おはようございます。ととです。

 

早速ですが皆さん!

自白ってご存じですか?

 

 

簡単に言えば、自分の犯行を素直に話すことです。

 

自白って、めっちゃ証拠として強いんですよ。だって、嘘ついてまでわざわざ不利益なこと言うとは思えないからです。

 

でも、、、警察とか検察に「起訴しませんから!」とか、「(ほんとはないけど)あなたの目撃証言があるんですよ!」 とか言われたら、嘘でも(ほんとでも)認めちゃう可能性ありますよね。

 

そんな証拠も全部、とっても強い証拠として扱われてしまうかも、、、、

 

 

それはいかん!!!!!!

 

 

そんな、自白が

 

「これって証拠として認められるの?」

 

となった事件について軽くご紹介!

 

 

 

 

(※以下、実際の事件をだいぶ省略簡略改定(?)したものです)

 

Aさんは贈賄の容疑にかけられています。

Aさんの弁護士Bさんは、Aさんから頼まれて検察のところに行き陳弁しました。

そこで、検察官に「素直に金品を受け取ったことを自白すれば、起訴猶予処分も十分に考えましょう」といわれました。

それを聞いたAさんは「猶予されたい!」と思い、自白してしまいました。

結果、Aさんは自白を証拠に起訴されてしまいました。

 

 

え???????これ、、Aさんの自白、、、、証拠になるんですか????

 

 

結論:なりません。

 

裁判所は、

「検察の言葉を信じて起訴猶予になると期待したAさん。Aさんの任意によるものとは言えないですよね。(つまり、Aさんが「自白しよう」となったわけではない。)また、Aさんが実際には事件に関与していないないのに自白してしまう可能性すらある。これはだめです。」

 

と判決しました。

 

 

【ととの豆知識】

①今回取り上げたのは、「刑事訴訟法上の自白」です。民事とは意味が異なりますので、ご注意を。

②自主と自白は違います。一般に「自主をすれば罪が軽くなる」といわれています。これは本当です。しかし!!!!「自主」とは、犯人が罪を犯したことをが発覚する前に自ら捜査機関に自己の犯罪事実を申告し、処分に服するとの意思表示をいいます。つまり、警察が捜査する前、発覚する前に申し出なければそもそも自主とは言えず、刑が軽くなったり免除されたりはしません。皆さん、自主を考える時間はそんなにありません。犯罪を犯してしまったら、その足でそのまま自首するのがおすすめです。不謹慎ですね、大変申し訳ございません。

 

 

 

初回にもかかわらず、自白というなじみありそうで全くない、少し専門的な範囲にはなってしまいましたが、皆様のほんの少しの雑学になっていれば幸いです。

 

 

 

 

【応用】(※一気に法律用語が増え、意味わからんと思いますので、ぜひ飛ばしてください。皆さん、読んでいただきありがとうございました! とと)

 

上記判例は、最高裁昭和41年7月1日第2法廷判決です。

 

判例は、「被疑者が起訴不起訴の決定権を持つ検察官の自白をすれば起訴猶予にする旨の言葉を信じ、起訴猶予になることを期待してした自白は任意性に疑いがある(刑事訴訟法319条1項)ものとして証拠応力を欠くものと解するのが相当である」と判示しました。

 

不任意自白の排除すべき趣旨の理解としては、虚偽排除説、人権擁護説、違法排除説等によって分かれます。しかし、いずれの説をとっても、矛盾せずにこの判決を説明することが可能です。(少々微妙なラインではありますが、、、。)

 

なお、この事例は実際には検察官の示唆→弁護士の勧告→被疑者という風に利益提示が間接的になされていますが、自白の証拠能力を確保するためには自らの言動の持つ意味が被疑者に与える影響に留意しなければならないと考えられます。