Mrs.アライ 4

こんにちは、naoです。

わたしの中学校では、2年生に林間学校に行きます。

この林間学校は、わたしの知る限りでは市内のほぼ全ての中学校が実施してました。

他県某所に有る市の施設に行き、バンガローや宿泊施設で数泊します。

夏はハイキングや、オリエンテーリング、冬はスキーができる場所です。

母校のクラスは10クラスあり、A〜E組とF〜J組の5クラス単位で行動します。

A〜E組の場合、最初の2泊は宿泊施設に泊まり、残りの2泊をバンガローで自炊生活をします。

わたしの母校は、全国でもニュースになるような荒れている学校で、このような行事でも普通では信じられない事件が起こります。

事件は2日目の夜におきました。

2日目の話をする前に、少しだけ1日目の夜の話をします。

わたしと友達のF君は林間学校に来る前から、ある誓いをしていました。

それは、人生初の完徹です。

男の子というのは、変なことに情熱を燃やすことがあり、この2人にとっては完徹する事が、その時の命題でした。

そして、見事に完徹は成功しました。

ここから、2日目に戻ります。

わたしは2年D組の7人くらいの男子部屋の部屋長でした。

クラスの男子部屋は3つあり、真面目くん部屋、不良部屋、その中間層の部屋となりました。

わたしは中間層の部屋長でした。

夕飯も終えた9時頃、1人の女子（A子さんとします）がわたし達の部屋に突然逃げ込んできたのです。

A子さんに理由を聞いたところ、不良部屋の男子（Bとします）に追いかけられているとのこと。

A子さんの事を元々好きだったBが、不良部屋で酒盛りをしていて仲間達に、今の言葉で言うと「告っちゃえよ！」とけしかけられたのです。

Bは飲みなれていない酒に酔っていて、千鳥足の状態でA子さんの部屋に突入しました。

「A子好きだ！」と、叫びながらA子さんを追いかけ回したのですが、千鳥足のBはA子さんには追いつけません。

恐ろしくなったA子さんは、友達と一緒に私たちの部屋に逃げ込んできたのです。

ここで、この騒ぎを聞きつけたMrs.アライが登場。

Mrs.アライの顔は100％飲んだ後と分かるくらいに真っ赤。

今はどうだかわかりませんが、昔の先生は修学旅行などでは、宿で飲んでいたんです。

今回もお酒を持ち込んで、宴会をやっていたようです。

楽しい宴会の途中で切り上げさせられた事により、普段よりボルテージを増したMrs.アライが、踏み込んで来たのです。

以下、ダイジェストで。

 「なんだこの騒ぎは！」

 「Bが酒を飲んで、Aを追いかけ回してるんです。」

 「Bはどこに行った？」

 「どこにいるかわからないんです…」

 「ここの部屋長は誰だ？」

 「naoです。」

 「naoはどこにいる？」

わたしを探す友達。

 「ベットで寝てます」

 「それならいい。この騒ぎは連帯責任だから、全員廊下に行け！」

 「nao起こしますか？」

 「寝てるんだから、そのままでいい！」

そこから、全く関係のない、わたしの部屋の仲間達は、＂あなた達には手がもったいない＂と言う理由で、スリッパでビンタをされました。

もちろん、騒ぎを起こしたBや不良部屋の人達は、ここには書けないほどの、罰を受けました。

わたし、寝てますよね？

実は、昨日の徹夜が効いて、食事を終えてからすぐにベットに入って、熟睡してたんです。

今までの話は全て、後に友人から聞いた話です。

それも、林間学校から帰ってきて1ヶ月も経ってから。

こんな感じでした。

友人1「あの時のアライのスリッパ痛かったよな〜」

わたし「？」

友人2「痛かった、痛かった。寝ていてわからなかった人もいたみたいだけど…」

わたし「？？」

わたしの部屋の誰も悪くないのに、殴られなかったわたしは、なぜか悪者になっていたんです。

50を超えた今でも、この話になるといじられるのが、美味しいですw