
ブラジルでもカズダンス 4.7チャリティー試合出場打診
2011年3月31日 紙面から
東日本大震災の復興支援慈善試合(29日)にJリーグ選抜で出場し、日本中を沸騰させるゴールを決めたJ2横浜FCのFW三浦知良(44)が30日、ブラジルでのチャリティーマッチへの出場を打診されていることを明らかにした。元日本代表監督のジーコ氏らが呼び掛けた試合で、ブラジルのパラナ州で4月7日に開催される予定。カズは正式な返答はしていないが、青年期を過ごした“第二の故郷”で、再びカズダンスを舞うことになるかもしれない。
感動的なゴールから一夜明けた30日、カズがブラジルから慈善試合出場の要請を受けていることを明らかにした。
この試合は、かつて鹿島などでFWとして活躍したアルシンド氏がジーコ氏らと相談し、Jリーグを経験したブラジル人選手に呼び掛けて実現。すぐにジョルジーニョ(元鹿島)、カレカ(元柏)、ジウマール(元C大阪)らが参加表明した。カズにはブラジル時代に在籍したクリチバを通じ、オファーが届けられた。「チーム(横浜FC)の予定もあるので、正式なレターが欲しいと伝えた」と即答を避けており、練習に合流する31日に横浜FC幹部と話し合う予定。クラブ側の了解次第だが、参加には前向きな姿勢を見せていた。
この日のカズは阪神淡路大震災の被災地で、かつて所属した神戸を訪れた。「ゴールという形を残せてよかった。神戸では子どもから、大人まで『よかったよ』と、声をかけてくれて、全員がそこ(被災地)のために戦ったのが伝わったと思う。プレーする意義を感じた試合だった」。復興支援の思いが見ている人にも届いたことを素直に喜んでいた。
Jリーグ選抜の合宿期間中、被災地の仙台MF関口や、岩手出身で被災地に赴いた鹿島MF小笠原らと何度も、何ができるかを話し合いを続けた。「大変な時期だし、迷惑になったらダメ。自分が行って役に立つなら」と状況が許せば、被災地にも赴く意思まで示した。「(被災者支援は)これからが大事な時期。これで終わりにならないように、仙台の選手や、小笠原の話をチームメートに伝えて、できることをやろうと話した」。カズはあのゴールをきっかけに、さらに支援の輪を広げていく考えだ。 (相原俊之)

ザック日本vsイタリア、スペイン案浮上 南米選手権代替案
(デイリースポーツ - 03月31日 09:40)
ファンに手を振り帰国するザッケローニ監督=関西空港(撮影・吉澤敬太) Copyright(C) 2010 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
7月の南米選手権(アルゼンチン)の出場辞退も検討しているサッカー日本代表が、代替案として7月に欧州に短期遠征し、イタリア代表かスペイン代表を相手にチャリティーを兼ねた強化試合開催へ動いていることが30日、分かった。Jリーグが東日本大震災の影響で延期したリーグ戦を7月に開催することを決定し、選手の日本代表派遣が難しい状況となっている。日本協会は南米選手権に出場する方法を模索しつつ、代表強化へ最善の方法を探していく。
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日本代表に、7月の欧州アウェー戦プランが急浮上した。世界王者のスペインか、強豪イタリアを候補に調整中。日本協会関係者は「(欧州の)アウェーなら海外組も集められる。ザッケローニ監督もランキング上位とやりたがっている」と話した。
スペイン協会は震災直後に、来日する意思を表明。イタリア協会は、ザッケローニ監督に対して全面協力を約束している。震災を経て迎えた非常事態。2カ国のいずれかに絞って、強化試合を組みたい考えだ。
9月のW杯アジア3次予選を控え、7月は重要な強化期間にあてていた。南米選手権出場なら、日本は1次リーグで7月2日にコロンビア、7日にボリビア、11日にアルゼンチンと戦う。さらに16、17日に準々決勝、19、20日に準決勝、24日が決勝という日程。最大1カ月の長期合宿を重ねながら南米という敵地で真剣勝負を行う、またとない強化プランだった。
Jリーグが震災の影響による延期試合を7月に重点的に組み込む方針を決めたため、同大会への出場は難しくなっている。現在、日本協会は出場する方法を模索しているが、Jリーグ勢のトップ選手が出られないケースも想定される。主催者側はアジア杯を制したトップチームの出場を期待するだけに、日本協会・小倉純二会長(72)は「こちらが頼み込んで招待出場が決まった。事情を説明に南米に行くことも考えている」と話した。
欧州勢とのアウェー1試合なら、拘束期間も最長1週間で済むため、折衷案としてJリーグ側から理解を得られる可能性は高い。相手は王者スペインか、ザック監督母国のイタリアか‐。欧州アウェーでの強化試合で鍛え上げる。