小1水死、市は以前からプール監視員不足を認識
大阪府泉南市立砂川小学校のプールで同小1年保苅築ほかりきずく君(7)が溺れて死亡した事故で、同市は5日、以前から監視員の人数不足を認識していたことを明らかにした。さらに、業務委託先の業者に作成させていた日報に、監視員の人数を記す欄がなかったことも判明。市のチェック態勢の不備が改めて浮き彫りになった形だ。この日開かれた市議会全員協議会で、市道いちみち登美雄教育部長は市議の質問に答え、「以前、(業者から)なかなか監視員が集まらないことは聞いていたが、捜査もあり詳しいことは言えない」と述べ、事故前から人数不足について市側に認識があったことを初めて認めた。プールの監視などを委託されていた同市のビル管理会社「ダイショウコーポレーション」の南寿典社長(35)はこれまで、「約5年前から監視員の不足を市教委に伝えていたが、頑張ってくれと言われただけだった」と説明していた。
一方、市職員はプールの開放期間中、1日1度巡回していたが、監視員の人数確認などの点検項目は定めていなかった。市が同社に作成させていた日報には、気温や水質を記す項目はあるが、監視員の人数や配置状況については記載する欄がなかった。市職員は巡回時に日報を確認していたが、そもそも記載がなく、監視員の人数は全くチェックできていなかったことになる。協議会の冒頭には、出席者全員で黙とうし、向井通彦市長が「心から深くおわびします」と陳謝した。市道部長は5日昼、報道陣に対し、「教育総務課の担当者が南社長から(監視員が集まらないと)聞いていた。しかし、上司である自分や課長に情報は上がっていなかった」と語った。
(2011年8月5日13時33分 読売新聞)
※いつから小学校のプールの監視員は、委託業者のバイト君になったのか。我々の時代は学校の職員や教諭がやっていたと思いますが、それほど、学校は忙しくなったの。市民プールがないので一般に開放してるのか知れないが。学校のプールは毎日開放してくれなかったし、週2回ぐらいやったし、職員の負担も少なかった。それ以外に行きたくなれば、堺東から浜寺プールや岬公園や狭山遊園などに、中高生の近所の人頼んで一緒に電車乗って泳ぎにいっとったで。頼むんでも、小学生ながら、みんなでおべんちゃらいって、交渉の勉強になるww。小学校が開放するんやったら学校職員が見るのが当たり前や。子供かわいないんかい。委託業者がやるンは、商売あってのこと。まともにやってると思うなよ。無理をせいとは言わんが、毎日開放する必要もない。子供を水泳選手にしたいんやったら、水泳教室通わしたらええ。金がないなら川につれてったらええ。親がみとるんならね。どうしても、職員が少ない場合は、入場料100円でも取ったらええ、10人で1000円ええ時給や学校職員ならええバイトになる。(笑)
【島根】福島のプール、県産ゼオライトで除染へ
除染に使うプラントをトラックに積み込む寺山社長(右)ら(松江市で)
福島第一原発の事故で、放射性セシウムなどに汚染された福島県南相馬市の小学校のプールの水をきれいにするため、松江市富士見町の排水処理会社「ネオナイト」が6~8日、島根県産のゼオライトを活用して現地で除染活動を行う。
学校側からの依頼を受けて実現。同社は「早く子どもたちが安心して学校生活を送れるようになれば」と意気込んでいる。(佐藤祐理)
除染するのは、南相馬市立上真野小のプールの水約250トン。原発事故で汚染されたままになっている。インターネットなどで同社の仕事内容を知った同小が7月下旬、「何とか除染できないか」と同社に要望書を送付していた。
同社によると、専用のプラントをプールのそばに設置。汚染された水を自動的にくみ上げ、プラント内でゼオライトを主原料とした処理剤を使って、セシウムを分離・吸着する。同社独自の除染方法といい、1時間で10トン処理できるという。
同小のプールの水は現在、1キロあたり最大3万6200ベクレルに汚染されている。3日間の除染によって、飲料水の暫定基準となっている200ベクレル以下にして下水に流す。東京工業大も成分検査に立ち会う。
