今日はネルソン・フレイレさんのピアノリサイタルをすみだトリフォニーホールにて聴いてきました。
曲目は、
ベートーヴェン ピアノソナタ 14番 31番
ブラームス 4つの小品op119
ドビュッシー 映像「水の反映」「金色の魚」
アルベニス 「エボカシオン」「ナバーラ」


やはりフレイレさんも歳をとったな~。
(と最初は感じました。)
何とも緩~いベートーヴェン。
強い打鍵はありません。
たまに音も抜ける(ように聴こえた)し、プライベートで弾いてるようにサラサラと弾くので、ともすると崩れて聴こえる部分もあります。
(フレイレさんの元々が、このような弾きかたではありますが)
一般的なベートーヴェンの厳格さはあまり感じずに、何か別の音楽を聴いているかのよう。
でも、聴いているうちに、こんなにアクの抜けたベートーヴェンもありかも?と。
こういう美しさもあるのかな~と感じながら聴きました。

後半最初のブラームスの小品も同じ。
音色は、ほぼ一定に聴こえる。
余計なこねくり回しはなし。

でも、フレイレさんの若干緩くて自由な感じが、次のドビュッシーにははまって、
暑い夏にはぴったりの、涼やかな2曲。
水玉が転がるように美しく響きました。

アルベニスになると、ドビュッシーでの美しさに、フレイレさんのリズム感がプラスされて、ノリノリの演奏。
スペインの情景が浮かぶような素晴らしい演奏。
コンサート始めに感じた年齢は、吹き飛ぶような演奏。

調子も上がって、アンコールは4曲。
(いつもサービス旺盛、フレイレさん)

珍しいパデレフスキのノクターン。
この唄いかたは絶妙。
グリーグの「トロルド~」は、高速演奏!。
完全にスピード違反だ。
ヴィラボロスは、さらっとおしゃれに。
グルックの精霊(スガンバーティ編~ボード記載のウガンバーティは間違い)は、しっとりと締めに相応しく。

グリーグとグルックは昨年と同じアンコール。

南米系のピアニストは、アルゲリッチさんもそうだけれど、乗ったときは天才的な世界観を醸し出すな~と改めて感じました。
フレイレさんも歳を取ったとはいえ、キラリと光るものを見せてくれた演奏でした。

まだまだ侮れないフレイレさんでした。