先月油膜がひどい時期がありました。





油膜対策としてはリオプラスサーフェススキマーを使用しているのですが、スポンジが詰まって流量が落ちていた様です。

洗浄して再セット して元通り見栄えの良い水槽に戻すことができました。
 油膜の発生理由として何か参考になる情報はないかとWeb上を散策していたのですが、読んでいて違うんじゃないかと思われる情報があふれていたので、私の思うところを書いてみたいと思います。
 まず、アクアリウムの油膜の正体についてWeb上では「タンパク質」「バクテリアの死骸」であり、発生の理由は「餌の食べ残しや糞など、分解できなかっ た有機物が浮かび上がる」「調子が悪くなると出る」「ろ過が上手く行っていれば出ることはない」とのこと。その害については「放っておくとタンパク質が分解してアンモニアが発生して水槽が崩壊する」「油膜は酸素の透過を妨げるので酸欠になる」、対策としては「酸素不足でバクテリアが死んでいるのでエアレーションが必要」などと、油膜が出ることは非常に悪いことであり、ことさらに害があるように書いてあるものが散見されます。

 私の経験では油膜は見栄えは悪いけど、魚の調子が悪くなることはないしそんなに気にするような害が出ることはないと考えていましたので、少し疑問に思いました。
 いろいろと調べた結果、私が思うには我が家の水槽の油膜は”鉄バクテリア”ではないかということです。そういえば、先週メネデール(植物活力剤)をドボドボと投入しました。(鉄バクテリアは2価鉄を3価鉄に酸化してエネルギーを得るとのこと。メネデールは2価鉄ですね。)

鉄バクテリアであるとして、バクテリアの細胞を構成する元素としては窒素も含まれるでしょうから除けるのであれば除くのが良いとは思いますが、そんなに多量ではないと思われますし、水草の栄養として窒素は必要なものです。そもそも水槽に入っていく窒素源は(空気中の窒素を固定する根粒菌などがいなければですが)魚の餌だけだと思われますが、水草の量によっては不足している可能性もあります。
「アンモニアは猛毒だ」という人もいますが、通常のソイルを使用しCO2を添加する水草水槽のような酸性の条件ではアンモニア(NH3)は毒性の低いアンモニウムイオン(NH4+)という形態になり、毒性はそれほど強くありません。アンモニアのオオミジンコへの毒性は0.66ppm(LC50:半数が死ぬ 濃度)ですが、硝酸アンモニウムでは555ppm(EC50:半数に影響がある濃度)で、桁が全然違います。
仮にアンモニアが発生したとしても、餌や糞から出る濃度と大きくはかわらないでしょうから、油膜を必死になって水槽外に取り出す必要はないと思います。サーフェススキマーを悪者のように言い、不要論を唱える人もいるようですが、私はこれからも便利なものとして利用したいと思います。