下の図は、二足歩行モデルを最も単純化した力学モデルである

【倒立振子モデル】

 

倒立振子とは、その名の通り「逆立ちした振子」であり、支点が床に固定され棒の先端に重りがついており、支点を中心に重りが回転運動するモデルである。

 

二足歩行を上の倒立振子に当てはめると

支点:足

棒 :下肢

重り:重心   に相当する

 

重力環境下において、倒立振子の回転運動は、位置エネルギーを運動エネルギーに変換することにより生じる。

 

棒が垂直になった位置では、重りは最も高い位置にあり、この状態は最も位置エネルギーが高い状態となる。

重りをわずかに傾けると、重心の働きにより棒は支点を中心に回転しながら倒れていく。

この推進の方式は皆さんがよく知る、ジェットコースターと同じである。ジェットコースターは高い所から勢いよく滑り降りて、その勢いを利用してまた高い所に上がり、再び勢い良く滑り運動を繰り返す。

つまり、位置エネルギーと運動エネルギーが相互に変換されて運動が続くのである。