すでにプールサイドなどは、PTAや支援団体が高圧洗浄機を使って除染を終えており、プールの水の除染が成功すれば、来年度以降、新たにプールにきれいな水を満たして児童が遊べるようになるという。
今回の作業では、出雲市の業者「イズカ」がゼオライトを無償提供し、松江市も防護服を提供するなど協力。除染を引き受けてくれたことに対し、同小は「大変ありがたい」としており、寺山文久社長(42)も「自然に優しい環境浄化技術で、被災地の復興のために役立ちたい」と話している。
ゼオライト…天然の鉱物で、家畜の餌や園芸用の土、ネコのトイレ用砂などに使われている。表面に小さな穴が無数にあいており、吸着剤として放射性セシウムを除去するとされ、1979年の米スリーマイル島原発事故の処理でも使われた。島根県は西日本最大の産地で、大田市で採掘が行われている。
(2011年8月6日 読売新聞)
レベルアップ狙い強豪国は積極導入
8人制に順応し、相手に囲まれながらもドリブル突破を図る柏の選手(中央)(準決勝の柏レイソル―ディアブロッサ高田FC戦から、5日、沼津市で)=佐々木紀明撮影
沼津市などで行われている全日本少年サッカー大会で、今大会から1チーム8人の選手がピッチに立つ「8人制」が導入された。これに先立つ県予選も、県内で初めての本格的な8人制で実施されたが、各クラブからは「個人技偏重に陥るのではないか」などの戸惑いの声が出ている。旗振り役の日本サッカー協会(JFA)は、導入の意図を分かりやすく説明する責任がある。
(小沢理貴)
今大会の8人制は縦68メートルと、11人制の80メートルより短いピッチで行われた。JFAは〈1〉ボールタッチや状況判断の機会が増える〈2〉ピッチが狭いためDFの攻撃参加とFWの守備機会が増え、応用力が高まる〈3〉シュート数が増え、GKが鍛えられる――などのメリットを挙げる。JFAの方針に従い、県サッカー協会も県大会から8人制で足並みをそろえた。全県規模の大会で初の試みという。これに対し、関係者からは戸惑いの声が出ている。
県代表の「SALFUS oRs」(静岡市)は4日、2次ラウンド最終戦の大宮アルディージャ戦で前半、得意のパスサッカーを仕掛けたが0―1とリードされた。後半、伊与田慎監督(39)は、サイドで1対1を仕掛けて中央に切り込む戦法に切り替えたところ、得点にこそ結びつかなかったが明らかに好機が増えた。
この試合経過に伊与田監督は「8人制はパスで支配しても、守りを崩すのは難しい。後半、いや応なく個人突破を仕掛けたが、小学生で個人技を過度に重視すると、選手の多様な持ち味を消すのではないか」と複雑な表情だ。左サイドMFの小沢啓斗選手は「8人制はスペースがあるので、結局、足が速い選手が一番強い」と話す。11人制を前提にパスに磨きをかけてきた選手も戸惑い気味だ。
さらに、大きなデメリットは出場選手が3人減ることだ。県サッカー協会は当面、8人制を続けるが、県大会で1クラブから2チームの出場を認めたり、試合を3ピリオド制とした上で、各ピリオド間で選手の総入れ替え制を試みたりと、運用面で試行錯誤を続ける。
日本サッカーは長年、ワールドカップ(W杯)などの世界的な大会の度に、ゴール前の決定力に象徴される個人技不足を指摘されてきた。反面、女子W杯ドイツ大会で初優勝した日本女子代表や、最近好調な男子代表は、正確なパス回しを軸にしたチームプレーが高く評価されている。
JFAの綾部美知枝・大会実施委員長は、パスでつないだボールをゴール前の決定的な局面でシュートに持ち込むような、個人技とチームプレーの融合を「日本代表の理想的な戦術」と位置づける。その上で、理想の実現に向け、「8人制で小学生年代の選手に個人技のレベルアップを意識させたい」と意義を説く。
欧州などのサッカー先進国は、少年世代の試合に8人制に代表される少人数制を積極的に導入しており、JFAの狙いは理解できる。ただ、それが各クラブの指導者らに浸透しているとは言い難いのが実情だ。JFA関係者には、現場への丁寧な説明を求めたい。
(2011年8月6日 読売新聞)

