沢村賞、金子が初受賞=パから4年連続-プロ野球

沢村賞の喜びを語るオリックスの金子千尋=27日、ほっと神戸
 今季のプロ野球で最も活躍した先発完投型の本格派投手に贈られる沢村賞の選考委員会が27日、東京都内で開かれ、オリックスの金子千尋(30)が選ばれた。5人の委員(堀内恒夫委員長、平松政次、村田兆治、北別府学、工藤公康の各委員)が全会一致で選出した。金子は初受賞で、パ・リーグから4年連続。金子は選考基準の7項目(15勝、150奪三振、10完投、防御率2.50、200投球回、25登板、勝率6割)のうち、完投(4)と投球回(191)を除く5項目をクリア。セ、パ両リーグを通じて唯一の防御率1点台(1.98)と最多の16勝が評価された。登板26、勝率7割6分2厘、奪三振199だった。堀内委員長は「今年は粒が小さく、全体的に線が細い。『該当者なし』という意見も出たが、昨年に続き安定した成績を残した金子投手の頑張りに敬意を示したい」と語った。
◇金子千尋の略歴
 金子千尋(かねこ・ちひろ) 長野商高からトヨタ自動車を経て、自由枠で05年オリックスに入団。10年には17勝を挙げ最多勝、昨季は最多奪三振のタイトルを獲得した。180センチ、77キロ。右投げ左打ち。新潟県出身。30歳。 

 プロ10年目、30歳で「沢村賞」を手にした。記者会見に臨んだ金子は「やっぱりうれしい。先発投手をやっている以上、沢村賞は目指すところでもあった」と素直に喜びを口にした。
 昨季は24勝0敗の田中(当時楽天)に沢村賞をさらわれたが、選考基準の全7項目をただ一人クリアしたのは金子だった。今季も5項目を満たし、「調子が良ければ誰でもいい投球はできる。そうではないときに、どれだけ試合をつくれるかが大事」。今季も、安定感が光った。多彩な変化球で打者を打ち取る。全ての球種ともレベルが高く、一つの球種の精度が悪くても、他の球種でカバーし大崩れすることはない。同じ球種でも、軌道を微妙に変えることができる器用さも持ち合わせている。例えばフォークは、縦に真っすぐ落ちるものもあれば、右打者の内角に食い込むように沈むものもある。練習のキャッチボールから変化球を投げ、「こういう打者には、こういう変化がいいかな」と考えを巡らせながら、それぞれの球種に磨きをかけているという。「練習をやっているだけでは意味が無いし、つまらない。考えて練習すれば変わってくる」と話す。両リーグの規定投球回に到達した投手の中で、唯一防御率は1点台。最多勝も獲得したが、「満足している数字はない」。飽くなき向上心も持ち続けている。

【テニス】
錦織7位で変わらず 男子テニスの世界ランク

マスターズ・パリ大会に向け、大会会場で調整する錦織圭=パリ(共同)
 男子テニスの27日付世界ランキングが発表され、錦織圭(日清食品)は前週と同じ7位で変わらなかった。年間成績などの上位8人で争われるATPツアー・ファイナル(11月9~16日・ロンドン)のポイント順位では1つ下がって6位、バレンシア・オープンで今季3勝目を挙げたアンディ・マリー(英国)が5位に浮上した。世界ランクは1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)、2位のロジャー・フェデラー(スイス)ら上位選手に変動はなかった。伊藤竜馬(北日本物産)は98位、添田豪(GODAITC)は114位だった。(共同)

