第93回全国高校野球選手権大阪大会
〈夏、ありがとう〉「一緒に戦えてよかった」金剛・東主将 大阪大会
2011年7月12日15時39分

 (10日 三国丘5―1金剛) 金剛・東秀紀主将(3年生) おれ、野球下手やし、試合にも全然出られへんし、ふがいないことばっかやったけど、みんなついてきてくれてありがとう。(今日の試合には)出てないけど、一緒に戦えたと思ってるし、おまえらと一緒に戦えてよかったと思ってる。後輩に迷惑かけてばっかりで、全然頼りないキャプテンやったけど、ほんまにみんなありがとう。=南港中央

 (10日 太成学院大15―0守口東) 守口東・小田悟監督(27) 最後の最後でこういうゲームになってしまって、ほんまに申し訳ない。ただ、最後の最後まで一生懸命プレーする姿はお前ららしい。腐らずによく頑張ってくれた。今日この日に、全員そろってうれしかった。それが一番や。先生にとっては全員そろって守口東の野球部や。3年生はいつでもグラウンドに帰っておいで。ありがとう。お疲れさん。=万博

〈夏、ありがとう〉「ワクワクできた」久米田・鈴木監督 大阪大会
2011年7月18日10時19分

 (17日、近大付8―2久米田) 久米田・鈴木昭広監督(39) 試合前、先生はワクワクできた。君らの力を一番よく知ってるからや。でも勝てんかった。力を出し切るためには、日頃の練習を一切無駄にしたらあかん。3年生の悔しい思いを引き継いで、秋の府大会が終わったときみんなで笑えるよう、今日からがんばろう。3年生、ありがとう。君らのがんばりはきっとこの先、野球以外にも生きてくる。=久宝寺

 (17日、大阪市立8―1淀商) 淀商・安東裕二監督(46) ほんまナイスゲームやったと思う。でも、もうちょっとだけ足らんねん。向こうはゴロを転がしてた。うちは打ち上げてた。その違いぐらいや。でも、それを乗り越えていかんとな。1、2年生は来年リベンジや。3年は死力を尽くしてようやったと思う。最後はよくつないだ。周りのみんなもほめとったで。泣いとったらあかんで。=万博


あきらめず128球、宣誓通り完投 扇町総合・岡野主将 大阪大会
2011年7月18日10時12分
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扇町総合の岡野貴之主将(左)に声をかける父博之さん=万博
 (17日、太成学院大14―0扇町総合) 東日本大震災を受け「一球一球を無駄にすることなく、精いっぱい戦う」と選手宣誓した扇町総合の岡野貴之主将(3年)が、太成学院大戦に先発した。本塁打など16安打を浴びて6回コールド負けしたが、宣誓通り最後まであきらめずに128球を投げ抜いた。岡野主将の父博之さん(43)は、1986年夏に同校(当時は扇町商)が勝利した時のエース。チームはこのとき以来の1勝を目指したがかなわなかった。会社員のかたわら野球部のコーチを務める博之さんは「精いっぱいプレーした。褒めてやりたい」。=万博(向井大輔)


憧れの兄に気合見せた 英真学園・千葉真史捕手 大阪大会
2011年7月17日12時50分
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大阪大会 東―英真学園 5回表東2死一、三塁、三塁走者神田橋(左)が飛び出し、三本間で挟殺される。遊撃手内藤=万博、水野義則撮影
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英真学園の千葉真史捕手=万博、水野義則撮影
 (16日、東2―0英真学園) 0―0の5回表、2死一、三塁。英真学園捕手の千葉真史(3年)は、二塁に投げるふりをして、飛び出した三塁走者を挟殺プレーに仕留めた。「これからやっ」。ベンチに戻り、仲間を鼓舞した。6月、左手のひらが疲労骨折していると診断された。小学生の時から捕手一筋。体が悲鳴を上げていた。治すには手術が必要だが、医師に「大会に出たい」と相談し、先送りした。痛いそぶりをしないよう、この日は痛み止めを飲み、テープでクッションを手のひらに巻いて臨んだ。「チームに不安を与えてはいけない」球場には、帰省中だった大学生の兄智哉(22)が応援に駆けつけていた。智哉は、2006年春の選抜大会で4強入りしたPL学園のベンチ入り選手。ポジションは同じ捕手だ。中学生だった千葉は甲子園に応援に行った。ブルペンで捕手を務める兄の姿にあこがれた。智哉は進学した関東の大学で野球を続けていた。帰省するたび、兄弟でキャッチボールをした。「配球はどうすればいいか」「盗塁の時にもっと早く送球したい」。兄には何でも相談できた。この日の朝もキャッチボールをした。手のひらが痛み、不安そうな千葉を見て、智哉は「気合を入れろ。大丈夫。やることはやってきた。自分を信じろ」と励ました。「あの一言で不安な気持ちは吹き飛んだ」2点リードされて迎えた9回裏。千葉はヘルメットをかぶって必死にベンチから声を出した。2人出塁すれば打席が回ってくる。だが、ゲームセット。「痛みを忘れてプレーに集中できた。支えてくれたみんなに感謝したい」。試合後、そう話す千葉に、兄が声をかけた。「気合が入った姿だったな。おつかれさん」。千葉は真っ赤な目でうなずいた。=敬称略(向井大輔)
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