UCSコマンドを使った、便利なマクロの作り方を紹介。
UCSコマンドには、いくつかのオプションコマンドが存在する事を紹介しました。
[作成(N)/移動(M)/直交投影(G)/直前(P)/呼び出し(R)/登録(S)/削除(D)/
一覧(?)/ワールド(W)]
※使い方・内容等はヘルプ参照
また、隠れオプションコマンドが存在することも紹介しましたね。
[Z軸ベクトル(ZAXIS)/3点(3)/原点(O)/ビュー(V)/X軸(X)/Y軸(Y)/Z軸(Z)/
面(FA)/オブジェクト(OB)]
※使い方・内容等はヘルプ参照「3D でのユーザ座標系(UCS)のコントロール」
今回紹介するのは、"UCS"コマンドの、隠れたオプションコマンドの1つ
「3点(3)」です。
この「UCS 3点」を実際に実行してみましょう。
まず、UCSコマンドを実行します。
コマンド: ucs
すると、コマンドラインに
現在の UCS 名: *名前なし*
オプションを入力
[作成(N)/移動(M)/直交投影(G)/直前(P)/呼び出し(R)/登録(S)/削除(D)/一覧
(?)/ワールド(W)] <ワールド>: 3
オプションコマンドが表示されます。
ここで、"3"と記入しエンターを押すと
新しい原点を指定 <0,0,0>:
と、表示されるので
↑UCSを変更したい位置を指定します。
次に
X 軸上での正の点を指定<**.***, **.***, **.***>:
と、表示されるので
↑変更したUCSの"X座標"の方向を指定します。
次に
UCS XY 平面の Y 座標上での正の点を指定 <**.***, **.***, **.***>:
と、表示されるので
↑変更したUCSの"Y座標"の方向を指定します。
すると
↑3点で指定したUCSに変更されます。
これが、UCSコマンドの3点指定オプションです。
この"3点指定オプション"をマクロで使う時、どの様な使い方が有るかと言うと
構築線の傾きにUCSを合わせる 時に使います。
※構築線に対しては、オプションの"オブジェクト(OB)"が使用出来ません。
では、実際にマクロを作ってみましょう。
1)まずは、■中級 8.ダミーでオブジェクト選択 で紹介した
■"MOVE"[移動]コマンドを使った"ダミー選択"を使用します。
*^C^C^Pmove^P;\non;@;;non;@;non;@; |
2)次に、"UCS"コマンドを実行し、オプションの3点指定を実行します。
*^C^C^Pmove^P;\non;@;;non;@;non;@;ucs;3; |
3)ここで、UCSの変更位置を"nea"で指定します。
*^C^C^Pmove^P;\non;@;;non;@;non;@;ucs;3;nea;@; |
4)次に、X座標の方向を"mid+endp+cen"にて「中点・端点・中心」を指定します。
*^C^C^Pmove^P;\non;@;;non;@;non;@;ucs;3;nea;@;mid+endp+cen;@; |
5)Y座標の方向は、どちらでも良いので、エンターにて終了させます。
*^C^C^Pmove^P;\non;@;;non;@;non;@;ucs;3;nea;@;mid+endp+cen;@;; |
これで、構築線にも対応した、オブジェクトの角度に合わせる
"UCS変更マクロ"の完成です。
ちなみに大元のマクロは、「mura's home」の掲示板にて
先生方によって作られたのが
ucs;3;non;@;per;@;; |
この様なマクロでした。
しかし、このマクロの場合、オブジェクト上の任意の点を
"nea"を使ったり、IDコマンド等で確実に選択してしまうと
"UCS"コマンドの3点指定を実行した時に、3点が同一点となり
動作しなくなる場合が有ります。
その後、確実にオブジェクト上を選択した場合でも、3点が同一点に無らない様に
ucs;3;nea;@;mid+endp+cen;@;; |
この様に改善されました。
これを使用したマクロが
【マクロ屋】5.間隔指定 オブジェクト平行構築線 マクロです。
この"UCS"コマンドの、"3点指定オプション"を使うコトで
構築線にも対応させたマクロを作る事が可能となります。
大変便利なので、覚えておくと良いでしょう。
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