[2011年08月16日(火)]
【名波浩の視点】セレッソにとって怖いのは、清武がいなくなること
セレッソの中心選手として際立った存在感を見せている清武。
Jリーグ第21節、セレッソ大阪vsガンバ大阪の試合は1-1の引き分けに終わった。「ダービー」らしい引き締まったゲームで、ともに同じくらいの決定機を生み出して、非常にいい内容だった。
負傷者の多いガンバは既存のメンバーをうまくやりくりした中でベストな戦いができたと思うし、セレッソも前半は攻守のバランスが今ひとつだったけれども、それを90分の試合の中で修正することができた。若いチームにもかかわらず、そうした対応ができたことは、大きな収穫になったのではないだろうか。
また、セレッソは香川真司、家長昭博に続いて、乾貴士が海外へ移籍。攻撃力の低下を不安視する声もあったが、アジアチャンピオンズリーグ準々決勝でガンバを下したあと、乾不在のシミュレーションをしていたこともあって、大きな問題は感じられなかった。
ただし、欧州各クラブが注目しているという噂のある、清武弘嗣まで抜けてしまうようなことになると由々しき問題だろう。それほど、今や彼がチームの中心。攻撃の局面において、清武がかかわっている回数はどんどん増えているし、キム・ボギョンとふたりで攻守のバランスの両翼を完全に担っている。
清武の最大の長所は、香川と同じでプレイが止まらないところ。そのうえで、体のサイズは決して大きくはないけれども、フィジカルコンタクトに強く、相手につかまらず、マークをかわす術も持ち合わせている。そのセンスが抜群なだけに、相手にとって危険なポジションに入っていけて、決定機を演出することができる。この試合でもそういうプレイが随所に出ていた。
香川がいるときは出番も少なかったが、同じ年代で、同じようなタイプの選手が多い環境の中で、他人のいいモノを盗んで、常に競争意識を持ってやってきたからこそ、清武も成長できたのだと思う。加えて、経験を積めば積むほど伸びる年齢なだけに、試合を重ねるごとにパフォーマンスも上がってきた。今季に関しても、春先と7、8月のパフォーマンスとでは明らかに違っていて、飛躍的な成長を見せている。
それは、先日の日本代表での活躍を見てもわかる。香川が清武を評して「代表デビュー戦で、しかも日韓戦で、あれだけやれる選手はなかなかいないでしょう」と言っていたけど、まさにその通りだと思う。
2アシストという結果はもちろんのこと、何より”試合に入っていた”というのが立派。常にボールに絡もうとか、人とかかわりを持とうとか、そういうプレイが前面に出ていた。本人は緊張していたかもしれないけど、Jリーグでもデビュー戦となると試合に入っていけない選手が多い中で、清武はしっかり試合に入って、日本代表の中で機能していた。本当に素晴らしかった。
そんな清武がいなくなったら……ちょっと想像するのも怖いが、今はまだその話は置いておこう。セレッソにとって、彼の良さをさらに引き出し、チームが今後浮上していくために必要なことは、点を取り切る力。つまり、昨季のアドリアーノのような、決定力のあるストライカーが出てくるかどうかがポイントだ。
それは、小松塁なのか、新外国人のファビオ・ロペスなのか、もしくは播戸竜二や永井龍、杉本健勇なのかはわからないけど、彼らにしても2列目ばかりに頼っているのは悔しいはず。そんな状況を打開するためにも、彼らFW陣の中から「自分が結果を出してチームを引っ張っていく」という意志をあからさまにでも出してプレイする選手が出てこないといけないだろう。
サッカー=欧州CLプレーオフ、宮市所属のアーセナルなど先勝
2011年 08月 17日 09:45
[チューリヒ 16日 ロイター] サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)は16日、本戦出場権をかけた最終予選となるプレーオフ第1戦の5試合を行い、宮市亮が所属するアーセナル(イングランド)はホームでウディネーゼ(イタリア)に1─0で先勝した。宮市は英国で下りた労働許可の手続き中のためベンチ入りしなかった。
14シーズン連続本戦出場を目指すアーセナルは前半4分、バカリ・サニャのクロスからテオ・ウォルコットが先制点。アーセン・ベンゲル監督がベンチ入り禁止、ロビン・ファンペルシーとサミル・ナスリを出場停止で欠く中で幸先よくリードを奪うと、追加点は決められなかったが、そのまま逃げ切った。
一方のウディネーゼは主将のアントニオ・ディナターレがバー直撃のFKを放つなど、何度か決定機を築いたものの、ゴールは遠かった。
決勝点を決めたウォルコットは英スカイスポーツに対し、「もっとも重要なのは無失点だったことだ。彼らは非常に強いチームだし、アウエーでは厳しい戦いになると思うが、同じようなサッカーをすれば結果はついてくると信じている」と語った。
そのほか、12シーズン連続本戦出場を狙うリヨン(フランス)はホームでルビン・カザン(ロシア)に3─1で逆転勝利。ベンフィカ(ポルトガル)はアウエーでトウェンテ(オランダ)と2─2で引き分けた。
サッカー=マンU、年内にシンガポールで株式上場か
2011年 08月 17日 09:40

[香港/シンガポール 16日 ロイター] サッカーのイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(マンU)[MNU.UL]は、年末までにシンガポール株式市場に上場する計画。関係筋が16日明らかにした。調達額は10億ドル前後になる見込み。
マンUは2005年に現オーナーのグレイザー一族に買収される前にロンドン市場に上場しており、実現すれば2度目の株式上場となる。
関係筋によると、クレディ・スイス(CSGN.VX: 株価, 企業情報, レポート)とUBS(UBSN.VX: 株価, 企業情報, レポート)が新規株式公開(IPO)の引き受け幹事を獲得する可能性がある。トムソン・ロイター傘下のIFRは、モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)も幹事に加わる見通しと伝えている。
関係筋は、売却される株式に既存株式が含まれるかどうかは明らかにしなかったが、グレイザー一族はクラブ売却の計画を一貫して否定しており、新株が発行される可能性が高い。新株が発行されれば、多額の負債を抱えるマンUにとって債務削減につながる。
マンUはこれまで、香港市場でIPOを実施する可能性が高いと伝えられていたが、関係筋によると、香港からシンガポールに上場先を変更したもよう。
2010年の決算報告に基づくと、マンUはグロスベースで5億2200万ポンド(8億5700万ドル)の負債を抱えており、純損益は8400万ポンドの赤字だった。
香港取引所は赤字企業の上場を認めていない。
マンUのスポークスマンは、憶測にはコメントしないと回答。モルガン・スタンレー、クレディ・スイス、UBSともコメントを拒否した。

