60歳にもならないのに、毎日出勤しないんだ。
生活苦から70歳を過ぎても働いている人がいっぱいいるのに。
その上、出勤しても新聞を読むのが仕事とは。
こんな生活をしたいのだろうか。天下り。


どんだけ大物?農水省が天下り裏交渉した前審議官の正体

ミスターWTOの実力者

(日刊ゲンダイ 2010/03/30 掲載)

 29日朝日新聞がスッパ抜いた農水省の天下りあっせんの裏交渉にはア然だ。昨年7月に退官した村上秀徳・前農林水産審議官(58)の再就職をめぐり、大臣官房幹部らが官民人材交流センターを通さず、“天下り先”の保険会社にこっそりと待遇改善を要求。報酬アップをしつこくねじ込んだというのだ。 

「当初、保険会社が示した報酬条件は『週3回の非常勤で年額1600万円』でした。ところが、幹部職員らは勤務日数を週1日増やすかわりに報酬を引き上げるよう、執拗に要求。最後は保険会社が折れて、報酬が150万円も上乗せされたのです」(農水省事情通) 

 昨年9月中旬、センターから保険会社に「(再就職は)キャンセルになった」との連絡があり、村上氏が天下ることはなかった。それでも保険会社の関係者は「勤務日数が増えても、秘書にお茶を入れさせて新聞を読むだけ。いろいろなしがらみがあって引き取ることになったが、ばかばかしい人事だった」と朝日の取材に答えていた。 

 村上氏は、農水官僚に天下り先の報酬アップに汗をかかせるほどの大物官僚だったのか。 

「東大法学部を卒業後、74年に入省。出身は熊本です。初代の国際担当総括審議官、同じく初代の国際担当の大臣特別補佐官を歴任し、省内きっての国際通でした。安倍政権以降3年余りでコロコロ代わった計6人の農相に仕え、ずっとWTO交渉を指揮。各国の交渉担当者から『日本は閣僚が代わっても、ムラカミがいるから問題ない』と評価されていました」(農水省関係者) 

 汚点といえば、08年の事故米の不正転売問題で「当時の総合食料局長として、不正を見抜けなかった」(関係者)こと。この時は訓告処分を受けている。人柄の評判は「地味でコツコツ仕事をこなすタイプ。カネに執着する人ではない」(霞が関関係者)と悪くない。 

 村上氏は「いろいろなことが聞こえてきたので自分から再就職を辞退した」と言っている。農水省が勝手に裏交渉に臨んだのだとしたら、本人もいい迷惑だろう。 

 農水省は無条件で幹部OBが再就職できる“天下り指定ポスト”が、霞が関でも一、二を争うほど多い省庁だ。省の体質が問題なのである。