2「花壇で眺める景色より」
手袋をもらってから冬を超え
春になり小学生に上がった。
1年生になり毎日が戸惑いだった。
当時は自分から話しかけられる性格でもなく
素直じゃなかったのでなかなか友達
ができなかった。
しかし、ひとりの時間も好きだったし
勉強は全く問題なかったので
充実してたといえば充実していた。
そんな僕を見兼ねてた君は友達の作り方を教えてくれた。
最初は素直になれずぶつかるところもあったが
何とかクラスで浮かばずに済んだ。
そんな頃、君はグラウンドの裏にある
綺麗なチューリップがたくさん咲いた花壇を教えてくれた。
そこはとても静かでちょっとひんやりしていて
なにより花の甘い香りが充満していた。
その日から僕は
よくここを訪れるようになった。
ここで読書をするのがとても心地よかったから。
しかし、教えてもらってから数ヶ月後
僕が読書をしようと花壇を訪れると
前日までどこまでもいけそうなくらい伸びていたチューリップが
無残に土の上に倒れていた。
「なにこれ・・・ひどすぎるよ・・・」
後ろから聞き覚えのある声がする。
アカリ姉だ。
僕が花壇の方に行くのを見かけたので
追いかけてきたそうだ。
「ねえ!ギル!これ誰がやったの!?」
君は声を荒げて言った。
僕は声が出ず首を横に振ることしかできなかった。
今思うととても怒鳴りたい、しかし当時の自分は怒りより
悲しみの方がとても大きく心に刺さったのだ。
そのあとのことはあまり覚えていないが
アカリ姉が怒りつつも
僕を励ましてくれていたと思う。
次の日から行き場のなくなった僕のために
君は休み時間にちょいちょい顔を見せてくれるようになった。
何日後かに新しくチューリップが
植えられた。
たまに見に行くことはあったが
前程は行かなくなった。
だって
君の笑顔を見ている方が心が安らぐし
僕に新しい居場所だと思えるところができたから。
一人より二人の方が楽しいと
君が教えてくれたんだ。