3月19日火曜日に紀尾井ホールにて「果てしなき音楽の旅」と題した演奏会を聴いてきました。
読売日本交響楽団アンサンブル。
指揮は、シルヴァン・カンブルランさん。
ピアノは、ピエール=ロラン・エマールさん。

曲はヴァレーズ、メシアン、シェルシ、グリゼーの4人の作曲者から。
演奏者、曲目、紀尾井ホール。
何だかただならぬ雰囲気を感じます。
スリリングな演奏会になること必至。

非日常的な音のシャワーを浴びるつもりで行ってきました。

全曲、初めて聴きました。
まず、ヴァレーズのオクタンドル
導入のオーボエの独特な旋律に既聴感あり。
チャイコフスキーの眠り姫の3幕の猫のダンスだ。
雰囲気もそっくり。
そんなんで親近感持って最後まで聴けました。
不思議な浮遊感も共通でした。
木管の掛け合いが面白かった。

次はメシアンの7つの俳諧。
メシアンが日本へ新婚旅行の印象から作曲した曲。
奈良、軽井沢、宮島とか。
この曲が日本らしいかは分からないけど、鳥のさえずりのような旋律と、柔らかなピアノの響きはメシアンらしい曲。
メシアン第一人者であるエマールさんならではの、メシアンの複層的で透明感のある響きは、
クセになりそうで、たまに聴きたくなります。

シェルシ 4つの小品 は、
それぞれ単音のみを使った曲。
単音といっても、ヴィブラートや微分音により、
音程の細かな揺れ動きとリズム変化を使い、
思ったより聴きやすかった。

最後は、グリゼーの 音響空間からパルシエル。
倍音を他楽器でなぞる手法で導入後しながら、
特殊奏法や小芝居を交えながら、音楽と騒音の
境界がなくなるように終わる曲。
会場から笑いも。最後はブラヴォー。
個人的には良し悪しは判断しかねるけど、
普段とは違う音に知的な楽しさはありました。

カンブルランさん×読響は、
このような20世紀の曲を、「紹介することに意味がある」に留めずに、ちゃんと仕上げて、聴き手が満足できるものを届けてくれたと思います。
今までも、たくさん届けてくれたカンブルランさんには感謝です。

現代曲を分かった振りをするつもりは全くありませんが、たまには偏見を捨てれば楽しめるな~と感じさせてくれる演奏会でした。

それだけカンブルランさんと読響が、咀嚼して届けてくれたていうことでしょう。