大阪市長選 候補者に聞く  上
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大阪市は老朽化した区役所を順次、建て替えている。最も新しい淀川区役所は2009年に完成した
 折り返し点を迎える大阪市長選(27日投開票)。読売新聞が9のテーマについて、2候補に聞いた「政策アンケート」を3回にわたって紹介する。(上から届け出順)
 266万人が住む大阪市内には、全国の政令市で最多の24区がある。区は、地方自治法に基づいて、市長の権限に属する事務を担うために設置されており、区長は市長によって任命される。一方、東京都の23の特別区は、同法で基礎的な地方公共団体と規定され、区長は選挙で選ばれる。
 市は6月、地域に身近な区役所が地域社会を支える役割を果たす必要があるとして、外部の有識者でつくる「行政区調査研究会」を発足させ、区のあり方を協議。10月の中間報告には、区政の課題を市の予算編成に反映させるなど、区の権限強化が盛り込まれたが、区長公選制の是非や区を再編・統合する「合区」に関する記述はなかった。
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■橋下 徹氏 42 維新
〈1〉最も重要な争点
 大阪都構想の是非。我が国は明治維新によって作られた統治機構を平成の世においてもいまだに引きずっています。政治家の顔ぶれが変わろうが、政治家がどんな政策を語ろうが統治機構そのものがおかしいのであれば、政治・行政は全く機能しません。まず大阪で統治機構の変革を行うか、それとも現状のままで行くのかです。
〈2〉大都市制度 
 全国で2番目に狭い大阪府域のエリア内において大阪市と大阪府という都道府県が二つある状態。府域全体にかかわる広域行政を大阪都に一元化。東京都と並んで日本を引っ張るツインエンジンの一つを目指します。また巨大な基礎自治体である大阪市を複数の特別自治区にして、住民の声がより反映する身近な役所に再編します。
〈3〉区役所のあり方
 人口5万人から20万人の各区は立派な自治体です。しかし各区役所は窓口業務を主としており、災害対応、児童虐待対応、土木業務、教育行政などの住民ニーズに応えることはできません。各区に中核市並みの権限と財源を与え、区長は選挙で選び予算編成権も持たせ、区役所の組織も中核市並みのものとします。これが地方分権。
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■平松邦夫氏 63 無現 《1》
〈1〉最も重要な争点
 経済と雇用は大阪・関西圏の最重要課題です。府市の連携、近隣市や京都、神戸、堺といった指定都市との連携など、自治体が力を合わせて関西圏の経済再生と雇用支援に取り組むことが急務です。仕事を失った若者たちに社会参加の道を開く仕組みづくりや地域に密着したきめ細かい就労支援活動などにも全力を注ぎます。
〈2〉大都市制度  
 大阪都市圏には少子高齢化、経済と雇用、防災といった様々な課題が山積しています。各課題に臨機応変に対応しつつ都市圏全体の発展を持続させるには、大阪市が持つ権限や機能を十分に生かし、都市間連携をより強固にし、共通課題に取り組むことが重要です。行政区への分権を進め、住民自治・住民参加を拡大します。
〈3〉区役所のあり方
 私は区民の意見を区政に反映させる区政会議の設置や小学校区単位の地域活動協議会の創設など、大幅な区政改革を進めてきました。引き続き、効率的で満足度の高い行政サービスの提供、相談機能の拡充、地域活動の支援、市民協働による区政運営を実現するため、区役所の権限と機能強化に努めます。

(2011年11月20日 読売新聞)


大阪市長選候補者に聞く 中
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終日、乗降客が多い大阪市営地下鉄御堂筋線の淀屋橋駅(大阪市中央区で)
 大阪市営交通事業のうち地下鉄は、全8路線の乗客数が1日232万人、旅客収入が年間1426億円と、他の関西大手私鉄をしのぐ。黒字運営が続き、2002年度に2900億円あった累積赤字を昨年度、解消した。一方、バスは赤字運営だ。
 市は、70歳以上の高齢者が無料で地下鉄やバスに乗車できる「敬老優待乗車証(敬老パス)」を発行しており、10年度は約79億円を負担。所得制限や本人の一部負担がなく、全国で最も手厚い。
 公務員制度を巡っては、職員が覚醒剤所持などで相次いで逮捕されたため、市が昨年7月、不祥事根絶プログラムを策定。職務規律の厳格化に向け、分限免職のルールを定めた。
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■橋下 徹氏 42 維新
〈4〉市営交通事業 
 民営化の工程表を作成、実施します。大阪市域内だけの視点ではなく大阪府域全体ひいては関西全体の視点で交通ネットワーク戦略を考えます。民営化による料金値下げ、サービスの向上を目的とし、赤字だがどうしても必要な路線は公で支えます。敬老パス制度は維持。ただし持続可能な制度となるような財源確保策を検討します。
〈5〉公務員制度  
 身分から職業へ転換させます。絶対的身分保障や天下り先の保障があるという価値観を変えます。頑張る職員はしっかりと評価し、年功序列の閉塞感漂う人事を排し、適材適所を重視します。規律と責任を重んじるルールを確立し、外部人材を積極登用し、公務員現場を世間の風に晒(さら)す。大阪府公務員制度改革を基本とします。
〈6〉市の魅力向上策
 現在の大阪の都市としてのまとまりを考えると大阪府域を一まとめにして大阪のプロモーションを展開すべきだ。よって大阪都ができるまでの間は府市統合本部で大阪のプロモーションを行います。また大阪市内中心部に巨大なグリーンクロスを形成するなど大阪の都市格が向上するような圧倒的魅力を有する都市構造を検討します。
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■平松邦夫氏 63 無現《1》
〈4〉市営交通事業
 地下鉄事業は公営地下鉄で初めて累積欠損金を解消しました。バス事業もアクションプランを策定し、経営改善中です。改革型公営企業として、引き続き市営交通事業の効率化に取り組みます。公共交通は市民の安全・利便性確保が第一のため、完全民営化には反対です。敬老パスは持続可能な制度にして堅持します。
〈5〉公務員制度  
 持続可能な行財政基盤の確立に向けて、引き続き職員数・人件費を削減、適正管理を推進します。また職員一人ひとりの行政サービス感覚を磨き、市民の皆さんに心から信頼される市役所、公共サービスの志の高い職員集団を構築します。不祥事を起こした職員の懲戒処分を厳正に行うなど服務規律の万全な確保を図ります。
〈6〉市の魅力向上策
 故・中馬馨市長の「緑化百年宣言」から約50年、継続して緑化に取り組むとともに、街頭犯罪や違法駐輪をさらに減少させるなど、居心地よい、満足度日本一のまちづくりを推進します。大阪人のバイタリティーや人情など、市長は大阪ブランドのトップセールスマンとして、関西の都市間連携と共に発信力の相乗効果を図ります。

(2011年11月22日 読売新聞)