「老耄と哲学」(梅原猛著)2015年1月30日第一刷発行。あとがきでは2014年とある。そしてタイトルの傍らに「思うままに」と。学者としての堅い論文ではなく,日頃思うところの内面の思想の吐露のようです。だから何度も同じ思考が現れます。目くじら立てて読むには向かないかも。しかし大事な思想も述べると自身が記しています。86歳以降の総仕上げのようにも見えます。ただ,老耄の期(老とは70歳,耄80歳?)耄碌のお年寄りを意味しているといいます。現役を退いて社会時事問題を高所から俯瞰して観想を思いのままに連ねているのではないでしょうか。以前にも同じ「思いのままに」シリーズを出されていますね。その第三弾でしょうか。ある意味,英知の結晶ともいえましょう。全部に言及できませんので,目次をもって全体を概観したいと思います。

(目次) ※ 第一章などと言った,省や節などの区切りはない。

小沢一郎的人間 (11頁 ※以下ベージが付されているが,省略)

核兵器廃絶への道

終戦の日

ゲゲゲとの対談

中曽根元首相に学べ

スターリンのスパイたち

アジャセの成仏

画文交響

秋の珍事

人類哲学についての覚書

東山熟友の如し

歌舞伎役者と知

漁民の血

鶯が鳴いた

大震災を考える

アマゾンの日本画家

<なる>芸術家

名古屋場所の開催を喜ぶ

女羅漢の勝利

小松左京を偲ぶ

日高敏隆氏の観察眼

茨木のり子と金子光晴

バリ島に旅して

四十年ぶり哲学を講義

猿之介と亀治郎

人生を変えた人 川端康成

人生を変えた人 湯川秀樹

人生を変えた人 岡潔

人生を変えた人 広中平祐

人生を変えた人 福井謙一

死や老耄との鬼ごっこ

反骨の名監督

ギリシャ今昔

プラトンを読む

成功は失敗の母

童心の怪人 把瑠都

実存主義者 山本五十六

主体的唯物論について

富士山の日

クライスバーグの芸術

哲学的富士山讃歌

大震災の反省

「必殺仕事人」の思想

吉本隆明の思い出

挨拶の言葉

二種の絆

「君が代」をどう考えるか

皇居外苑の松

日向神話について

澤瀉(おもだか)屋一門の襲名公演

メダカの話

コイの話

どじょう首相のこと

健康について

山中教授のノーベル賞受賞を祝う

忍辱のとき

高木監督に注文

死について

正月の感想

暴力について

名力士,高見盛の引退

本流と異端

終末論について

團十郎と仏教

へそ曲がりの弁

御遷宮について

WBCの敗戦

幻におびえる

歌舞伎の将来

哲学を変える

実在したアトランティス大陸

平和憲法について

権力のはかなさ

義兄弟の盃

マゾヒズムからの解放

ドラゴンズの不振を嘆く

東北海道の旅

深海の闇

野球王国はどこへ行ったのか

リクに似てきた

松井とイチロー

ドラマ「半沢直樹」

落合氏の映画評論

横尾忠則氏の肖像画

「怪物マスコミ」

野武士集団の勝利

首領型と参謀型

小泉氏の脱原発論

創造の宿命

北島三郎の紅白引退に思う

新美南吉の童話

薄ら寒い感じ

書について

ものつくり大学のこと

トヨタと私

老残の憂い

帰郷

良寛の能

江戸時代再考

「異国の丘」を想う

あとがき  ※440頁

 以上,とりあえず措く。合掌