クラシック界の元祖アイドル,リスト(1811-1886)

【クラシックTV「フランツ・リスト」】

『愛の夢』~第3番~ (リスト作曲) 楽曲のしくみを聞いて,胸が高鳴った。第一の手「メロディ」,第二の手が「ベース」,もう一つのパートが隠されていた。第三のパートが加わる。三本の手が,あって,曲は胸の高鳴りを最高潮に引き上げてくれた。

今回は,いつものMCとしてではなく,ゲストとして,リストのライバル?として「招かれた」格好。しかし,元アイドル歌手?の鈴木愛理さん本人は,恥ずかしそう。遠慮がり,控えめ,そしておしとやか(淑やか)だ。

「第三の手,パートがさらに加わることで,音の厚みが増している」という情熱的な清塚信也さんの振り向く眼は自然と流し目となる。その先の流し目の鈴木さんと重なり合う。彼の名解説と巧みな奏楽とで,乙女はうっとり,女へと変身する・・二人の心は通い合い乙女は胸高潮して,目は泳ぎ,妖しく流れる。12:35・心踊り,体をよろけさせるほど。胸キュンだ。  

音と映像が愉悦を高めてくれる・・映画「魅惑のワルツ」の世界に誘い出す,とはならないが。映画も,音楽も,「美」。「美しく聞こえるためのスゴイ技曲」。超絶技巧と呼ばれる所以。芸術の真骨頂は,「美」なり。アイドルは美しくなくてはならない。美とは何か。絶対の美はあるか。見せかけの美。内面からあふれ出す,あの美しさ。人それぞれ。個性があってよい。

<現実,聴きたくなりました。リストをもっと。『クラシック100曲選集』片付けて埃かぶってる!! リストのCD探そう。全部あるかなあ(翌日綺麗に探し出しました。>

<ラ・カンパネラの奏者,金子三勇士(ハンガリー,リスト音楽院に学んだ)は,その曲の超絶技巧を解説する。横山幸雄さんは,『鬼火』(練習曲)を。超絶技巧の難しさを強調するピアニストMCの清塚さん。「もっと喜ばしてあげよう」というサービス精神では,と沿うは鈴木さん。

 

超絶技巧 『ラ・カンパネラ』お馴染みですね。別名「鐘」。

音楽にテーマを・・その新しい試み,叙事詩は,大衆からブーイングを受けていた。

リストは,技巧について,「豊かな内面を表現し芸術性を高めるもの」と語った。しかし,その思いとは逆に,「聴衆が熱狂するだけの中身のない音楽」だと批判も。「いまだに若い時の作品はこうだと言う人多い」と清塚氏。

 37歳で大決断。人気絶頂でアイドルピアニストの座を卒業(降りた)。「大喝采が私に何をしてくれるのか」と葛藤するリスト。「光」がある一方で,「影」があった。元アイドル歌手の鈴木愛理さん,番組の趣向で対照されるが,どうも無理。格差がありすぎて耳に入らず。ご本人も充分にご存じの上の可哀想な役割。でも彼女を再度高みに上げたいと言うような愛情も感じられる。これ以上の美の高まりをどこに求めたらいいの? 石川さゆりさんの『津軽海峡冬景色』(19才)から『天城越え』への変身(熟成)を彼女に期待したいのか。完成した「可愛いアイドル」それは,カワイイを超えて「キレイ(綺麗)」に完成しているではないか。そんな完成美をどう越えろというのか。さなぎ(蛹)からチョウ(蝶)へ変態することは超難関では?凡庸な吾らには,及びもつかない境涯であり,葛藤ではないか。それこそアイドルの宿命か。負けるな,佳人よ。自分であれ!! ♪Let It Go♪(ケ・セ・ラ・セラ♫♫

 リストが生んだ新ジャンル,「交響詩」「発明」したのだ。 

それまでなかった,言い換えると,タブーだった。音楽にテーマをもたせた。現代では当たり前のことが禁忌だったのだ。

リストの交響詩:英雄の嘆き/ハムレット/フン族の戦い/ハンガリー/マゼッパ/オルフェウス/レ・プレリュードほか

その後に生れた名曲が・・・「ツアラトゥストラはこう語った」 ドビュッシーの「海」 スメタナの「モルダウ」・・・それらは,皆,正にのちの世代の「プレリュード」ではないか。

性のタブーと重なる時代背景。それは永遠の課題でもある。「恋と愛」。

 

「サービス精神」だって? ・・・あ・・・い・・・り・・さ・・・ん・・「あい」をひきだしてくれた。「愛」を。それは,閃き。

 

ワイマールでは,妨害活動が・・・どれだけ,フランツ・リストの心は傷ついたか・・・

「宮廷楽長」の職を退くことに。愛する「子どもの死」や「恋人との離別」など不幸が続いた。失意の中,53歳で聖職者になる。日々,祈りをささげ,74歳で生涯を閉じるまで作曲を続けた。

 リストに思い入れの強い,ピアニスト・菊池亮太氏,登場。パガニーニに似た悪魔の格好?と揶揄する清塚さんに,まんざらでもなく笑顔で応える菊池さん。スタジオ皆大爆笑。「いつもこのスタイルなんですよ」とフォローも欠かさない,清塚さんの人気はココらへんにもありか。

当時,74歳まで生きたリストはかなりの長寿。同世代のショパンは39歳で亡くなっている。

菊池さん,リストの晩年が好きなのはどうして? リストの内面が見える曲が沢山あるという。たとえば,『暗い雲』(69歳の作品) ※楽譜タイトルには“Gloomy clouds”の文字も映る。

他の言語は分からない。

「光も影も見た,ある種の諦め・・・」。既存の音楽から,先へ進もうとしている・・。

内面・精神性の充実か。人生の晩期,共感されます。感謝・合掌 

ps. 最後に菊池さんが選んだ曲は,『夢の中へ』。まさに私は,夢に自分の身を託している