小島「えー、よろしくお願い致します。ジャーナリスト上杉隆さんです。」



上杉「はい。」



小島「お口の中には、アップルマンゴーが入っていますよー、ねえ。神足さんが、アップルかマンゴーかと言いましたけれど、マンゴーです。」



上杉「分かんないですよね?」



神足「見た目は分かんないよ、こんなのねえ!」



小島「ハハハ。どこからどう見てもマンゴーですよ。ねえ。」



神足「どう見ても、ってほどマンゴーじゃないよねえ。」



上杉「完全にマンゴーですよ。他に何か、たくあんか何かに見えるんですか?あ、たくあんに見えますよね。」



小島「ねえ。ドライフルーツね。あのーだいたい年度末になると、あの番組内容が変わったりとかね、番組自体が変わったりとかもあるんですけれど、キラ☆キラでは上杉さんのコーナーが最終回ということでね。」



上杉「えっ!そうなの!?」



小島「それ、先週やった。先々週(先週)、その茶番はやりました。ふふふ。」



上杉「へへへ・・・。」



小島「それであの、ラジオだけ聴いていらっしゃる方はね、あんまり分かんないかも知れないんですけれど・・・。」



上杉「えーっ?」



小島「あの、Twitter上ではね『上杉さんはこう何で降ろされるんだろう?TBSに何か意図があるんだろう?』みたいに結構盛り上がっていて。最終回、どんな話をしてくれるのかって言ってですね、結構たくさんの方が今日期待して聴いているんですよ。上杉さん。」



上杉「うん。」



小島「分かってる?」



上杉「今日は・・・。」



小島「ケータイ置きなさいって。下にね。」



神足「あはははは。」



上杉「今日は何?今日は何の話でもしますよ。」



小島「でね。あの、最終回に今まで一貫して2年間、上杉さんが伝えていらしたことをまとめてちゃんと思いを聞こうということももちろんなんですけど。まず、前半は福島第一原発を巡る情報公開と報道のあり方について、先週に引き続き。また今週ちょっと情勢が変わりましたので、伺って行きたいんですけれどもね。さっき・・・。」



上杉「もう、一週間一週間が違いますよね、これ。私からすれば、違わないんですけど。あのね、報道が違って来るという。」



小島「昨日、新たな事実が明らかになったというと、第一原発の敷地内でプルトニウムが検出された。それから一号機から三号機の建屋の外にあるトンネルの中に高い濃度の放射性物質を含む水が溜まっているということで。で、さっき東電の会見があったようですけど。上杉さん、何か新しい事実などはありましたでしょうか?」



上杉「まあ、プルトニウムと社長がダウンしていた。そして、溜まり水に一千万倍。修正して十万倍、いずれにしろ高い濃度があったと。まあ、この3つがこのニ、三日で明らかになったんですが。基本的に、社長とプルトニウムは結果として、私の質問がきっかけで明らかになった。そして、溜まり水の方も赤旗の記者、フリーのジャーナリスト他、CNN、海外メディアが質問して明らかになったと。つまり、ずっと言って来たんですが、記者会見をオープンにすると、こういう風に国民が本来知るべきことが分かって来るんですよ。なぜかというと、日本の記者クラブは誰も質問してなかったんですよ、二週間。」



小島「プルトニウムに関しては数字が出ていなかったことは検出されていないという風に思っていたら、そうでなくて調べていなかったってことが明らかになったんですね。」



上杉「それも、質問の仕方が『前に一回聞いた』と言っているんですけれど、どっかの記者が。『違います、ありますか?』と。【ありません】、『はい、そうですか』と。終わり。こんなの記者じゃないですよね。僕が訊いたのは、『表の中にプルトニウム検出の表はないんです。何でないんですか?』と。言ったら、【それは、未検出だから】と。『未検出でいいんですね』と。『測ったんですね、どれ位ですか?』と、言ったら【実は検査してない】と分かって。『どういう形で検査するつもりですか?』と言ったら。【元々、機械がない】と。この期に及んで、【測定機器を持っていない。これから借ります。】と言ったんですよ。一昨日の記者会見では。」



