「なんだ?その髪!切って来いよ」

 

息子に言った言葉。

 

 

息子は27歳

 

こだわりがとても強く不器用。

 

 

昨年の暮れ、せっかく採用された会社を自己退職。

 

人間関係も

仕事も

なにも問題なかったのに

なぜ・・・?

 

それは彼のこだわりが原因。

 

昔からそうだった。

 

好きなもの

夢中になれるものしか気持ちが向かない。

 

仕事ってそんなものじゃないって頭でわかっていても

それをうまくバランスをとることが出来ないようだ。

 

 

さて

親としてどうするか・・?

と・・

考えてみたが

どうするもなにも

本人次第。

 

 

失業保険の手続きや

保険証の変更

面倒な手続きも自分で済ませ

 

ハローワークに出向き

興味ある会社

やってみたい仕事

積極的に見学し

たどり着いた1つの会社。

 

1次審査(筆記や大学院での成績)

2次面接

合格し

そして最終面接前日。

 

 

 

子どものころから 息子の髪は私が切ってきた。

さすがに大学行く頃には床屋に行くようになった。

 

「 面倒だな。いいよこれで。」

 

言うと思った言葉。実は待っていた言葉。

 

 

「だめだよそれじゃ! 少し揃えてやるからここに座り~~」

 

たぶん これが息子の髪を切ることが最後だと思ったから。

 

切ってあげたい気持ちを息子に気づかれたら、きっと嫌がる。

 

しょうがなく切ってやる印象なら 嫌がらないはずと。。

 

 

髪を切りながら いろんな思いが込みあがる。

 

中3で動けなくなって数年引きこもり。

 

動けるようになったのは20歳になる春。

 

猛勉強をしはじめた途端、予備校のテストで高得点。

 

そして 見事に第一希望の理系の難関大学に合格。

 

 

しかし・・

 

大学から大学院に進むと

 

自分が研究してきたものに納得いかず

そこからの鬱・・・

部屋は汚れ お風呂にも入らず

出てくる言葉は 会話にならない難しい語り口調・・。

 

精神科で処方された薬と、大学の先生に助けてもらいながらどうにか卒業。

 

 

いつもそう・・

 

親ってなにもできない。

 

泣いたって

騒いだって

優しくしても

強く言っても

なんの効果もない。

 

 

でも・・

泣いたり騒いだり 優しくかまったり強く怒ったりって

息子の為なんかじゃない。

自分の感情が そう行動に起こしてただけ。

 

 

今ならわかる。

 

息子にできるたった1つのこと。

 

笑っていること。

 

なにか不安なことを相談してきても

 

「どうにかなるよ 大丈夫」 って笑っていること。

 

 

 

 

 

綺麗にそろった髪

 

「どう?母さん切るのうまいべ?」

 

「まぁまぁかな」

 

 

 

最終面接日

 

息子が出たあと いつもの神社公園に行って神頼み。

 

どんな結果がでようと

 

あの子が前に進めますように。

 

 

 

そして

 

昨日

 

息子からのメッセージ

 

「内定決定!!」

 

 

 

泣き虫母さんは やっぱり泣いちゃうよえーんあせるあせるあせる

 

君がいないときは

 

どんな感情でもいいはずだ。

 

 

 

決まったら1人暮らしをすると言った息子。

 

寂しいけれど 笑って送り出すよ。

 

 

きばりんしゃいよ 爆  笑ダッシュキラキラキラキラ