鶴岡東、リベンジV 山形中央に競り勝つ
2011年7月28日0時47分
甲子園出場を決め、喜びを爆発させる鶴岡東の選手たち=県
鶴岡東が昨夏の雪辱を果たして54校の頂点に――。山形大会は27日、県野球場(荘銀・日新スタジアム)で決勝が行われ、鶴岡東が昨年の決勝で敗れた山形中央に競り勝った。同校の優勝は鶴商学園時代の1981年以来30年ぶり3回目。甲子園で開催される全国大会は8月6日に開幕する。
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(鶴岡東3―2山形中央)
昨夏の決勝戦の雪辱を期して臨んだ鶴岡東が、堅い守りで粘り勝った。3回、神田浩の右翼線への三塁打で先制すると、続く遠田の犠飛でさらに1点を追加し、流れを引き寄せた。同点とされた後も踏ん張り、7回に再び神田浩の右前打で勝ち越した。投げては先発古市が変化球を低めに集め、被安打5と好投。8回2死三塁のピンチは救援した佐藤亮が三振で切り抜けた。山形中央は6回、高橋匠の2点本塁打で追いつく底力を見せたが、打線が振るわなかった。エース横山を4回から救援した須貝は力投したが、7回に連続安打を浴びて失った1点が重かった。
■勝ち越し打も気を緩めず 鶴岡東・神田浩行選手
山形中央―鶴岡東 7回裏鶴岡東2死一、二塁、神田浩の右前安打で二塁から本田が生還。捕手安部=県
「ここで打ったらヒーローになれる」。同点の7回。2死一、二塁で打席が巡ってきた1番打者の神田に焦りはなかった。この1年間の打撃練習に裏打ちされた、自信があった。昨夏の決勝。山形中央に延長12回の末に敗れ、甲子園を逃した。2年生だった神田も7番中堅手で先発出場し、3年生と一緒に悔しさを味わった。今大会、準決勝の前には、バス移動の間に全員で昨夏の決勝のビデオを見た。悔しさを胸に刻み、強打の日大山形に競り勝った。この日の試合前は、相手のエース横山雄哉(3年)をビデオで見て、牽制(けんせい)のクセなどを改めてチェック。一つ上の先輩たちからは「絶対に甲子園に行ってくれ」とメールが届いた。3回、神田の右翼線への三塁打でチームは先制。6回に相手の主将の2点本塁打で追いつかれ、ベンチは一瞬静まりかえった。けれど佐藤俊監督が「慌てることはない。落ち着いていこう」と声をかけると、選手たちは平常心を取り戻した。
そして、7回の好機。フルカウントの後の6球目、内角寄りの直球を振り切った神田の打球は一、二塁間を抜け、二塁走者が生還した。「やった」。だが大きなガッツポーズはしなかった。「まだ7回。油断したら追いつかれる」。最後まで、気を緩めることはなかった。9回の守備。併殺で甲子園出場を決めると、神田は仲間と肩を組み、最高の笑顔をみせた。6番右翼手で先発した双子の兄の真行は3打数3安打。甲子園を目指し、大阪から一緒に鶴岡東にやって来た兄弟がそろってチームをリードした。 神田は「リベンジは果たした。甲子園でも1番打者の役割をしっかり果たしたい」。夢だった大舞台での活躍を誓った。(松本紗知)