小島「一昨日のことなんですね?」



上杉「ええ。ところが、昨日。会見したら、21-22日に測っていて、そして発表したと。ま、嘘をついたんですね。どっちににしろ、嘘ですよね。どっちかが。」



小島「でも、検査に一週間かかるって聞いたんですけど。」



上杉「検査はね、一日です。これは原子力のHPにも載っていますけど、一日で測れます。それで、まずそこも嘘。更に、21-22日だったら、本当だったらこれは、即日開放できるし。私の時はそもそも検査もしていないし、機械もないって言ったんですよ。記者会見で副社長は。」



小島「一昨日の時点でね。」



上杉「だから、どっちかが嘘じゃないですか?副社長の言ってるのと、ま、本人ですけど。要するに、いずれにしろ一日で言っていることが変わっているんですよ。ここを突けばいいんですけど。まあ、今日もこれからあるんで・・・。」



小島「じゃあ、上杉さんの見解では、実は一週間前に調べて一日ほどでおそらく結果は出ていたであろうけども、一昨日の時点で上杉さんがプルトニウムの値っていうことを質問しなければ、昨日の段階でその数字は出て来なかったんじゃないかってお考えなんですね。」



上杉「ええ。一切言っていないですね。あと、もし逆もあるんです。私が質問したんで慌てて検査をして、でも今、慌てて昨日検査をしたって言うと、【あのフリーのライターにジャーナリストに言われたからやった】と。後手後手だと言われるから、21(日)と言って、かなり数字を戻してそこでやったとしてる可能性もありますよね。どっちか分からないです。」



小島「本当に24時間、一日で出来るんですか?」



上杉「出来ます。あの原子力のHPに出ています。『元々、検査どこに調査頼んだんですか?』って言ったら、名前は忘れましたけれど原子力何とかって答えたんですよ。」



小島「日本原子力研究開発機構。」



上杉「ここがやっているHPに、一日で出来ますと。これは、法律上も一日で出来ると書いてあるんです。」



小島「仮に東電が、じゃあサンプルを原子力研究開発機構に持って行ってそこで一日で検査して、その分析結果を東電に戻してっていうので一週間かかるっているのが言い分だとしても、その情報は一昨日の時点で上杉さんが質問しなければ出て来なかった可能性があるし、その他に一週間かからずに検査出来ていたって可能性もあると。」



上杉「それに、東電はまだ調べていないと言ったんですよ。それ、どうして調べた・・・調べていないって言ったことが嘘じゃないですか?検査の機械もないって言っているんですよ。第二原発にあるんだけど、津波で流されたんでありません、って言ったんです。副社長が。それも嘘ですよね?どっちにしろ、嘘を付いているんですよ。」



小島「で、昨日になってそれが出てきたと・・・。」



上杉「急にひっくり返ったと。だから、どっちにしろ隠蔽。どっちにしろ嘘の発言をしたんで、こういうのは問題だと。しかも、プルトニウムが紙一枚で止められますと言っているんですけれど。じゃあ、防護服も含めてプルトニウムは世界に向けて安全ですと。プルトニウムというのは実は安全なんだと、日本では。紙一枚でいいんだと、障子でも何でもいいから向けてプルトニウムから守るには何でもいいじゃないですか。」



神足「そう書いてあるよね。」



上杉「書いていますよ。」



小島「外部被曝に関してはそうであると。ただ、呼吸して呼吸器にくっついた場合にはあの肺がんになると。」



上杉「でも、飛ばないと言っていますから。飛ばないんだったら、じゃあみんな障子で囲えばいいじゃないですか?ねえ。普通に。僕が言ったんじゃなくて、あの、新聞テレビが・・・。」



神足「そう言っていますよね。」



上杉「これが安全デマ、安心デマ。二週間前から言っている。こういうことを言って何の得になるんだと。」



小島「ただ、あの。内部被曝の話はでていますけどね。もちろん。」



上杉「内部被曝じゃなくて、(プルトニウムは)障子は紙一枚で止められると書いていましたよね。」



小島「というのも書いてあるけれど、同時にえーっと、呼吸器に取り込んだ場合には深刻な健康状態になるというのも・・・まあ両方出ていますよね。」



上杉「当然ですよね。でも、【紙一枚で安全です】と言う必要はないですよね。」



小島「外部被曝を紙一枚で防げるってことをして、プルトニウム=安全というのは飛躍していますよね。」



上杉「飛躍していますよ。だって、全く人体にも問題ないって書いていますよ。そういう書き方をするのは、あんまりフェアじゃないんじゃないかと。要するに、ちゃんと危険性があるもんだから危険だって言っているんですよ。これまで人類は、プルトニウムに関しては。」



