息子がお世話になった療育センターでは、
保護者向けの講習会も、たくさん実施され、
療育センターや療育センター付属の病院の
医師、臨床心理士、児童指導員、保育士、
ソーシャルワーカー、作業療法士、言語聴覚士など
さまざまな専門家の立場から、保護者に
アドバイスをしていただけました。
その中で、作業療法士の先生の講習会が
いつも大人気でした。少しご紹介します。
机の上に回転イスの座面だけ乗せたモノが登場。
何人か保護者が座面に座らされ、
グルグル回されます。みんな、歩けません。

先生、胡座で座って、保護者に座面をグルグル
回させます。先生、まったく目が回りません。
「僕、ADHDなんですよ。目が回らないんです」

ハイ、うちの息子もそうです。
次に、何人かのグループに分かれて、子ども達の
感覚を実体験する時間になりました。
まず、軍手を5枚重ねて、お箸で大豆を摘む動作を
時間内で競争です。

軍手5枚重ね、指先が圧迫されて、もう自分の手の感覚がありません。
さらに先生、「早く早く」と声掛けて、思いっきり
焦らせます。まったく大豆を掴めず終了。
「お子さん達の手先はこんな感覚なんです」

先生、やっぱり、そのままやらせてくれません。
真ん中に鏡を置いて、鏡に映った迷路を見ながら、
線を引きます。
って、鏡越しでは、上下左右の感覚が
おかしくなって、まったく線が引けません。
「お子さんによっては、このような見え方を
している場合があります。」
先生は講習会で、必ず最後にこう話されてました。
「僕もADHDで字が汚くて、他の人から見たら、
とても読めませんが、今はパソコンがあります。
お子さん達が大きくなった時は、もっとたくさんの道具があると思うので、今のお子さんに無理をさせないで下さい。」
無理をさせない。
これが小学校の子育ての指針となりました。