猫エイズ ~ネコ免疫不全ウイルス(Feline Immunodeficiency Virus)~ | ととのブログ ~岡山の保護犬猫応援ブログ~

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うちのワンコのこともたま~に書いてます♪

 

猫の感染症の一つに「猫エイズ」と呼ばれる病気があります。

 

 

 

猫エイズとは正式にはネコ免疫不全ウイルスと呼ばれ、

Feline Immunodeficiency Virusの頭文字をとってFIVとも言われています。

 

 

この病気は治療法がなく、発症してしまうと死に至ってしまうという大変怖い病気です。

 

ですが、この大変怖い病気はきちんと予防をすることでかなり感染を防ぐことができますし、

進行のゆっくりとした病気なので感染してしまっていても天寿を全うできることもある病気です。

 

保護猫の中には猫エイズキャリアと呼ばれる状態の子も多いので

少しでもこの病気の事をご理解してもらいたいと思ってまとめてみました。

 

FIVについての説明はいくつかのサイトを参考にさせてもらって上記を書いていますが

医療関係者ではありませんので間違っている情報もあるかもしれません。

その点をご理解の上ご覧いただきますようお願いしますm(_ _ )m

 

 

 

メモ猫エイズとは

 

先ほどもいいましたが、猫エイズとは正式にはネコ免疫不全ウイルス(Feline Immunodeficiency Virus)

略してFIVと呼ばれています。

 

レトロウイルス科のレンチウイルス属に属していて、進行のゆっくりとしたウイルスです。

同属にヒト免疫不全ウイルス(HIV)などがあり、病気のステージが進むと病名にあるように

免疫力が低下することで諸症状が現れ、最後は死に至ります。

 

同じ属に属する病気のため症状は似ていますが、FIVとHIVは別のウイルスで人はもちろん、犬などの

別の種へ感染することはありません

 

画像お借りしています:feline friend

 

 

メモとてもゆっくりと進行する病気です

 

FIVはちょっと変わった進行を辿る病気で、感染から発病までは以下の経過を辿ります。

 

  1 急性期(1か月 - 1年)

       感染から約4~8週後に軽い発熱やリンパ節の腫れが現れる。

 

  2 無症状キャリア期(2年 - 4年、またはそれ以上

       外見上、健康な状態。

 

  3 PGL(持続性全身性リンパ節症)期(1か月 - 2か月)

       全身のリンパ節が腫れる。外観からでは判別は難しい。

 

  4 エイズ関連症候群(1年、またはそれ以上)

       リンパ節の腫れに加え、慢性の口内炎、鼻風邪の症状、皮膚病、下痢、発熱、軽度の

       体重減少が見られるようになる。重篤な症状を示す病気になった状態をエイズと判定

       している

 

  5 エイズ(後天性免疫不全症候群)(数か月)

       激しい削痩、貧血、白血球減少症、免疫不全による悪性腫瘍(がん)、日和見感染症

       などがおこる。

 

「エイズ陽性」や「エイズキャリア」と呼ばれるのは2無症状キャリア期と呼ばれるステージの猫で

この期間は数年から長い猫になると10年を超える子もいて、このステージでとどまっていてくれる間は

他の健康な猫と同じように生活することができます。

 

ステージ3の期間は1~2か月と短く症状も分かりづらいため、一般的には症状の出てくる

ステージ4になった段階で猫エイズを発症したとみなされます。

 

4の段階もあっという間に症状が進んでしまうワケではなく、1年とかそれ以上を掛けてゆっくりと

進行し、5の段階にまで進むと予後は数カ月とされています。

 

このようにFIVは無症状キャリア期を挟んで最短でも死までは5年はかかると言われているくらい

大変進行の遅い病気です。

 

 

 

メモ猫エイズ ≠ 猫エイズキャリア

 

上の各ステージある期間を見てもらったらお分かりかと思いますが、健康な猫と同様に元気に

過ごすことのできる無症状キャリア期は5つあるステージの中でも一番長いです。

 

キャリア期である間はひっそりと静かに進行しつつも症状として表に出てこない状態です。

 

例えばインフルエンザであれば感染から発症までの数日間は症状もなく普段と変わらず

過ごした後に発症するという経過を辿るのはご存じだと思いますが、無症状キャリア期は

インフルエンザでいうところの潜伏期間だと思ってもらえたらイメージしやすいかと思います。

 

この無症状キャリア期までのステージに居る猫はFIV(猫免疫不全ウイルス)に感染はして

いますが、エイズを発症しているわけではありません

 

エイズ(AIDS)とはAcquired immune deficiency syndrome、日本語で後天性免疫不全症候群

といいます。

 

生まれつきではない原因で(後天性)感染し、免疫力が低下して(免疫不全)、同時進行で身体に

様々な症状が現れる病態(症候群)がエイズです。

 

FIVは確かにステージ3を経て4へと進むとエイズを発症したとされますが、これといった症状が

ない無症状キャリア期にある猫は猫エイズではありません。

 