【パリ時事】男子テニスのマスターズ・パリ大会は27日にパリで開幕し、世界ランキング7位で第6シードの錦織圭(日清食品)は2回戦から登場する。右臀部(でんぶ)の負傷から復帰して3週間ぶりの実戦に向け、同日は練習会場で軽快な動きを見せ、順調な回復ぶりを披露した。
 錦織は年間獲得ポイント上位8人によるプロテニス選手協会(ATP)ワールドツアー最終戦(11月、ロンドン)進出を懸け、ポイントを得られる最後の大会に臨む。最終戦は既に進出を決めていたラファエル・ナダル(スペイン)が欠場を表明し、残りは実質4枠。現在6位につけている錦織は今大会で準決勝に進めば、アジア選手として初の最終戦進出が確定する。順当なら初戦の2回戦でトミー・ロブレド(スペイン)、3回戦ではジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)と当たり、最終戦進出の可能性を残すダビド・フェレール(スペイン)と準々決勝でぶつかりそうだ。ロブレドとは過去2戦2勝だが、相手は前週のバレンシア・オープン決勝でアンディ・マリー(英国)を追い詰めた勢いがある。地元のツォンガも侮れない存在だ。

【バレーボール】
中田監督「一戦一戦戦う」 バレーのプレミアリーグ

記者会見でポーズをとるバレーボール、プレミアリーグの木村(中央)ら=27日、東京都新宿区
 11月15日開幕のバレーボール、プレミアリーグに参加する各チームの監督、選手が27日、東京都内で記者会見し、女子3連覇に挑む久光製薬の中田監督は「連覇が懸かっていてもいなくても、やることは一緒。一戦一戦、戦っていきたい」と気負わずに話した。6月にガラタサライ(トルコ)から東レに復帰した木村は「久しぶりのリーグ戦なので新鮮な気持ちで臨みたい。目標の優勝に届くよう必死に取り組んでいる」と語った。日本代表でセッターを務める岡山シーガルズの宮下は「優勝も狙えると思う。チーム力で頑張りたい」と意気込んだ。男子2連覇を狙うパナソニックの永野は「一戦一戦、全員で頑張っていきたい」と話した。

【バスケットボール】
JX監督「V7目指す」 31日開幕のバスケWリーグ

記者会見後、ポーズをとるバスケットボール女子Wリーグ11チームの主将=東京都千代田区
 バスケットボール女子のWリーグ(31日開幕)に参加する11チームの監督と主将が27日、東京都内のホテルで記者会見し、JX-ENEOSの佐藤監督はけがのガード吉田の復帰が来年1月以降になるとの見通しを示し「けがで5人が開幕に間に合わず戦力はダウンしているが、7連覇を目指して頑張る」と意気込んだ。昨季初めてプレーオフの決勝に進んだデンソーの主将、大庭は「いかに自分たちのバスケットを発揮するかが大切。それができればJX-ENEOSさんとも戦える」と自信を示した。今季は山梨が抜け、11チームで争われる。来年3月まで各チーム30試合のレギュラーシーズンを戦い、上位4チームがプレーオフに進出する。

競泳 短水路W杯東京大会 荻野「気持ちで負けない」

短水路(25メートルプール)で争われる競泳の競泳、萩野「気持ちで負けない」ワールドカップ(W杯)東京大会の前日会見が27日、東京辰巳国際水泳場で行われ、男子で100メートル、200メートル個人メドレーなど4種目に出場する萩野公介(東洋大)は「(海外の)強豪に気持ちで負けないようにしたい」と抱負を述べた。普段出ない100メートル自由形にエントリーした狙いは「スピードを強化したい」と説明した。200メートル個人メドレーで萩野との対決が楽しみな瀬戸大也(JSS毛呂山)は、調子はいまひとつと言いながら「いい勝負ができれば」と意気込んだ。

【柔道】
世界ジュニア 日本が男女とも団体V
 ◎男女とも団体V 柔道の世界ジュニア選手権最終日は26日、米フロリダ州フォートローダーデールで団体戦が行われ、日本は男子がグルジア、女子がフランスとの決勝を制して優勝した。男子決勝は2勝2敗となって迎えた大将戦で100キロ超級の小川雄勢(東京・修徳高)が競り勝った。女子決勝は48キロ級覇者の近藤亜美(三井住友海上)が先鋒として勝って勢いづき、4勝1敗で快勝した。(共同)

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