今日は東京交響楽団の定期演奏会。サントリーホール。
指揮はジョナサン・ノットさん。オルガン石丸由佳さん。ピアノ児玉桃さん。

今日のプログラムは少し変則。
オケ指揮者がステージ待機でリストのオルガンソロ、そのままシェーンベルク。
パイプオルガンソロは、昼の無料開放とかをたまに見かけますが、ソロ単体でのコンサートは頻繁にあるわけではないと思います。リストの難曲の演奏は、演奏者にとっても、聴くほうにとっても貴重な機会です。しかも今回は、オケも指揮者も観客の一員でした。
重厚な演奏は素晴らしく、リスト晩年の曲特有の地獄と天国を行ったり着たりするような世界観が表現され、ロ単調ソナタよろしく最後は救済される様が、パイプオルガンならではの神々しさがありました。BACHつながりでシェーンベルクへ連続演奏でした。正直十二音階とか無調とかは好みではありませんが、管弦楽のための変奏曲は比較的聴きやすい部類ですし、今日の東響は、響きを楽しめました。

そして今回特筆すべきは、後半児玉桃さんのラフマニノフ、パガニーニラプソディー。
児玉桃さん、初めて聴きましたがたまげました。今日の東響ノットさん×児玉さんの演奏は、個人的にはワールドグラスの演奏だと思いました。と言うか、自分が追い求めていた理想の音楽がどういうものかが、はっきりと認識できた演奏でもありました。こういう演奏を、上手側45度で聴けて幸せでした。ただこのポジションは、繊細な音も聴けますが(本当に繊細かつ温色が素晴らしかった)、ミスタッチもよく聴こえます。日本人女性でラフマニノフの連打は厳しい部分もあるかもしれませんが、音楽がこのレベルで作り上げられると、ミスはあまり関係なく感じます。こういう演奏に触れると、スポーツ競技を見に来てるわけではないと強く感じます。東響と児玉さんのコラボで、非常に豊潤な音でした。
それにしても児玉さんの表現力は驚きでした。
一言で言えば豊かなピアノ。
世界は広い。何で今まで聴く機会がなかったのだろう。パリ在住だから、そんなに日本公演はないのかな。
アンコールも素晴らしく

サントリーホールが静寂に包まれました。

最後のボレロはおまけみたいなもの。
個人的にはラヴェルのボレロって、フルオーケストラのためのエチュードに聴こえます。
エチュードだけに、基本の繰り返しにボロも出やすい。実はボレロの名演ってなかなか難しい。ポリーニのショパンエチュードのような鋼の精神力と技術力の賜物みたいなボレロに出会ってみたいな~なんて思います。
ボレロは、どうしても最後ジャンジャカジャンで盛り上がるから、ブラヴォってなってしまうけど、個人的にはラフマニノフにヴラヴィッシモでした。
やはり自分は、大迫力の演奏ではなくて、静かな美しい音に惹かれます。

明日のミューザも空きがあるみたいだし、どうしようかな?

今日のコンサート飯は、トルタリッカさんでサンドイッチでしたが写真撮り忘れました。お店の期間が伸びて来年夏くらいまではあるそうです。良かった。