五箇条の御誓文と伝教大師最澄の山家学生式の思想は非常に近い。
これは偶然の一致である。
五箇条の御誓文を起草する課程で山家学生式を参考にした形跡は無い。
伝教大師最澄は法華経を頂点に位置づけつつ、仏教と神道を共に尊重する姿勢を貫いた。この点は、聖徳太子と同じである。
人間の中の清明心を引き出す神道と、人間の中の仏性を引き出す仏教の共通性に気付いたのだろう。
そして、その「気付き」の延長線上に日本の国柄があるのだ。
多くの天皇陛下の御陵が仏教寺院の京都の泉涌寺にある。明治の廃仏毀釈の時代を含め、それらの御陵の移転の動きは皆無だ。