ほろ酔いで、情の通う澳門の街に浸っているという気分満杯のぶらぶら歩きは続きます。そのうち大通りに出てきました。しかし、先ほど出てきた南湾の景色とも違い、もっと下町的です。
実は澳門に到着したとき、香港に帰るフェリーの一等切符を買っていましたが、まだ時間もちょっとあることだし、「カジノでものぞきますかね、まあ、大きなカジノで小さな勝負をするのも気がひけますから、フェリー・ターミナルに近い、そう派手でないコンパクトなところにでもしますか」とこんな考えをしていました。
ところで、「ここはどこだろう?」「ここはどこ?」(「私はだれ?」とは全然思いませんでしたが)夕暮れになると、心細くなってきます。案内所でもらった澳門半島の大きな地図を見ても、「???」 ほろ酔いで気の向くまま楽しんだそぞろ歩きがたたっています。もう酔いもまったくなくなっています。
こういうときは誰かに聞く!“Where am I? Please point on the map.”とか言って地図とシャーペンを差し出して聞きますが、ほとんどの人は英語(あるいはおれが言う英語か)がわからない様子。「そうだよね。この前までポルトガル領だもんね」
困った!元気な学生風の5人組がいたので、聞いてみました。親切に一人が地図を手にし、見てくれましたが、「???」 中にいた日本に行ったことがあってちょっと日本語がわかるという青年に「フェリー・ターミナルに行くには?」と聞いたりしますが、すぐにはわかりません。(地元の人のようにみえるけど、ちがうん?)
そのうち、地図に「ここは、この辺りと友達が言っている」と印をつけてくれました。(そこは澳門半島の南、外湾と南湾の中間地点にある観音像のところを指しています)
「これなら2キロくらいだし、最悪歩いて行けるね」とちょっと安堵しました。やがて、近くから人がたくさん出てくるし、道でタクシーから人が降り、そして先にはかなり大きなバス乗り場もあるのが把握できました。どうもここもフェリー乗り場のように思えました。バス乗り場の方で案内板を見ていると、さっきの青年が来て「香港フェリー・ターミナルへは10Aに乗ればいい」と指し示してくれました。「謝謝」
バスのフェリー行き案内板
しかし、言われたバスは来ませんし、タクシーに乗ろうとして降車で止まった少ないタクシーに「フェリー・ターミナル」と言っても手を振って「だめ、だめ」
そうか、「澳門はタクシーが少ないので、乗車拒否をして乗れない」という記事があったことを思い出し、先ほどの「観音像辺り」というのも、地図上にはフェリー乗り場などありませんので、「怪しいもんだ」と不安がこみ上げてきました。(「がっこで地図の読み方は習わないのか?」とちょっと八つ当たり)
困った!もう暗くなってきたし、澳門残留孤児?フェリーに乗ると思しき人は時々タクシーから降ります。それに乗ろうとしてもほとんどが拒否られています。そのうち大学生風のおねえちゃんが降りたタクシーに交渉しているのが見えました。
おれはそれに急いで近づくと、やおらお財布から100ドル札を2枚出し、交渉するおねえちゃんの背後からそれを突き出してかざし、「香港フェリー・ターミナル」と絶叫しました。
すると、それまで横着な顔でおねえちゃんに拒否していた運転手さんが一転おれに愛想よく笑いかけ、「OK、フェリー・ターミナル」と言うではありませんか。同時におねえちゃんの「きゃあ~、いや~!」と絹を裂くような悲鳴!“I’m sorry, but I’m in a hurry.”
やさしいタクシーの運転手さん。乗るとすぐに200ドルを渡すように言われました。
このフェリーに乗りました。
こうやって無事フェリー・ターミナルにたどり着き、孤児になる目はなくなりましたが、結局カジノは行かずじまいで早めに香港に出港しました。さようなら澳門、元気でね!
さようなら、澳門。外に見えるのはカジノ・ホテル
無事香港に着くと、娑婆に帰った気分になり、カジノもしなかったことだし、これからのアクティビティがとても大事になってきました。 (続)
(あとでつらつら考えると、タクシーに乗ったところは、半島の西、珠海市側、広州・深セン行きフェリー乗り場の近くだったようです。)


