遅ればせながら映画「グリーンブック」を観てきました。
なぜか、下の写真のとおり映画館の看板にはアカデミー賞5部門ノミネートと古い情報のままですが、ご存知のとおり、結果は作品、助演男優、脚本の3部門受賞の作品です。
「運び屋」と迷いましたが、評判見ながら、こちらをチョイスしました。

個人的にロードムービーが大好きなので、設定だけでかなりウキウキ。
(ちなみに一番好きな映画は「ミッドナイトラン」)

でもこの映画はロードムービーではあるのだけれど、主題は人種差別にありました。
ただ、人権や社会問題を掘り下げた固い映画というより、「差別された人の受ける心の揺れ動き」をストーリーの中でうまく描いているので押し付けがましいところはありません。
そのような部門を丁寧に描いているところがアカデミー脚本賞の要因かも。
個人的には、もう少し人種差別の問題は少なめに描いてくれたほうが映画としては良かったかな、とも感じました。

観るまで知らなかったのですが、これは実話を元に作られたようです(脚色されているようですが)。
ドン(ドクター)・シャーリーという天才ピアニストと運転手の物語です。
ドン・シャーリーはストラヴィンスキーからも、「彼の技巧は神の領域」と称賛されたようですが、日本ではほとんど知られていないと思います。
クラシック出身でジャズとの融合みたいな音楽のようです。
映画の途中で、ショパンのエチュードを弾く場面もありました。

日本人としては理解しにくいのですが、どうも海外では、黒人への差別を白人が助けるストーリーは典型的な「白人の救世主」であるとして賛否両論のようです。

良い映画だし、メッセージもあってとても面白かったのですが、アカデミー3部門に期待し過ぎると、描きこみの足りなさも感じてしまう(ちょっとだけど)映画でした。

130分と長めの上映時間は、あっという間でしたから、やっぱり面白かったです。