シュレッダー事件の真相

2018・10・5に始まっていた。

 イギリスのブリッスルで落書き アートと認められない。アーチストたちのデモ・・警官隊と衝突・・・・その中にバンクス(のちのバンクシー)がいた。彼の才能に憑かれた美術愛好家?が金銭面など支援するマネージャーになる。ロンドンに拠点を移し,活動。いたるところに監視カメラがあった。

「資本主義のいいところは,敵である我々も自由に・・・」(バンクス)

彼の活動はますます先鋭化し,マネージャーを引きずるようになっていった。ある日,美術館の見取り図を描いていた。どうやったら(無断で)展示できるか,と問う。

マネージャーはその作業を隠し撮り。そのお蔭でバンクシーの隠れ技を観ることができる。館の監視員に注意されながらも,盗撮の離れ業をしていたはず。撮影格好をしないで,たぶん,キャップを付ける格好をしながら,肩からストラップから垂らして撮り続けたと思われる。自撮りはしていない。

その軽業は,英国美術館やアメリカの美術館でも行っていた。美術館の鑑賞訪問者は評価する目を持たないことがわかった,という。無許可に並び飾られたバンクシーの絵は見破られることはなかった。皆,絵の前を素通りするだけだった。

バンクシーの作品は,贋作が出るほど・・・投資の対象に・・・・

伝統ある,オークション会場。サザビーズ。皮肉たっぷりの作品で抵抗を示す。

オークションに掲げられている絵画には,こんなメッセージが・・・・・

I CANT BELIEVE YOU MORONS ACTUALLY BUY THIS SHIT.(このゴミを実際に買うお前たちみたいなバカがいるなんて信じられない)

 

マーケットはバンクシーの手に負えなくなっていたんだと元マネ。

代表作の一品『風船と少女』がオークションに出品される。

風船と少女の絵 入札価格は上がって行く。86万ポンドで落札 1億3千万円。

100万ポンドに上がる勢いに関係者は何が起こっているのか分からなかったと振り返っている。しかし,次の瞬間,作品は下からシュレッダーにかけられて出てくる・・・・・(誰かが会場に居て遠隔操作でボタンを押したとの前回のバンクシードキュメンタリー映像では知らせていた。)≪シュレッダー装置が仕組まれている映像が公開される・・・バンクシー一味は,それさえも映像に残していた。まるで映画だ。競売会場が映像だ。公開会場であったろう。誰が映しているのか。このシーンも資本主義のなせる技だろうか。携帯(で映している)を持って信じられないといった観客もいた。仕掛け付き絵画を外すスタッフは本物の係員か。絵(原画ではない)の額は中味を暴かれないようにそのまま掲示されたフシがある。現代のボンド映画≫

イギリスの義賊・・・「関係者の手で運び出される,ひとまず・・」とある。

絵が上半分ほどガラスの中に収まったまま・・・下半分がきれいに盾にシュレッダーされた状態で) シュレッダー事件は,世界中に知れ渡った。金持の鼻を明かす,アートは万民のため,というバンクシーの狙いは果たされたかに思われた。

1億円を超える競売品に近づけない会場一般?参列者たち。畏敬の念さえうかがえる。

 三年後,例の作品は,下半分がシュレッダーに切り刻まれたまま再び競売にかけられた。バンクシーの意思に関わらず,皮肉にも史上最高値の29億円もの落札金額がついた。29倍に跳ね上がるとは誰が想像できたろうか。

≪作品の評価ができない人々には通じない?!カネの亡者,資本主義に,大義など無い!》

SOTHEBY’S側はこの騒動を逆手に取り,事態を好転させ,最終的に勝ったのは,サザビーズだったかもしれない,という。

『バンクシーは,さぞ怒り狂ったことだとおもうよ』とは元マネ。『彼の皮肉ごと巨大なマーケットに飲み込まれていったわけだからね。』

しかしながら,彼の奇想天外な行為は,世界中の人々の心の支えになっていた。

「バンクシーに励まされた人々」~多くの命を失われる,ウクライナやパレスチナ

 被災地に 自ら足を伸ばし,作品を残していた。生きる歓びを与えていた。

コロナ禍のロックダウンしていたイギリス・ロンドンのある病院?に一枚の絵。それは,少年がおもちゃ箱から取り上げている,その手にある人形は,バットマンや別のヒーローでなく,「マスクをした看護婦」だった。

・・・「この作品は病院スタッフにとって最高の励みになりました」

 

 パレスチナ: 

コンクリートビルが破壊されていた,。。。

  崩れかけた壁に絵が。平和の象徴である,白いハトが1羽,翼を大きく広げて飛んでいる。くちばしには青葉一枝,胸には防弾チョッキ,心臓めがけて銃口を向けられた様子(電子画面に映り出される射撃ターゲットのマークが)

戦禍にさらされた住民をハトにたとえた作品。

別の壁に,作品が,四角い 墓石に見える,まん中に ↓のように描かれている。

 王冠(印)

Er

SORRY

イギリス王からの謝罪(SORRYは際立って大きな字で)の意を表す。イスラエルとアラブ双方に国家樹立を約束した,祖国イギリスの責任をわびるもの。

 

20年前,安全確保の名目で イスラエル政府は 分離壁をつくった。パラスチナの住民は生活分断を余儀なくされた。牢獄に変えたと地元民は訴える。

バンクシーはホテルを建てた。分離壁の真横に。ホテルの窓からは分離壁しか見えない。THE WALLED OFF HOTEL(壁に囲まれたホテル) 世界一眺めが悪い,このホテルには,多くの観光客が泊まっていた。

例のアラブ人はアート品を店に置いて売っている。バンクシーの絵が生活の糧に役立てられている。

バンクシーはパレスチナを忘れないでと訴えている。

 

ウクライナ  ロケット弾によって破壊されたビルの壁が崩れ残っていた。その壁に描かれた絵は 小さい子どもが黒帯の柔道着の誰しもわかる(プーチン)を投げ飛ばしている姿。弱者が決して強大なものにまけないぞという勇気をもらうとウクライナの男性がコメントする。

最新のバンクシーの作品が ロンドンの,あるビル前の道路標識? 

ポールに 「STOP」標識に攻撃用ドローン,モチーフを重ねたもの。

公式サイトでダウンロードすると,ファイル名として 「STOPWAR(戦争を止めよう)」のメッセージがあらわれる。

 

バンクシーは,何を訴えようとしているのか。  ありがとう。  合掌