もともと旅行が好きだった私。

車椅子になったから それを 諦めなければならない、となるのは 

生きていく上での楽しみを もぎ取られる気分。

 

車椅子になる前に計画していた旅のプランがあって 

とりあえずは その旅行に行くことを目標として キャンセルはせずにいた。

 

退院して なんとか 日常生活に目処がつき 痛くて動けない時とかあるものの 

それを上回る 楽しいこと、美味しい時間を 過ごせばいいのだ。

そして 少しでも 動けるうちに 行きたいところへ行っておこう。

 

と いうことで 2泊3日の車椅子の旅 第一弾を 敢行することとなった。 

旅のお相手は もちろん 夫。

 

社協から借りた車椅子を車に積み込み 7時半に自宅出発。

あいにくの雨の中 小浜から北陸自動車道に。

三方五湖SAで トイレ休憩。

トイレには片杖で行く。

ここは 屋根付きの優先駐車場だったので 大変ありがたかった。

 

予定では 雨晴海岸に寄り 海の向こうにそびえる立山連峰を眺めるつもりだったけど 

視界悪く 雨、ということで 潔く諦めて 高岡市へと向かう。

 

高岡の街に到着するも 雨の中なので 車に乗ったまま 

「千本格子の家並みの」金屋町へ向かう。

 

高岡鋳物発祥の地で、高岡銅器産業の中心として栄えた町は 

今は 千本格子の家々と石畳の情緒あふれる通り。

 

家の前には ボールをもった女の子や ラジオ体操をする男の子など 

レトロな雰囲気の銅像がたたずんでいる。

 

雨じゃなかったら 車椅子で散策できる場所。

 

お次は 「土蔵造りの町並み」の山町筋

1900年の大火の復興で、防火構造の土蔵造りの主屋が建てられ 

それらに混じって、洋風建築の赤レンガの銀行や 洋風建築の意匠を取り入れた主屋等も建ち、独特な景観が残っている。

 

予想以上に 見どころの多い街並みで 一軒一軒眺めて通りたいところだけど 

ここは建物が少し点在してあるようだし 道路も広くて 走る車に気をつけなければならないので 車椅子ではちょっとキビシイかな・・・。

 

ランチに立ち寄ったのは 洋風建築の商家をリノベした「山町ヴァレー」の一角にある

「クラフタン」

https://www.yamachovalley.com/

 

古い建物のリノベで バリアフリーのところって 意外と少なくて 

ここも 狭い入口入って2段上がり 通路も狭く・・・なので 車椅子は無理

よろよろと 杖ついて入店。 

 

魚はもちろん 肉、野菜の昆布締めは 素材の味と昆布の旨味が 

シンプルながらも滋味深く お腹にも優しい感じで いただきました。

 

最後に イケメン大仏のご尊顔を拝みに 高岡大仏へ。

 

ナビの案内どおりに行くと 大仏の背中がわの駐車場に案内されたので 

そこに停め 正面に 杖で歩いて向かう。

細い一方通行の道の割には 車の通りが多く歩道も細く 車椅子ではキビシそうなので。

 

やっとの思いで なんとか顔の見られる角度まで 辿り着く。

正面の参道までは まだ 数十mあって 小雨も降り出したので 

そこで立ち止まって振り返り イケメンの顔を繁々と眺めて 引き返す。

では お次行きましょ と 大仏横の道を通り抜けると 

正面にもちゃんと駐車場があるではないですか!!  うーん 残念。

正面駐車場ならば 車椅子でお参りできますね。

 

気を取り直して 富山市へ。

 

富山市には 世界一美しいスタバがあるそうで ちょうどカフェタイムなので 

行ってみることに。

 

その途中に 一瞬だけ見られた 立山連峰。

立山連峰って 富山あたりに行ったら 割とどこからでも見られると思っていたのだけど 意外とそうでもない、というのが 今回 行ってみてわかった。

後から思うと 貴重な一瞬。

 

世界一美しいスタバ って どんなに素敵なんだろう!! と 

胸をときめかせて行ってみたのだけど・・・最近のスタバは 綺麗なところが多いし 

それほど驚くような建築でもないし、意外と普通でした。

 

富山の灌水公園店が「世界一美しいスタバ」と呼ばれるようになったのは、

2008年にスタバ内の「ストアデザイン賞最優秀賞」を受賞したかららしく 

ずいぶん前のことやん。

では 最新の世界一美しいスタバはというと・・・2011年受賞の太宰府天満宮表参道店。

(その後 コンテストはない)

なので ここは「元世界一美しいスタバ」 ですね。

 

と いうことで 一息ついて 本日のお宿「富山ANAクラウンプラザホテル」へ。

案内によると 駐車場は隣接する国際会議場の駐車場利用 とありました。

とりあえず ホテルの正面玄関へ向かうと 玄関横に車椅子マークが見えたので 

尋ねてみるとそこに駐車しても良いとのこと。こりゃ近くていいわ。

ホテル内は もちろんバリアフリーなので 快適に車椅子で走行。

 

翌日も お天気がいまいちだったので Toyamaキラリという隈研吾設計の建物の 

富山市ガラス美術館へ。

 

調べてみると 繁華街のど真ん中にあるので 美術館専用の駐車場はなく 

近隣のコインパーキングをご利用くださいとあった。

なるべく近いコインパーキングを探して ぐるっと回っていると

「Toyamaキラリ」の地下駐車場を見つけた。

富山第一銀行専用となっていたけど よくよくみると

障害のある方はご利用いただけます」との文字が! おっ ここ いけます。

 

美術館も併設された図書館も めちゃめちゃ 素敵。

 

6階のグラスアートガーデンは写真撮影OK。

近代ガラス美術の巨匠と言われる デイル・チフーリ氏のもの。

「トヤマリーズ」

リーズとは 葦のことだそうで葦原を表したもの。

 

「トヤマ・フロート・ボード」

美しいガラスの球と笹舟の組み合わせ。

笹舟は神通川で漁に使われていたもの。

 

「トヤマ・ミルフィオリ」

イタリア語で「富山の千の花」

 

200円の常設展で 十分見応えありました。

 

その後 南砺市の 棟方志功美術館へ行き 本日のお宿「薪の音」へチェックイン。

 

「薪の音」は 駐車場が少し離れており(100mほど) 車は宿の前までも行くことができないので 道で車椅子と共におろしてもらい 夫は駐車場へ 私は自走で宿まで。

田舎道なので 走行しにくいけれど 通る車もないので ゆっくり自走していけました。

 

3組だけの 小さな宿なので バリアフリーにはなっておらず 不便なところはあったけど 宿の方も親切だし 特別困ったことはなかった。

(細かいところはあったけど そこは工夫してなんとか・・・と いうレベル)

そもそも 車椅子でお世話になるとは こちらも思っておらず予約した宿なので。

 

のんびりとくつろぎ 美味しい夕食をいただいて 静かに夜は更けていく・・・。

 

と 長くなったので ここで ひとまず第一部終了。