「らくごのご」(1995.12.14テレビ朝日(関東))
毎度おなじみの桂ざこばと笑福亭鶴瓶の「らくごのご」。
今回は、ざこば師匠の家庭の事情や米朝師匠の弟の話がありました。今回も
長い。
(ちょっと悪い予感)。
司会の酒井ゆきえさん、まだパンタロンです。

 パンタロン 何枚あるか ゆきえさん

ゲスト:美木 良介

お題:誕生日、闘病生活、心機一転

鶴瓶師匠。焼肉屋を舞台に。「タン・上・B」のメニューを作る。「心機
一転」と書け。出すのを速くするために、「十秒生活」 おかげでよく
売れる。ボーナスを出そうかと思っている。「ケーキに火をつけた」。
ざこば師匠。例の弁護士が主人公。「やめなさい、うるさい」などの声に、
病院へ行け。「闘病生活」せい。「心機一転」「誕生日」特に意味もなく
いう。違和感のないのが、さすが。車でいくのか。に対して、「バースで
行くよ」。

今回は、話がつき過ぎて難しい。師匠がたも苦しんだようです。

さてお待ちかねの拙作です。

A「おお、前田君やないか」
B「ああ、山田さん、こんにちは」
A「どこか行くんか」
B「ええ、ちょっと誕生祝いに」
A「ほう、だれか<誕生日>か」
B「ええ、山田さんもおひまやったら-緒にどうですか」
A「そんな知らん人のところへ行ってもええんか」
B「いいえ、山田さんもよう御存知のはずですが…」
A「そうか、そんなら、ひまやし、一緒に行こか」
 (間)
A「ここ、お前、屋根の上に十文字の飾りがあって…あれ、十字架と違うか」
B「そうです」
A「そうーて、そんなら、ここ教会と達うんか」
B「そうです」
A「そうですて、お前、誕生パーティとかすると言うてたんと違うんか。
  教会やったら、結婚式と違うんか」
B「誕生パーティとは言っていませんよ、誕生祝い。今日はクリスマス、
  キリスト様の誕生日ですよ」
A「あ、うまいこと乗せよったな。君がクリスチャンということはかねがね
  聞いとっ  たがな、イニシエーションとかいうて、麻酔薬打ったり、
  覚醒剤飲んだり、なんや、あの変な帽子かぶったするのいややで」
B「ウチは、オウムと違いますよ、そんなことはいたしませんから、どうか
  安心して中に入って下さい」
A「そうか、安全なんやろな、御布施に家と土地出せいうても、わしとこ
  借家やで、大家にかけおうてや」
B「まだそんなこというて・・・、それはオウムでっしゃろ」
A「そないゆうたかて、宗教は麻薬やゆうた人がいたがな」
 (二人、中へ入る)
A(上を見ながら)「きれいなもんやなあ、あれ、ステンドグラスいうんか。
  席の方も、もう満員やなあ」
B「あそこがあいてます、あそこにすわりましょ」
A「なんかすごい音がしてきたなあ、腹に響くで」
B「パイブオルガンです」
A「これが、パイブオルガンいうのんか、なんか、こう身がひきしまるなあ」
B「パイブオルガンのある教会は、日本中では数えるはどしかないんですよ」
A「あ、なんか子供が出てきよった」
B「聖歌隊です」
A「この歌も、ジンと来るなあ」
B「賛美歌です」
A「これも,心に響くなあ」
B「シー、シー」
A「どないしてん」
B「司教様のおいでです」
A「あ、ここのえらい人か」
司教「私は、なんの因果か、業病にとりつかれ…」
A「キリスト教でも因果っていうんか」
B「日本人ですから、そういうことばが出るんです」
司教「人にすすめられるまま、あちらのお寺、こちらのお宮、日本全国歩き
  回りました。新興宗教もあれがいいといわれれば、入り、こっちがいい
  といわれれば、入り、その数はしれません」
A「えらい、がんばってはったんやなあ」
B「シー」
司教「病は重くなるばかり、トイレに行くのがやっとの状態になりました。
  そんな私を、この前の司教様がやさしく見守って下さいました。食事の
  世話、風呂の世話その他、親身になってやってくださいました」
A「完全看護やったら、えらいかかるで」
B「シー」
司教「そんな司教の行為がかたくななわたしの心を開かせたのです。私は
  <心機一転>心にいいきかせて、司教様にお願いしました。私を入信
  させて下さいと。
 「私は日夜、イエス様においのりいたしました。まだわたしに生さていく
  使命が残っているなら、どうか、立ち上がって仕事ができるようになり
  ますようにと。
 「日を追って、私の病は良くなっていきました。。歩けるようになります
  と、あらためて、教会において入信の式を行いました。
 「五臓六腑のあらゆるところにあった病の種は信仰のおかげで、すっかり
  消え、私の数年にわたる<闘病生活>は終わりをつげたのです。
A「五臓六腑か、五と六やったら、「とうびょう」やのうて、十一病生活や」

                              終わり

  (実在の場所、人物等と-切開係ありません)