分かりやすく「エイズ」なんて名称を付けていて、エイズ=不治の病だとか苦しんで死んでしまう

といった悪いイメージばかりが先行してしまっていますが、今はヒト免疫不全ウイルスでも

きちんとした治療を行うことで非感染者とほぼ同じ水準にまで平均寿命を延ばすことに成功

しています。

 

 

メモ無症状キャリア期をより長く過ごすためにできること

 

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)のように良い治療薬が開発されていればいいのですが、

残念ながら現時点では有効性のある治療薬や治療法は確立されていません。

 

それでも、この病気とうまく付き合うために飼い主さんが出来ることはいっぱいあります。

 

FIVは病気が進行して免疫機能が一定以下に落ちるとエイズを発症してしまうので、逆にいえば

よく食べてよく遊んで、健康的でストレスの少ない生活を送ることで身体の自然な免疫力を

高めることでステージが進むことを遅らせることができるんです。

 

ベル他の感染症にかからないようにワクチンを接種する

ベルできるだけストレスの掛からない環境を心がける

ベルお水はいつも新鮮なものを用意する

ベルお食事は出来るだけ良質なものを用意して栄養状態を良好に保つ

ベル定期検診を受け、異常があればすぐに病院へ行く

ベル体調の変化を感じ取れるように日ごろからよく見ておく

ベル抵抗力をあげるサプリメントや漢方を試してみる

ベルインターフェロンを投与する

    ・

    ・

    ・

などなど、とにかく猫さんが気持ちよく過ごせる環境を用意してあげて、ステージが進んだり

諸症状が出た場合にもすぐに治療ができるよう日頃からよく見ていてあげることが大事です(^-^)

 

 

 

 

 

 

!!まずは感染しない、させないことが大事!!

 

実は日本はFIV感染率が最も高い国で2010年での感染率は実に20%を超えているんだそうですガーン

国土が狭いためにテリトリーがぶつかるためケンカが発生しやすいことと、飼い猫であっても屋外へ

すぐに出してしまう飼育方法を採る人が未だに多く、また野良猫も多いためにこのような高い感染率

となっているようです。

 

 

 

注意完全室内飼いにする

  FIVウイルスを他の猫に感染させてしまうのを防ぎましょう。

  そもそも未感染猫は感染した猫に接触さえしなければ感染の確率は0%です。

  感染力は強くないので多少の接触程度ではそんなに問題はありませんが、流血するまでケンカ

  をしたりして体液に接触すると感染する可能性は高まります。

 

  ポイント屋外に出られる猫の感染率は完全室内飼いの猫の約20倍といわれています。

    猫を飼うなら完全室内外を厳守しましょう

  

 

 

注意同居猫はうつらないの・・・はてなマーク

  基本的には一緒に生活をしている程度ではうつらないと言われていますが、可能性はゼロでは

  ないので相性が悪くケンカをする可能性のある猫さんや高齢だったり病気があるなど免疫力が

  低くなっている猫さんは離しておいた方が安心かもしれません。

 

  ポイントFIVウイルスは56℃以上のお湯や次亜塩素酸ナトリウム、アルコール、洗剤などで失活します。

    また、紫外線でも簡単に失活するので食器や敷物類はこまめに洗浄洗濯するだけでもかなり

    感染を予防できます。

 

 

 

注意避妊・去勢をする

  最大の感染路がケンカであるため、縄張り争いなどの習性のある特にオスは去勢をすることで

  縄張り意識が薄れるためオスの子には特に有効です。完全室内飼いが基本のため、発情の際の

  ストレスから解放させてあげるためにもオスメスに限らず不妊手術はしてあげましょう。

  

 

 

 

メモ発症してしまっても

 

残念にも猫さんの免疫力がFIVウイルスに負け、諸症状が出てきてしまっても諦めないでください。

ステージの説明のところでも書いていますが、エイズ期とされるステージ4でも1年以上の期間を

かけてゆっくりと進行する病気です。

その間、飼い主が諦めずに猫さんに都度適切な治療を施してあげることで猫さんのQOLは維持

できる部分が多いです。

 

もちろん、キャリア期で気を付けてきたストレスフリーの環境維持は続けてください。

 

悲観的になって「どうせ死ぬから」と何の治療もしてあげないようなことは絶対にしないでください。

高額な治療は経済事情もあるかと思いますが最低限苦痛を緩和させてあげる治療は飼い主の

義務だと思っています。

 

 

 

 

オッドアイ猫 最後に オッドアイ猫

 

以上、簡単にですがFIVの説明でした。

 

保護猫を迎えようとお考えの方にとっては可愛くて人懐こい子であっても、その子がエイズ陽性で

あったら、それだけで間違いなく家族へ迎え入れるにあたっての高いハードルとなることと思います。

 

ですが、愛情をもって諦めずにその時その時にできることをしてあげることでどんな最期を迎えても

その子を迎え入れたこと自体を後悔することはないと思います。

 

命を落とす病気はFIVだけではないとはいえ、やはり闘病の可能性が高い猫さんを迎えるには

それなりの心構えは必要だと思いますが、どんな子を迎えるにしても一つの命を預かるという

覚悟に軽重はないと思っています。

 

FIVだというだけで選択肢から外さず、猫さん自体を見てもらえたら嬉しいです。