このところ、ハラワタが煮えくり返る思いでチェックしているニュースがある。某戦場ジャーナリスト(自称)が、約三年の拘束から解放され帰国したというもの。
海外で不当に拘束されていた邦人が、無事生きて帰国できた、そのことに関しては非常に喜ばしいと思う。しかし、この人物及び周辺事象に関しては納得出来ないことがたくさんある。以下私の怒り、疑問を列記する。
1️⃣彼が出国以前から解放後に至っても繰り返す反日の言動
ジャーナリスト()というものは権力に対する監視や批判を存在意義としているそうなので、政府に対し批判的な思想を持っていても構わないと思う。しかし、危険地域への渡航を自粛するよう呼びかけた政府に対し、「チキン国家」などとのたまい「自己責任だから放っておけ」と毒づいて出かけて行った人間が、人質として拘束され、多くの人たちの働きにより無事解放された後の言葉が、「荷物を取られて腹が立つ」「日本政府の働き掛けで助かったと思われるのは避けたい」である。この男は一体何者なのだろう。ジャーナリスト云々は置いておいて、人間として何か大切なものを忘れてはいないだろうか。
日本政府というのは、たとえどんな人間であろうと邦人が海外で拘束されれば救出の責務を負う。そのために人員が割かれ、税金も使われる。それが悪いのではない。素晴らしいことである。問題なのはそうして助かった人間の態度である。この男の第一声は、謝罪ではなかったとしても、少なくとも感謝を示したものであるべきではなかっただろうか。
2️⃣「自己責任論」
テレビや新聞などは、「自己責任論を以って彼をバッシングしてはいけない」という論調である。特に朝日系メディアでは。それは確かにその通りである。
しかし、彼への批判は、自己責任論に基づくものだけではない。むしろそれ以外のところに要点があると考える。敢えて言うと彼の「胡散臭さ」に起因していると考えるのである。彼自身の挙動に対し、わからない・納得出来ない点(後述)があり、その「疑問」を口にしたり、正当な「批判」でさえも「バッシング」とレッテルを貼り封殺する。彼らの大好きな「表現の自由」はどこへ行ったのか。
テレビ、新聞などのマスメディア(オールドメディアと言ってもよい)が問題なのは、自らのイデオロギーを丸出しにし、気に入らないものはとことん叩き、自分たちの味方と認定したものはとことん擁護する(もしくは不都合な点を報道しない自由を行使する)点であり、両者に矛盾があっても気にしない点である。
例えば首相が一貫して否定しているいわゆる「モリカケ」問題ではなんとかのひとつ覚えのように「説明責任」とヒステリックに騒ぎ立てるのに対し、幹部が何人も逮捕された関西生コンと某野党議員との繋がりに関しては「報道しない自由」である。
今回の安田某もどうやら味方と認定されたようである。テレビ朝日の番組でキャスターが「彼を英雄として扱え」「戦場で捕虜となり帰って来た兵士が英雄と讃えられるのと同じように」「海外では大統領が直々に迎える」と耳を疑うことを語っていた。
3️⃣英雄論
あんなものが英雄であっていいはずがない。英雄とは世の中のため、あるいは守るべきもののために闘うものである。正直感性が違いすぎてどう反論すればよいか悩ましい。
彼が一体何を成したのか?国のため命を懸けて闘う兵士は英雄である。では彼は何をかけた?答えは「迷惑」である。
そもそもこれを言い出すのがテレビ朝日というのが大笑いである。大阪市長であった橋下徹氏と、英雄論を唱えた玉川某の議論(否、とても議論と呼べる代物ではない)を番組で放送していたが、橋下氏の「朝日は自衛隊に否定的ですよね?」の問いには拍手を送りたい。私は自衛隊は今の日本で「英雄」と呼ばれるに最も値する職業のひとつだと思う。彼らは災害救助や海外貢献に活躍する自衛隊を「英雄」と讃えたらどう反応するだろう。恐らくヒステリックに否定するだろう。
戦場を取材するという仕事に意義がないとは言わない。しかし、商社やメーカーその他の職種に就き海外で一所懸命に働いておられる邦人以上のものではない。ジャーナリストは特別ではないのである。
ましてや安田某はその仕事に「失敗」したのだ。仕事なのだから失敗することもあるし、その結果他者に迷惑をかけることもある。勇み足で足下をすくわれることもあるだろう。だからそれ自体を責めているのではない。
普通仕事で失敗したり迷惑をかけたら謝るはずである。助けてもらったら感謝するはずである。それが彼に決定的に欠けていた部分である。
ジャーナリストは特別ではない、彼は失敗した、その二点が彼が英雄でない最大の理由である。
4️⃣そもそも彼の言動は信頼できるのか
彼が解放されたニュースを受け、映像を確認した。なるほど、髪や髭は伸ばし放題で白いものも目立ち、拘束された生活の有り様を物語っているかもしれない。しかし飛行機からすたすたと歩いて降りてくる様はまるっきり健康そのものである。ずいぶん元気な人質である。
普通、入院生活が一週間も続けば下肢の筋肉が痩せ、少し歩くだけでもふらふらしてしまう。元に戻すために、入院期間と同じかそれ以上の期間リハビリが必要である。骨折などでギプスをはめていて外した後も明らかに筋肉が痩せているのを実感できる。
彼は3年間、ほとんど身動きの出来ない部屋で、身体をまるめ、音を鳴らすことも許されないような生活を強いられていたと語っている。普通の人間なら筋肉は萎縮し、関節は拘縮して起き上がることさえ困難であろう。
また精神的にもとてつもない負荷がかかるのは間違いなく、普通に喋り、ましてや政府に悪態をつくなど普通の人間にはとても出来ない。
ここから考えられる仮説は二つ。彼が、精神的にも肉体的にも人間を遥かに超越した超人であるか、彼の話のどこかに嘘があるかどちらかである。前者であった場合は私の指摘は全くの的はずれであり、深く謝罪する。しかし後者であった場合は赦されるのであろうか。
また、音を立てても動いてもいけない状況でどうやって日記を残すことができるのだろう。やはり彼は人知を超えた超人なのか?
カメラや映像は全て奪ったテロリストが、何故日記を持ち帰らせたのだろう。何か狙いがあるのだろうか?
以上のように、現時点では納得出来ない点が多々あり、朝日新聞に非国民と言われてしまうかもしれないが、やはり素直に彼の帰国を喜べない。
もっとも彼もジャーナリスト()であるから、今後様々な媒体で自らの経験した現地の惨状について発表してくれるはずである。それを見せて頂き、納得出来た時、心から謝罪し、彼の無事帰国を喜びたいと思う(英雄とは決して思わないが)。