ジョニー・デップ裁判

デップ対アンダー・ハードの裁判

2016年に起っていた。2020年裁判の後,明るみに。主要なメディアは個人の小さな問題だと言ってとりあげなかった。しかし重大な問題点を色々な面で提供されることになる。永遠の課題でもある。DV  セクハラ 男と女の闘い SNS が“世論”を作った。何が真実か,議論の対象がはぐらかされ,興味本位の,または商業主義の,決して交わらない分断された結果になっている。THE FAKE NEWS GAME        フェイクニュース ゲーム

          DEPP VS. HEARD         デップ 対 ハード

          THE SOCIAL MEDIA TRIAL    ソーシャルメディア裁判

 

アメリカの主要ジャーナリズムは採りあげなかった。裁判はTHE SUN 誌のあるロンドンでなされた。裁判での夫婦のDVドメスティックバイオレンス家庭内暴力が映像となって拡散された。世間の老若男女,15歳に満たない若い生徒まで 真相とは別に揶揄され歪曲されて広がった。夫婦の内部告発(女優である妻からの提出証拠映像)が大きな波紋。ジョニー・デップの妻への暴行シーンが妻から提供されたもの。ある朝,夫のデップらしい男が腹を立てて部屋の物に拳を当ててむかむか大声で叫びまわっている。妻はビデオカメラを手前からおいて(持って)映していて顔や姿は見えない。手前にはワインなどが置かれるカウンターのようだ。暴れている夫は近づき,カウンターのワインの瓶からワインをグラスに注ぐと,ちょっと会話が交わされると一気に夫が妻に攻撃しカメラ映像は歪み暴行の激しさを見せていた。夫の接近で,大きく映ることになるワイングラスがまず話題にされていた。指摘されたワイングラスを,検察か弁護側かが「メガパイント」かと商標名で聞くと・・・デップは「メガパイント?」と聞き返す。それをデップ側に好感を寄せる,マスキュリント系(筋肉モリモリの男性群)が冷やかしに利用した。巨大なパイントグラスになる。それを揶揄して面白おかしく映像が立て続けに拵えられ,SNSに投稿され,広がった。冷やかし映像が拡散され,裁判の肝腎な点はボヤかされ,問題の核心が逸れることになる。妻と口論になり,飲んだ挙句の暴行となったと。それが判定で採りあげられデップ敗訴となる。控訴は認められなかった。世論はデップに好意的で女性の妻への世間の当りブーイングは大きくなっていく。フェミニスト側からも顰蹙を買っていた。DVに見合った,シオラシイ女性に映らなかったからだという。女性側からも反感を買うような態度もあったと認めている。赤裸々な彼女の発言,涙混じりの悲痛な訴えはチックトックの餌食になった。若干14歳にも至らない少女たちのイイネタにされて映像がアップされ,歪曲拡大されていく。裁判の高潔性公正性は失われていた。だからソーシャルメディアが作った裁判だと表題がつけられたのだろう。真実を強く主張して事実を述べようとしても世間SNSの反応は,それを卑猥で,厭らしい,変態的な,官能的なABUSE(虐待)的な表現となって流布された。

2016年の出来事なのに女の顔に受けた傷跡は,女優はみせないものだが,といって弁護側の女性は被告の所有とは異なる容器のファウンデーションを示し,それがネットに話題になり,商品宣伝に利用された。流行したその商品は事件後製造であった。

アメリカはハリウッド,LAベニス,マッスルビーチが象徴するように,男性社会であり,#mee,too運動発祥の地でもある。男性プロデューサーや監督たちによるセクハラ事件の発覚が世界中に広まった。そのフェミニスト運動が小康状態になりつつあるところであった。

根深い男性と女性問題を明らかにするものだったが,問題の本質を両者交わらない乖離状態を浮き彫りにしてしまっている。

主要メディアの無頓着ぶりが示すのは,既成体制が男社会であることの証でないか。いまだにアメリカも男尊女卑,女性が男性の付属物であるかのごとく偏見と性暴力とハラスメントがまだまだ続いている事例ではないか。合掌。