小島「先ほどね、崎山(出演していたTBS記者)さんの説明でも確かに近くにいて吸い込んだら非常に危険だというね。」



上杉「危険じゃないはずがないですし。危険じゃないんだったら、プルトニウムを危険な物質として扱わなければいいじゃないですか。危険で扱いながら、危険ではないというのは余りにも矛盾しているから。別に、危険だと煽る必要はないんですよ。本当のことを言えばいいんです。紙一枚だって、仮に防げてもそんなことはしませんよと、普通。それは。そんな危険なことする必要がない訳ですから。だから、淡々と普通にこれは危険な可能性がありますと。外部被曝はないけれど、大丈夫だけれど、外部被曝すると将来的に癌になりますよと。言えばいいじゃないですか。」



小島「なるほど、上杉さんが気になってるのは言い回し方として、いやいや、紙一枚で防げる安全なものだから心配しないで心配しないでという言い方をしなくてもいいんじゃないかと。」



上杉「それを安心デマ、安全デマと言っているんです。それは、言う必要ない訳ですよ。何でそんなこと言わなくちゃいけないんだと。それを安心させようとするんですよ。結果として、これまで二週間。そういうことをやって来て、安心です、放射能が飛んで来ても人体に影響はありませんって。爆発はしません。絶対大丈夫です。と言って来て、全部間違えているんじゃないですか。そういうことを言えば言うほど、仮にそうじゃなくなった時に政府、東電、記者クラブ。ここ全体の信頼が失われて来ているんだから、もうこういうことは止めましょうと。」



小島「東電でいえば、社長はどこにいるんですか?って、上杉さんいつ訊いたんですか?」



上杉「それも一昨日です。もう、世界が注目しているこういう事故、人災でやはりトップが出て来ないのはみんな不安に思うと。是非、清水社長がどこにいらっしゃるのか教えて下さいと。何で記者会見に出てこないんですか?と訊いたんです。そしたら、執務をどうのこうのしていますと言ったんで、ちょっと待って下さいと。この2階に統合本部があるじゃないですかと。そこに来てないって言っていますよと。言ったんです。ある情報を取ってから。そしたら、いや来ていますと。言うから、本当ですね?と。で、次の日にまた訂正したんですよ。あ、その日の副社長の会見が終わった後に広報部長が出て来て、【すいません。先ほどの件ですが、社長は入院していました。】と言って。みんな、えーっ!てなったんですね。そこで、どうして入院したんだということを、フリーとネットの記者とかはみんな訊く訳です。何でだ何でだと。海外メディアも。で、私も入院していたと話が変わったんで、『入院しているんだったら、是非お見舞いに行かせて下さい』とお願いした訳です。そしたら、丁重にお断りされましたけれど。」



小島「あの、今仰ったのは、フリーのジャーナリストとネットのジャーナリストと、海外のジャーナリストはそういう社長の今何してるのかとかね、プルトニウムは検出されていないのかは訊くけれどっていうことを再三されているのは、記者クラブメディアは訊かないってことなんですか?」



上杉「訊いてないですよね。だって、二週間訊いてないからこうやってニュースになっているんですよね。」



小島「誰も、だーれも訊いていない・・・。」



上杉「一回でも訊いていたら、とっくに新聞テレビに載っているんじゃないですか?これだから、繰り返し記者会見に入ることは重要だと。まだ入れませんけど、官邸も。言っているのは、こういう質問はフリーとか海外が出来る訳です。記者クラブメディアには出来ない。もう期待してないから、あなたたちは別に仕事やってもらっててもいいと。邪魔はしないから、私たちの仕事をやらせて下さいと。」



