中央分水嶺は北海道から九州まで日本の山の尾根つたい(山稜すじ)だ。壮大遥長な分水嶺の一角が赤坂山と大谷山 あかさかやま おおたにやま

【案内者は 森林インストラクターの谷口良一さん 地元マキノ町(高島市)出身】

赤坂山824m。そこから「調子ヶ滝」 大正時代に大干ばつで雨乞いの神事。

水源(二ヶ所)には名がなかった。一つが琵琶湖を経由して太平洋に流れ込む。峠を挟んだ福井県側に流れる水源は日本海に。

 滲みて流れ渡る様が「漸」。「しみる」とも「わたる」とも訓読みされり。音が「ゼン」。『漢字源』・・・様(さま)様(さま)です。

「漸東于海」の例に倣えば,「漸南于海」と言えるだろう。

2時間半で赤坂山~水源二ヶ所~大谷山まで総計6時間。

 

登山道を行くと案内板の小さな木製順路先名に『セラピー・ロード』。

左に折れ山道に。木々の枝や葉の生い茂る細い道。丸太横張り階段と手すりロープ。

琵琶湖が左下に見えてくる。

「三本杉」が右手に立つ。アルファピネン成分がストレスを解消できる「癒しのロード」。

「カツラ」落ち葉 丸くて黄色い。鼻に近づけて嗅ぐと「キャラメル」っぽい,醤油っぽい匂いがすという。「マルトールと」言う香り。リラックス効果。

サルトリイバラ

ヒサカキ 青い実 仏壇用。サカキは神棚用供花に。

アカゲラ(キツツキの仲間)の姿が・・。映像ならではのショットだろう。ありがたい。

センブリ:母がよく口にしていたな。飲んだことない,バカにして。今は母の智慧に驚く。

口伝えで学ぶ自然の恵み。

リンドウも生えている。これも薬草だ。島倉千代子さんの歌や映画にもなっている花だ。

「秋を代表する花,晴れた日だけ開花する」という。紫色の可憐な花。

アキノキリンソウ 黄色く賑やかに揺れていた。

ドングリ  標高450m くらいで コナラ からミズナラに変る。種・科・目? スズメ目・ウグイス科? ブナ科コナラ属? 兄弟に名が付けられるようにgiven names?

【ドングリの見分け方】

ドングリは皆ブナ科の実なのだ。当地(赤坂山と大谷山)では4種。①アベマキ ②コナラ ③ナラガシワ ④ミズナラ。

形と帽子が決めて。①丸い形。そして,イガイガの帽子②は小さいこと。③と④は似ている。④は,より深いベレー帽。「ア・コ・ナ・ミ」か。ナラ?楢の実もドングリ?

映像は合成か。赤坂山は見えるが雲っていて陽光がない=輝度が低い。

赤坂山への道は狭くて急だ。ココは家族コースではないだろう。足靴が挟まれるほどの狭さ。両側は石崖。両手が届くのだ。

草鞋(わらじ)ではむりかなあ。石川三四郎 皮草鞋をつくって自ら履いていたというエドワ・カーペンターを辿ってElise and Elie Reclus (エリゼとエリー・レクリュ)~ La Terre et L’homme (地人論)に到達。翻訳している。愛犬の名は「テール」 テロと間違われていた。明治の人は翻訳までに40年の歳月掛かった。昭和二十年代になっていた。私の年代まで生きたのだ。彼らは自然・大地と一体を重視。「わらじ」をはいて作業していた。半農していた三四郎。東京にいたころは観念の世界に棲んでいた。欧州〔ベルギーに主の教えを求めて〕逃避,実地に学んだのだ。片や片山潜はアメリカに一時脱出して後世を生きている。居残って官憲と争いつづける荒畑寒村らは半ば脱出組を批判しているが,はたしてどちらがイイのだろう。でっち上げの証拠不十分で処刑された大逆事件,幸徳秋水と近かったからと言って拘束された石川。危うく殺害されかねなかった。大杉栄は甘粕らによって大震災の中軍部によって署内で抹殺されている。残って抵抗を続けて牢獄で拷問にあい,あっけ無く命を落とすことになるか。生きのびて自分を別に生かすか。正解はないかもしれないが,教えるところはいずれも大だろう。さすがに草鞋では無理かな。千日荒行する比叡山の僧侶たちは全く論外(煩悩のタネ)だろう。年齢に甘えるな,か。

