『TAJOMARU』

芥川龍之介の短編作品「藪の中」に登場する盗賊・多襄丸を
中心に据えている。

この映画を簡単に説明すると

畠山家のお家騒動と恋愛映画

といったところでしょうか？

良くも悪くも主演の小栗旬（畠山直光／新・多襄丸）ありき。

兄・畠山信綱（池内博之）と兄弟同様に育った
桜丸（田中圭）との間に繰り広げられる家督問題。

それに許嫁の阿古姫（柴本幸）を巡っても
運命は翻弄される。

ネタバレになるから避けるけど、
ある事によって家を出て行く事になる。

まぁ、この映画の中で直光がよく泣いているのである。

しつこいぐらい。

全体的にけっこう内容もとっちらかっていて、
無理くり辻褄あわせをした感は否めない。

でも確かに小栗旬の演技は安定感があり
うまいと思う。

ちょことちょことしか登場しないけど
ベテラン俳優がしっかり脇を固めていて
物語は成り立てていたなと感じた。

先代多襄丸を演じた松方弘樹は
飄々としたキャラと殺陣で自分を確立し、
足利義政を演じた萩原健一も
独特の世界観で怪演している。

他にも本田博太郎、近藤正臣もいい仕事をしていると
感じた。

柴本幸の阿古姫はうまく観る側に
役の難解さが伝わってこなかったのが、
残念かなと思う。

あとで謎解きがあるんだけど、
観ても微妙でした。

ただ、時代劇という背景の中での
青春恋愛劇と思えば、題材的に
こういう宿命を背負うというのは
主人公を演じるには
わかり易いのかなとは思う。

エンドロールで流れるB'zの「PRAY」は
直光と阿古姫の心情に重なる部分が
多くマッチしていた。

映像は拘りが感じられ美しかったです。

今回の評価は59点です。

途中から楽しめたんですけどね。

ONE FOR THE ROAD