TC研究会の鍼灸・按摩マッサージ指圧師でパーソナルトレーナーでもある藤森先生が触れることによる痛みの抑制メカニズム「ゲートコントロール理論」について始めて聞く人にも分かる様に噛み砕いて説明して下さっています!トレーナーの方で「名前は聞いた事あるけど、どういう事なんだろう?」と疑問に思っていた方は是非ご覧ください

【触れることで】

こんにちは!
トータルコンディショニング研究会の藤森です。
今回は「触れる」についてお話させていただきます。

お腹が痛い時、頭が痛い時、どんな行動をとりますか?
おそらく、ほとんどの方がお腹ををさすったり、頭をおさえたりするのではないでしょうか。
無意識ながらも、痛い部分に「触れる」ことで、痛みが弱まることは経験的にご存知だと思います。

藤森画伯の絵

では、なぜ痛みが弱まるのか……
それは、Patrick D.Wall & Ronald Melzack のゲートコントロールセオリー(1965)という理論から説明することができます(この説は、後に修正された部分もあります)。

ゲートコントロールセオリーでは、以下のようなことが説明されています。
ささる・ぶつける等といった刺激(痛覚)が興奮すると、痛みを伝える細胞のゲート(門)が開き、痛みという刺激は脳へ伝えられます。
一方、
触れる・さする等といった刺激(触圧覚)が興奮すると、痛みを伝える細胞のゲート(門)が閉じてしまいます。
そして、痛覚の神経が刺激を伝導する速度は、触圧覚の神経が刺激を伝導する速度よりも遅くなっています。
そのため、痛覚と触圧覚が同時に興奮した場合、痛覚よりも先に触圧覚が細胞(痛みを伝える細胞)のゲートを閉じてしまいます。ゲートが閉じたことで、痛覚が脳へ伝わるのを遮断し、痛みは弱まることになるのです。

「触れる」という行為は、ゲートをコントロールすることができ、ある程度、痛みを弱める手助けをしてくれるのでしょう。

さらに、「触れる」には、この他にも素晴らしい力があります。
それについては、またいつかお話します。