大森靖子『さっちゃんのセクシーカレー』本当にいい歌だなぁ。
「成長しないで さっちゃん/茶髪にしないで さっちゃん/彼氏つくらないで さっちゃん/僕だけの特別 僕だけの特別」。
自分の感情・想いを、道徳や常識など一切切り捨てた素振りで、直球でぶつけるこの上ない愚直さ。

川崎中1殺人事件(少年らが上村君を惨殺した事件)の公判で、被害者の父親が「(犯人は)『上村君の命を背負って生きる』と言うが、とんでもない。うちの息子の命は犯人ごときに背負えるほど軽くはない」「復讐してやりたい」と、涙ながらに語ったという。
「さっちゃん」に通じる魂の慟哭。

人は、感情の、心からの吐露に共感するよう進化してきた。
強く色濃く想いがつまっていればいるほど、我々は『感動』の念を抱く。
感動とは何も、下らない悲劇や成功譚を見て下種な喜びを味わうことではない。
心が強く突き動かされ、揺さぶられ、無条件に涙が出るような何かを感動という。

その意味では、私は『さっちゃんのセクシーカレー』を聴いて涙したし、川崎中1殺人事件の被害者の父親の言葉にも耐え得なかった。
冷静で冷徹と捉えられがちな私でも、である。てわけで、おススメ。『さっちゃんのセクシーカレー』
AmazonでのCDはこちら