北園酒家からは広州駅が近いので、帰りは広州駅にしようとタクシーで行きましたが、20時40分の列車しかないということです。


あすかのたび 広州駅広場にタクシーで到着


もう深センでのイメージが浮かんでいますので、早く帰るためにはたくさん列車が出る東駅に行くしかねえべということで、切符売り場を出ました。地下鉄、地下鉄の駅はどこだと探していると、20歳くらいのすじきんのおにいちゃんがそんなに排気量がなさそうなバイクにまたがり、後ろにやっと二人座れるほどの座席車を付けて、乗るように勧誘しているではありませんか。


ついつい話しかけるみたいになり、広州東駅と簡体字表記を見せると50元と書きます。地下鉄に乗るのは面倒になっていましたし、タクシーより高いかもしれませんが、かわゆさに負けて“OK,go!“


あすかのたび 件のバイク・タクシーの運転手さん


にっこりして車の向きを変え、「乗って」―そしていきなり出発で、これがこわいこわい!フルスロットルで、乗用車の間をぬって車線変更を繰り返し、追い抜き。こういうのは、運転手の腹に両手を回して乗っていくのが理想でしょうが、そういう余裕はまったくない!左右の手でそれぞれ座席の金具をしっかりつかみ、道路の凸凹でバウンドしたとき振り落とされないようにするのがやっと!


これはいっしょに心中かとまじ思いました。そのうち広園快速路と思われる自動車専用道みたいなところに入り、余計にスピードを上げようとします。バウンドも大きくなり、まじこええー!たまらず、背中をつんつん。(締まっていた^^)「どうしたの?」と平気な顔をしてしっかり振り返るじゃないですか!もっとこええー!


「前向いて」とジェスチャーをしますが、「バックミラーがあるから、見ているので大丈夫」みたいにひびの入ったバックミラーをとんとんします。「どういうことじゃあー」と思いましたが、これ以上ジェスチャー・ゲームをしますと、天国に行きそうなので早く目的地に着けとひたすら「なんまいだぶ、なんまいだぶ」と祈っていました。


そのうち、「東火車駅」の表示も目に付くようになり、もうちょっとと我慢。ふと最も右側の車線を見ると、左に東火車駅 右に天寿路と二列に書いてあるではないですか。まったくスピードを緩めませんので、「おいおい、お陀仏でも、天寿はまっとうできねえぞ!」と思ったことでした。


そうこうして快速路をおりたら、いくらもせず停車。こんな人気もないところで停まるのは、こわがらせたお詫びのためになんかあるのかなと期待しましたが、「ここをまっすぐ行けば、切符売り場だよ」と言っているよう。そう言えば小さな看板もあります。ああ、ゆっくり市内見学するために雇ったらよかった。(そして静かな場所で休憩するとか)


舞い上がっていたせいか、それから切符売り場に行くのがたいへんでした。ここが東駅の北だということがわかればよかったですが、中間にある東駅のバスターミナル(汽車駅)と東駅に行くトンネルを何回かうろうろ往復。プラカードをかざした英語のできるおねえちゃんに聞いたら自信たっぷりに“Go straight“でバス乗り場(あとでわかった。言われた時点では大感謝)の方を指したからです


「おめえのせいだぞ!うろうろせざるをえないのは!」ずっとあとでやっと駅の場所が判明して人心地を取り戻しますと、まだ何食わぬ顔でプラカードを持って立っているじゃありませんか。プラカードを奪いとってぶったたいてやろうかと思いました。(実際にしたら帰れなくなりますので、よい子は思うだけです)


あすかのたび


切符を買うのも、ブログで教えていただいていた、自販機しかなくておつりが出ないということを思い出してはいましたが、二等車=おにいちゃんの図式しか頭にありませんから二等車を買う操作しかしません。しかも、二列車分しか表示がでませんし、いずれも満員。するとあとに並んでいたおにいちゃんが左下のボタンを押して次の列車の画面に切り替えてくれました。


「よしよし20時20分の二等はあいている。これこれ」操作して買ったら何と「無座」―「ひいぃ~、立っていくのかよ」 もうほんとに二等=おにいちゃんの硬直した思考が災いしています。身から出たさびに泣けてくる思いでした。


それにこんな遅い時間になってしまい、広州駅で切符を買って近辺でゆっくりしていてもよかったかなと思いましたが、えがたい冒険もしたことだし・・・


あすかのたび 無座の切符 75元。一等と20元しか違わないのにね。

あすかのたび 改札前は混雑していました。実はここで大学生と思われる女性に自分の席のある切符と交換してあげると言われましたが、日本男児の意地でありがたく辞退しました。(←ええかっこしい^^;)


そう、おれはポジチブ・シンキングもする人で、「劇場でも二等切符で、空いていたら一等に座っていてお客さんが来たら“すみませんでした”でかわればいいもんね」ということで、冷静に考えれば春節の終わりに移動する人たちでごった返すことが予想され、まさにそうなっている中、発券された3号車空いている席にしっかり座りました。

あすかのたび これに乗りました。


そのうち、利口そうなおねえちゃんが隣に来ましたのでびくっとしながら「こちらの席?」と尋ねましたが、「いいえ、自分は別の席だが、ここが二人がけゆっくりできそうだから」「おれは“no seatだけどね、ほら」と切符を見せると、聞き耳を立てていた人がいっせいに振り向いて「えっ!」と注視する感じ。同時におねえちゃんは「しぃー!」 中国では無座だと金輪際座れないのね。(えっ、日本でも同じ?)


あすかのたび 二等の3号車内。結局注目の対象はいなかったような・・・


そのあと、筆談のために書いてあったものを見て、「中国語ができるの」と聞くので「まったくできません」 「でもここに中国語を書いているじゃない?」と不思議そう。


「日本人は学校で中国古典を学習するから、発音はまったくできなくても中国人に何とか理解してもらえることは書ける。」と説明した上で「大学入試の国語では、現代日本文50%、日本古典25%、中国古典25%の配点だったりして、日本は唐文明の正統継承者だよ」とかましておきました。


このころになると元気が戻り、「国破在山河城春草木深って知ってる?」とか、自分のことは棚に上げて「倉廩実即知礼節 衣食足即知栄辱っていうのはどう?」とか書いてみますが、「意味、わかんない」でした。ごめんなさい、悪乗りしました。


深セン住みらしく、「深センはどう思う?」と聞きますので、「中国の中では自由な都市だからすき」というと、「どうして自由なのだろうか?」「それは経済特別区だから、経済についての自由放任が影響して、人々のその他の活動にも規制が少ないんじゃない」「ふーん」


そろそろ深セン駅に到着です。結局座ったまま帰りまして「ありがとう。楽しかった」「よい旅を」と気持ちよくお別れです。