それからアリスはもう片方の私の隣のイスに腰掛けた
アリスはしばらく黙っていたが
何かを決心したように口を開いた
「・・・・やっぱり 帽子屋さんも昔と違うんですね・・・?」
私はその言葉の意味を知っていた
だからうなずいて笑った
「何せあなたは夢を見ていたのですからね・・・・。」
アリスは小さくうなずいて
ここに来るまでに何があったのかを教えてくれました
彼女はとても退屈だったそうです
お姉さまはすでに結婚されており、家におらず
彼女はいまだに男に恵まれずに家で一人過ごしていたそうです
そんなとき 庭に白ウサギが現れたそうです
と言っても
白ウサギの耳を生やし 小さなふさふさのしっぽを生やし
懐中時計を首からぶら下げた
腰のあたりぐらいの背をした青年
なんですけどね・・・
最初アリスは目を疑ったそうです
なんだこの変人は、と
しかし 耳も尾も本物でした
だったらこれもやはり夢なのだろうか
そう思って これはこれで面白いのではと
ウサギについて来たらしいのですが・・・・・・・・・・・・
来て 彼女は絶句したそうです
そこは 彼女が昔夢見た世界と同じで
しかし まったく違った世界だったのだ
そこは
本当の「不思議の国」だったのです