小島「記者クラブメディアは何でそれが出来ないんですか?」



上杉「まあ、それは私たちは知りませんからね。」



神足「僕は聞きましたけれど、無用なこう何て言うんですか、動揺じゃないですけど。そういうものを報道をしちゃいけないんだとなっているそうなんですけど。」



上杉「してるじゃないですか。」



神足「いや、それがね・・・。」



上杉「今。」



神足「それがね。真実を伝えないといけないという言い方と、両方がメディア側でせめぎ合っているというんですね。」



上杉「じゃあ、書かなきゃいいじゃないですか。プルトニウムも社長が入院したことも、何で書いているんですかね?新聞テレビ・・・。」



神足「それは分かんないけど・・・そのせめぎ合いでどっちがこう勝つかっていう状態で今メディアが動いている・・・。」



上杉「そんなことせめぎ合っている場合じゃなくて、人命が懸かっているんですからね。まあ、記者クラブの話は止めましょう。無駄だから。」



小島「情報を受ける人ね。情報を手にする人たちって、もちろん専門家でない人が大半な訳ですから。専門家でない人たちが、でも自分の命に関わるかもしれない。自分の暮らしに関わるかもしれないっていう情報を知るためには、じゃあどんな順番で良いことも悪いことも含めて、分かりやすく迅速に伝えるべきであるというのはこれは上杉さんも一貫して仰っていますしね。もちろん、神足さんもその視点で仰ってる・・・。」



神足「あとね、最悪の事態っていうことがどういうことかもうよく分からなくなって来ているんですよ。」



上杉「最悪のシナリオというのは、その時に考えられる最悪のシナリオというのを提示して、最善のシナリオもある。最善の対処のために。最悪の事態を示さないと、最善の対応も出来ない訳ですよ。当たり前ですけど。それは、当初。発生直後は、福島第一原発一号機が爆発したと。水素爆発かどうかまだ分からないという時に、考えられる最悪の部分を提示して、じゃあ30キロ位に逃げなさいというのが、これが世界中の政府がやったことです。今は80キロですけど。これが世界の原子力事故に対する最悪の事態、シナリオに対応した上での最善の対処と。これも世界中決まっているんです。日本はその時に2キロと言ったんですよ、念のため2キロ。だから、それで3キロ、10キロ、20キロ、30キロと増やして行く度に不信感が漂う訳です。そして今、日本だけが30キロ。これも二週間前に枝野(官房長官)さんに質問しましたけど、『世界中が80キロ以上。そうすると、この50キロ圏内に、間に住んでいる人は非常に不安じゃないですか?』と。この不安を除くために、日本政府が何をやるかというと同じ80キロにするのか、もしくは80キロにしてしまってる世界中の政府に抗議をして、『あんたたちは間違えてる。日本政府が正しいんだと言ってあげないと、住民は不安ですよ』ということを聞いているんです。」



小島「たしかにね。」



上杉「新聞もそういう風に報じればいいんだけど、新聞は、30キロで大丈夫ですと。海外は80キロ、これ普通に報じないんですよ、基本的に。世界中で言われている。そこで何をやったかというと、30キロだけど安全ですと。安全ですと言っても今度、広がっていくと不安になりますよと。安全だったら、何で30キロで安全かという根拠を言わないといけない。寧ろ、根拠のないデマを飛ばしているのが政府と、結果として今回は東電と、テレビ新聞の大手メディアが流した訳ですよ、この二週間。だから、僕が作ってあげたのは・・・もう、作ってあげたの記者クラブの人たちに。『30キロ、日本は30キロ。世界は80キロ。どうして世界は違うのか?日本人は、30キロで耐えられる放射能に強い民族だから耐えられるんです』と。これしかないんですよ、方法は。」



小島「そんなねえ・・・。」



神足「いやだけどね。これ例えば、朝日新聞の二面ですけど。燃料溶融は地震翌日からって書いてあるね。」



上杉「だから言ってたじゃないですか。」



神足「圧力容器の底は溶けた穴かもしれないと。こういうことをもう書いてるのは、随分、上杉さんからしたら遅い訳ですね?」



上杉「だって。二日目に、可能性がありますよと。断定はしてませんけど。こういう風に言っている人がいますよと。」



小島「報じるべきであったと、上杉さんは仰ってる訳ですね。」



上杉「ええ。こっちに関しては、あのメルトダウンですよと。これ、ずっと言っていました。」



神足「可能性があるということだよね。」



上杉「メルトダウンの可能性があるということだから、それに対して対応しなくちゃいけませんよと、ずっと言い続けましたね。」



小島「だったら、それが起こってるか起こってないか分からないけれども、その可能性があるという時点で報じるべきだし、だったらどういう手段を取るべきかってことを先手先手で考えるべきだったのにと。これは、一貫して仰っていますよね。」



