センバツは予定通り開催へ

 東日本大震災を受けて日本高野連は12日、大阪市で緊急の会合を開き、第83回選抜大会(23日開幕・甲子園球場)を予定通り開催する方針で13日に持ち回りの臨時運営委員会に諮ることを決めた。この日は都道府県高野連を通じ、出場校の状況など情勢の把握に努めた。大会本部によると、唯一連絡が取れていなかった東北(宮城)も、夕方に選手、監督らの安否が確認できた。
 組み合わせ抽選会も予定の15日に行う方向で準備を進める。日本高野連の山口雅生事務局長は「14日の代表者会議や、組み合わせ抽選会は来られない出場校があってもやむを得ない。状況は刻々と変わっていくので、スケジュールを調整することもある」と話した。
 また日本高野連は都道府県高野連に対し、全加盟校の被害状況を確認するよう依頼した。

 [2011年3月12日21時1分]

北海(北海道)センバツ出場回数 16年ぶり12度目
夏の出場回数 34回
創立年/創部年 1885年/1901年
部長(年齢)
/監督(年齢=出身校) 坪岡英明(41)/平川敦(39=北海学園大)
部員数 53人
マネジャー 0人
生徒数(うち女子) 1148人(517)
新チーム成績(公式戦) 8勝1敗 打率.332 本0 防御率3.04 盗塁14
短評 1年生右腕玉熊を中心に勝負強さを持つ(日刊評価B)
主な卒業生 若松勉=元ヤクルト監督
故南部忠平=陸上五輪金メダル
山瀬功治=J1川崎F


エース玉熊はチェンジアップを有効に使い、5安打に抑えて完封した 甲子園本番へ、視界良好だ。第83回選抜高校野球大会(23日から12日間)に出場する北海(北海道)が9日、2次合宿で中京(岐阜)との今季初の練習試合に臨み、2連勝した。ダブルヘッダーの第1試合では、エース玉熊将一(1年)が新球チェンジアップを効果的に使い、5安打7奪三振、1死球の99球で省エネ完封。充実のオフを過ごし、昨秋から進化した姿を披露した。チームは今日10日も岐阜一と練習試合を行う。
 雪もちらついた岐阜で、北海主戦の玉熊がいきなり、春の進撃を予感させる快投を演じた。春夏5度ずつの甲子園出場を誇る中京打線を相手に、5安打完封とエンジン全開だ。ピンチらしいピンチは、7回1死から連打で二、三塁とされた場面だけ。投ゴロ、一ゴロで切り抜けると、9回最後の打者はチェンジアップで中飛に仕留めた。178センチ右腕の、記念すべき、高校初完封となった。
 覚えたてのチェンジアップを今季初の実戦で解禁し、有効に操った。「(投げたのは)10球ぐらい。少しは使えることが分かりました」(玉熊)。左打者には決め球として使い、バットに空を切らせた。3、5、8回と2者連続奪三振。130キロ台後半の直球とほぼ同じ腕の振りで投じる新球で、打者を幻惑した。
 直球、カーブ、スライダーにチェンジアップを加えたことで、投球の幅が広がった。それでも「まだまだ」と満足はしていない。最後の打者への1球は、高めに抜けた。右打者にはシンカー気味に落ちるため、死球になる危険もはらんでいる。「大事な試合で自信を持って投げられるようにしたい」と本番を見据えた。
 平川敦監督(39)の完投指令をクリアしたばかりか、相手スコアボードに「0」を9つ並べ、3ボールは2度と抜群の制球力まで見せた。指揮官は「寒い中、軽く投げても力のある球がきていた」と合格点。自己採点には厳しいエースも「無失点に抑えられたし、死球1個で今日は良かったと思います。寒さ? 集中していたので、感じませんでした」と口元を緩めた。【中尾猛】

 [2011年3月10日11時19分 紙面から]

選抜高校野球大会(23日開幕、甲子園)に出場する北海(北海道)が10日、岐阜一(岐阜)との練習試合で0-9と敗れた。対外試合解禁日以降、初試合だった前日9日は中京(岐阜)に2連勝したが、この日はミスが目立ち、打線は6安打無得点。北海ナインは第1次強化試合を終え、修正すべき課題が浮き彫りになった。
 北海らしくないプレーが出たのは1回裏の攻撃だった。1死から多間泰介三塁手(2年)が中前打で出塁、3番川崎和哉二塁手(2年)がうまい流し打ちで左翼越え二塁打、先制点が取れるはずだった。だが三塁コーチャー西尾匡人主将(2年)が「バッターランナー、ストップ」と叫んだが、多間には「ランナーストップ」と聞こえ、ブレーキをかけた。結局、この回は無得点に終わった。引き寄せるべき時に失った流れは最後まで戻せなかった。
 「初回がすべてでした。実戦不足もありますが、これからの練習試合で修正していきます」と平川敦監督(39)は、前日に続く走塁ミスを今後の課題の筆頭に挙げた。相手のバント攻勢にも手を焼いた。4、5回に意表を突くプッシュバントで三塁走者の生還を許した。平川監督は「相手の動きを読んでいないと…」と、実戦勘を磨くことも課題に挙げていた。
 岐阜一は昨秋の岐阜県大会決勝で、センバツ出場の大垣日大と2-4の接戦を演じた好チーム。北海ナインはこの日、札幌に戻り、13日に再び関西入りする。西尾主将は「課題がはっきりしたので良かった。まだ間に合います」。23年ぶりセンバツ勝利に向け、前向きにとらえていた。【中尾猛】

 [2011年3月11日12時24分 紙面から]


北海、センバツ壮行会中に地震

壮行会で野球部メンバー退場、この直後に地震が発生し札幌でも揺れを観測 北海道・札幌市内の北海高でも東北地方太平洋沖地震の影響を受けた。11日、センバツ甲子園(23日開幕)に出場する野球部、全国高校選抜の柔道部、空手部、全国私立学校選手権のバレーボール部の合同壮行会が、午後2時40分から学校体育館で開催されていた。全選手が退場した直後、地震による揺れが発生。在校生735人が床に座っていたが、ざわめきが上がった。揺れが収まった後、無事に解散した。

 [2011年3月12日10時30分 紙面から]