チェホフの『かもめ』,『ワ-ニャ伯父さん』,『三人姉妹』,『桜の薗』で,脳はコジツケル。これ,舞台は外形の綺麗な場所。桜の薗だ。キレイな遠景・・と室内の大円舞。音と舞踊。文字でははかり知れない,理解に限定あり。そうして飛ばすことに。室内の温度計を見やると,「30度C」だった。・・・うまいことに,書物では,次はが「小説」に。何気なく肩ひじ張らずに読み進めるとこれがオモシロい。タイトルは「小役人の死」。イワン・ドミートニチ・チェルヴァコーフ。長い名前に閉口するが,イワンはワーニャに通じ,姓は「蛆虫(うじむし)」の意味があると注あり。脳は一気に目が覚める。他愛ないお話。演劇で偶々クシャミをしてしまう。それが巻き起こす人間の不思議な悶絶。長官とか,三等官だとか,いかめしい官職職位の社会風刺か。前に坐っていた禿げオヤジは「勅任官」 自分の部署の長ではないとはいえマズイと平謝り。その心理模様がつつく・・・・きっと最後は・・と想像がついた…軽くとばす。権威主義社会の一断面を切り取っていた。・・・「アーニャ」だったか,これも面白かった。いや恐ろしかった。自分でも胸骨の下縁部がさわると鈍痛じゃないが,気分不良になる。なぜか知らない。だから「胸骨」を引いて調べるが皆骨ばかり,内蔵は出てこない。通常の生活何気ない違和感。肋骨の位置さえ忘れて間違っている。身体を直接触れながら肋骨の下に第一胸骨があり,・・・第二,第三,第四これが脊柱とつながる?気分不良の原因を確かめんと必死・・・医療を勉学中の学生,医師の卵は記憶するのに必死だった。相手が若い相部屋の女であることなど頭にない。こうして6番目の男はいずれ有名な医師となって出世していくのだろう。画学生のモデルとなって疲れて帰って来た女は男に三下り半を突きつかれる・・・・運命にもてあそばれ生きる覇気もない。

 「六号室」がもっともありがたい。ワーニャ伯父さんや桜の薗の登場人物に似た人が出てくる。その名はイワン・ドミートニチまでは同じだ。最後の姓が違うだけ。長い人物像が詳しく描写されている。恐らく完璧。その人物像を当てはめて別の物語も見れる寸法だ。さて,ココで何をいいたいかというと・・・頭は,聴力同様使えるものだ,ということ。身体が動けなくても頭だけは多分働いているだろう。少しでも読める環境を残したい。感謝合掌

あ,忘れてた・・・・肝腎な問題・・・・

買い物ができない。ゴミ出しができない。・・・・電話がかかってきた  ノートパソコンの画面には本人が映っていない。用件は・・「来て下さい」。たぶんトイレかどこかで動けなくなっているのだろうと車を出す,ケースワーカーの女性も結構な年齢だろうか。長野県の例だろうか。介護の様子がテレビで流れていた。<それが気になって仕方ない。>

「在宅介護」を望みますか。希望できるのも介護をウケられる環境があればこそだろう。終末介護医療の重要性を改めて思う。・・・在宅での医療や介護看護。有料老人ホームもしかり。だれでも受けられるわけではない。地方公共団体が全て同じ環境にはない。ポケベルを押しても来てくれない,と不満を言う,この老人に,駆け付けた介護女性は優しく耳にささやく。「遠いところなのですぐ来れなくてごめんね」と。その声は大きくはっきりと聞こえた。

動けるうちはまだイイ。でも後期高齢者団塊世代75歳2025年にあたり,超高齢者社会突入の日本。史上最高の超高齢時代毎年更新中。もちろん世界一なのだ。先進国日本は見本となる。

 高齢者を,比較的若い人たちがサポートする社会体制。健気な女子高生が介護職に就くと言っている。それで明るい未来は来るのだろうか。擁護介護されるだけのいわゆる高齢者。もっと他の生き方はないのだろうか。介護される側の老人は常に負の指向にある・・・老化は避けられない。どんな元気なことをして抵抗していても,である。介護する側はどうか。神ではない,いつも生きがいを与え続けられない。むしろ現実を突き当てるのが自然だろう。本音は「死ねだろ」と帰ってくるとしてもおかしくない。

 

 こんな現実に克てる書物はあるだろうか。答えは,「ない」でしょう。自分で,自分のことができなくなったらオシマイではないか。自分で衣類を着れないとか,床から起き上がれないとなったら,トイレにも行けないし,食事もできまい。入浴もままならない。QOL(QUALITY OF LIFE) =生活の質 その低下に堪えられるでしょうか。それが自分の認められる範囲の「人間の尊厳」,それを守りたい。リビングウィルで事前に植物人間になったら医者に延命治療をしないでほしいと宣言しておくといい。「自然死」が,より望ましいでしょう。老後に病院に入院すると,通常延命処置が当然のように処置されるようだ。医療にただ漫然と自分の命をまかすことは,あまりにも他人任せの依存ではないだろうか。望ましい老齢社会の理想像をもっと真剣に考えたいものです。行政も鬱屈している。社会保険や医療保険,消費税と微妙な政権の延命もあろうが,大胆な提案があってしかるべきだろうに。

国民の困窮状態を,見過ごしている裕福な層の人たちである。恵まれた老後を送れる人がいる。大半の人たちはこんな老齢社会を望んでいまい。改めて合掌。