上杉「ええ。」



小島「あのーたぶんね。東京電力もそうですし、政府もそうですし、それから記者クラブもそうでしょうけども。本当に最先端の現場で頑張っている人の中には色んな言い分があると思うんですよ。だけど、権限が集まって来て、その決定する人たちの間で怠慢があったんじゃないかとか。それから、ある種の利益を共有する人たちの杜撰な情報管理だとか、或いは杜撰な政策の進め方があったんじゃないかという話が、絶対追求しなくちゃいけなくて。同時に、現場でやっている人たちの同じような上層部に対する怒りとかね、ジレンマの中でもそれでも粛々と人の暮らしの安全を守る人たちっていうのは、これは東電にもいらっしゃるし。それから、記者の中にもね。上杉さん、前に仰っていたけどね。若手記者の中で、記者クラブ制度に対して激しい憤りを持ちながら取材をしている人もいると仰っていたんで。どんな立場で発言する人もその記者会見の場とかね、情報にアクセスできる場所を作るってのは絶対必要ですよね。」



上杉「今回のね、NHKの記者とか共同通信の記者とかはかなり突っ込んだ質問をしていたんですよ。この件に関しては。それは、東電とのスポンサー関係がないからかも知れませんけれど。まあ確かに、やっている人もいます。ただね、やっぱり一つだけ言いたいのは、東電も政府の枝野官房長官を含めみんな。全員そうですし、記者クラブの大手メディアの人もみんなやっぱり給料もらってやっている訳ですよ。フリーの人間、私たち含めて自由報道協会(仮)、全員これ働けば働くほどマイナスになっているんですよ。会見に行ってみんな。その辺のところで、本当にお金もらってやっているんだったら、自分の仕事をした方がいいんじゃないかと。」



小島「上司の言うことを聞くためにお金をもらっているんじゃないでしょと。」



上杉「ジャーナリストだったら、ここは人命懸かって、そして国全体の存続が懸かっている大事件なんですから。大事故。こここそ、もう首になってもいいから覚悟もあってちゃんとやってくれるかなと思っていたんですよ。」



小島「あの、東電批判はねTBSラジオでも久米宏さんも、それから大沢悠里さんもされているし、宮台(真司)さんもされてるしね・・・。」



上杉「それ、事故以降でしょ?」



小島「ん?」



上杉「事故以降でしょ?事故以降ですよね、それは。」



小島「記者クラブを上杉さんが指摘されたように、日本で何かが起こった時に情報の流れ方というのも同時に企業の体質とか政権の情報の出し方と同時に、物の情報の出し方を誰かがずーっとチェックして構造自体を変えて行こうって提言をやっぱりするべきですよね?」



上杉「ホントに、まあ僕は今日でいなくなるけど、誰かがね、TBSを含めて全体でやって行かないと。僕は、別に自分が正しいなんて言ったことはないんですよ。ただ、こういう風に色んな意見がありますよと。多様な意見を提示する人がいなくなると、これこそ本当にね、独裁とかファッショとかになってしまうし、国民が大本営(発表)の時と一緒に同じで・・・要するに、全く違った情報で気付いてみたら、不幸の淵に突き落とされると。これはね、個々はみんな善意でやっているんですよ。善意で。ところが、これは善意の中で、【合成の誤謬】というのがあって。個々は正しいことをやっているんだけど、全体として間違った方向へ進むという、どこでもあるんです。これは世界中。大本営もそうだったし、ベトナム戦争の時のケネディー選挙もそうだったんですよ。ロバート・マクナマラにしろ、マクジョージ・バンディーにしろ、天才が集まっているのにベトナム戦争に突っ込んで行くんです。これはどこでもあるから、今回も枝野さんとか、たまたま長島昭久(衆議院議員)さんにばったり東電で会いましたけれど。本部で。とにかく、【合成の誤謬】にならないように気をつけて下さいと。もう、これしか言えないと。それぞれが皆さん凄い、素晴らしい政治家だし、東電の人たちだってやっぱり知識を持っているし、記者の人たちだってやっぱり何かを伝えようとしてやっているんですけれど。個々は正しくても、全体で間違えた方向に行っている可能性もあるので。いや、それでも違うんだって言う人が何人もいる声を無視しないようにして下さいと。これだけだったんです。」