皆様こんにちは。TC研究会 トレーナーの森です。

今回は奥川先生に機会を頂いたので、イタリア留学の体験をシェアさせて下さい。

ただの体験日記ではなく、少しでも皆様のお役に立てるような内容を心がけますので、最後までお読み頂ければ幸いです。

 

トレーナーの『イタリア』留学はあまりイメージが湧かないかもしれませんが、今回私はダンススポーツのトレーナーとしてイタリアに留学に行って来ました。

 

ダンススポーツというスポーツ、聞きなれない方もいらっしゃると思いますが、私が専門としているのは広義のダンススポーツの中でも、社交ダンスをベースとしつつ、スポーツ性を追求して独自に発展した競技スポーツとして実施されているものです。

最近ですと、金スマでご覧になった事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

社交ダンスと聞くの、優雅なイメージがありますが、既にお伝えした通りスポーツの要素が強い為、他の競技アスリートと同様、身体作りを目的としたトレーニングは必須になります。

 

どのような競技か気になる方はこちらをご覧下さい。

●ラテン

https://youtu.be/goEioVQXVig?si=bgitAYR9819JP9EE

●スタンダード

https://youtu.be/O7uRw5TmzsA?si=Cc1cLvRiXFI4NDaS

 

社交ダンスとしては歴史が長いですが、ダンススポーツとしての歴史はまだ浅いです。ダンススポーツ自体のテクニック等は教科書があったりと確立されていますが、トレーニングにおいては始まったばかりというのが現状です。

 

また競技として非常にユニークな特性があります。

 

まず、種目自体がラテン5種、スタンダード5種もあり、それぞれ動きの特性が異なります。

 

さらに、多くのスポーツで使う、『全身で生み出した力をターゲットの部位に伝える、という連動性を使う』場面もあります。が、一方で、ある部位を固めた状態で踊る動きがある為に、『あえて全身の連動性を使わずに身体を動かす』という、不自然な場面もあります。

 

このように様々な体力要素を向上させる必要があり、選手たちの競技力を底上げする為に、限られた時間の中で、トレーナーとしてどのようなトレーニングを取り入れるべきかがキーポイントになります。

 

以前TC研究会のブログに『パフォーマンスピラミッド』についての記事が掲載されていましたが、頂上のスキルを上げる為に土台を広くするには何をすべきか、色々と試行錯誤をしてきました。

 

さて、前置きが長くなりました。ここまで読んで下さった方、脱落せずにいて下さり、ありがとうございます。

ようやくイタリア留学の話に入ります。

 

 

イタリアには世界チャンピオンを多く輩出しているダンススポーツのアカデミーがあります。

そんなアカデミーに選手でもない私が、留学した理由は以下の3つ。

 

①ダンススポーツ専門トレーナーとして活躍するトレーナーのもとで、ダンススポーツの為のトレーニングを学ぶ

②世界チャンピオンレベルの選手の動きを直接見て学ぶ

③世界チャンピオンを輩出しているシステムを学ぶ

 

上記でもお伝えした通り、ダンススポーツにおいてのトレーニングはまだ未知の部分が多いです。ですが、このアカデミーにおいては所属する世界トップレベルの選手たちの体力を測定、データ化しています。そしてそれを基に、どういった体力要素が必要なのか、またスキルの向上、怪我の予防にはどのようなトレーニングが関係しているのか、などを日々研究しています。

 

トレーニング内容に関して、今回特に時間を割いて学んだのが以下2点になります。

①持久力について

②足首の強化について

 

【持久力について】

事前に現地のトレーナーの指示のもと、日本で選手たちの心拍を測定、データ化していました。

そのデータをトレーナーに見てもらった結果、LTとVO2maxの向上が必要があるとのことで、ダンススポーツに特化したトレーニングを教えて頂きました。

 

【足首に関して】

イタリアでは、足首のぐらつきの大きさや、その左右差等の測定が可能なデバイスを用いて測定し、その結果から必要なトレーニングを指導しています。

ヒールを履いて走る、飛ぶ、回転するなどの動きをするこの競技では、足首の強化は非常に重要です。

今回は、バランスディスク等を用いたバランス向上、足首強化を目的としたトレーニングを教わりました。

11日間という短い留学ではありましたが、多くの事を学びました。

これを読んで下さっている皆様は、ダンススポーツと関わる事はないかもしれません。ですが、携わってこなかったスポーツ等をされているクライアントに、指導や治療をされる際の一つのアイディアになればと思い、体験をシェアさせて頂きました。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。