、2つ疑問が沸いたので、それについて考えたいと思います。


1つ目の疑問は、開始時間を変更した時点で、IOCは開始場所を変更する提案も出来たはずなのに、なぜ今更言ってきたのでしょうか?


わたしは元々、マラソンを酷暑でやる事は反対です。

日本では冬に主に行われる競技なのに、30度近くなる環境で走る事は、マラソンという競技とはある意味別の競技になってしまうと思うからです。


6時スタートに変更されたという報道を聞いた時にも、日が昇るにつれてどんどんと暑くなる時間なので、(先日ドーハで行われた世界陸上みたいに)深夜にスタートすればいいのにと思ってました。

(スポンサー絡みで、大幅な時間変更は出来ないと推測できますが)


開催地の日本においては、9月15日にオリンピック選考レース(MGC)を終えたばかりです。


MGCは選手選考にばかり目が行きますが、オリンピックの予行演習として、暑さの検証や、警備の検証もしていました。


暑さに関しては、開始時間を男子が8時50分、女子が9時10分にスタートをして、8月の暑さに近づけたレースとしました。


警備に関しては沿道に来るだろう観客の整理や交通網のストップなどを想定して、オリンピック本番とほぼ同じコースを使っての開催としました。


ここまで準備をしていたにも関わらず、「選手ファースト」の一言で、適切では無い時期に、ちゃぶ台返しをした事が不思議でなりません。



2つ目の疑問は、今回の発表を受けて、森喜朗会長が早々と

「暑さ対策の一環からやむを得ない。組織委として受け止めるのは当然」

と、言った事です。


オリンピックは国を挙げての行事なのは、誰もが承知している事だと思います。


東京都の小池知事やJOC(日本オリンピック委員会)等が正式に受託をしたわけでないのに、会長とは言え、一個人が勝手に事を進めるような発言をする事が考えられません。


まずは、国内での調整をする旨を伝えるのが、組織の長としての役割ではないでしょうか?



ここからはわたしの勝手な推測ですが、水面下ではかなり前から、札幌へ開催地を変更する事が決まっていたのではないでしょうか?


こう思ったのは、札幌市の秋元市長が

「突然のことで驚いているが、具体的に『札幌』という名前がIOCから出たということは光栄」

との発言がふに落ちなかったからです。


いくら札幌でやって貰うことが嬉しかったとしても、開催地が東京で決まっているのだから、同じ日本の都市の長として、光栄という言葉は出さないのが普通です。


また、まだ開催を承知していない、一つの都市をIOCが名指しで言う事自体もおかしな事だと思いました。


皆様は、ボート、カヌーの開催地を決めるだけで、すったもんだした事を覚えているでしょうか?


いくらマラソンが会場を新設する必要が無いとは言っても、1つの競技の開催地の誘致には多大な影響が有るのです。


議論する時間が無くなるほど、直近の時期を狙って、このような急な発表に至ったのではないかと思いました。



この件で、みなさまはどう思われたでしょうか?