「ここにキノコがありますね」・・・「ナラタケ」だった。足元に見つけて草をかき分け見せてくれる・・「美味しいキノコですよ」と。

 ※毒にあたって亡くなる人もいる山草。キノコは要警戒なのに,弱気の自分。いやいや当ったら病院送りだ。その警戒が今まで生き延びてきた要因の一つでもある。何度事故に遭ってきたことか。なんど自分のからだに外傷を負い,転倒しバイクや自動車の事故を経て乗り越えてきたことか。天晴だよ自分は!! 誰も褒めてくれない。祝われない還暦と古希,きっと一生この後も。登山家・案内人は冷静沈着,当地で山の愉しみを伝授されている。キノコも見分ける智恵がある。スゴイ力だ。自然と合体・・・地人 偉大な「土民」のひとりだろう。石川三四郎の世界なのだ。

昔幼いガキの頃は,山に入って松林の下の雑草の中にキノコを発見し,脱兎のごとく飛び跳ねて,否,猫が獲物に飛びつくように歓喜して,よい匂いに包まれ,あの襞が扱げないよう大事に手に載せながら,家に持ち帰ったものだ。ハツタケだったろうか。風呂に炊く薪代わりの松葉籠,背負いし中学一年生。4兄弟の末っ子は悲しみ知らずに生きて来られた,母の愛。

今,松は喰われ,杉は朽ちて,山は,人知れずこんもりと全くの自然に還っていることだろう。ありがとう。合掌

シラキ という赤い葉っぱの木。紅葉。下から紅葉を覗くと青い空の中で輝いている。晴天ならではだ。陽光の有難さよ。太陽の恵みよ。盧舎那仏 大日如来 不動明王よ。

一帯,ブナの森に至る。葉はほのかに黄色に,と補足アナのナレ。移りゆく季節・・一歩一歩進んでいく,と。

『道が平坦になってきたので・・峠までもう少しですね。』ここに教えがある。

高原を歩いたことはある。長野だったか。小諸,人造湖を見下ろしながら・・・知識になっていなかったのか。飛騨や京都嵐山や延暦寺にも・・蔵王 ・・・ニセコひらふ 

土肌の道が分かれている。「ココが峠になります」と。左に行くと大谷山。右に行くと赤坂山。飛騨へ行ったときは峠を越えられなかったわけだ。自動車で明かりのない,道。人家は見当たらなかった。先に進めなかった。大学時代?の牛乳配達同僚とだったか。

岐阜飛騨高山は,たしか同窓生の逝った山。高卒後入ったJTB。最初の夏だった。車で落下したと聞く。

赤坂山へ・・・ススキの穂・・・・いっぱいだ。めずらしい・・・セイタカアワダチソウに駆逐されてきた 低地では ススキは追いやられ・・・外来種強し。放っておけば自滅すると知っていた? ススキは持ちこたえられるか,秋の月。大海原を超えていくと・・赤坂山(824m),到着。筑波山と同じくらいの高さ。だが,2時間半で登攀できるかなあ。人の数と景観が全く異なる。バイクで行った高校生。車渋滞の今。岩ばかりが記憶される。やはり歩いて緑を見ながらがイイ。あの青春の出会いは一期一会だったのだ。3分の2を過ぎた本番組。クライマックス(ボディ)はあの源泉から赤坂山への途だったろうか。山から見える琵琶湖 670平方キロメートル。東京23区622km2がすっぽり入ってしまう広さ。峠道 石畳。日本海から塩や海産物が運ばれていた。馬頭観音。オンアミリトドバン ウンパッタソワカ  江戸時代。

麓には マキノ町製鉄遺跡群がある。鉄鉱石溶かすため炭を焼いていた・・大陸から技術が伝わる・・鉄くずが見つかる・・。

ハイライト 水源  赤坂山から 

明王の禿・・・絶景ポイント。不動明王か。成田不動だ。十三仏の第一。大日如来でもある。真言宗の曼陀羅 金剛界曼荼羅の中心 ♬南無大師遍照金剛♬ 弘法大師 ♬ノーマクサンマンダーバーザラダン センダー マーカロ シャーダー ソワタヤウンタラターカンマン♬ 真言は音読する方がイイという。遥か遠くチベット奥山から中国経由でやってきた仏教。鉄の精製技術は朝鮮から薩摩を通ってだろうか。司馬さんの歴史小説にもあった。

いよいよ分水嶺の水源に・・・二つあるのか。

琵琶湖川にそそぐ水源。名は無かった。人が来ないのか,名づけられていないのか。これが南に滲み流れて(=漸),太平洋の海に注ぎ込む。(=于海)。だから「南漸于海」の4字熟語が簡潔だ。130キロに及ぶ? 

「漸」の字を調べたら載っていた。文字源はまた愉し。源流探し。じゃ,もう一つの水源はどこからどこへ? 北漸于海 もちろん 日本海へだが,・・・

ステージの緞帳に刻まれし人名が読めない・・・「●  漸」この建築物か機関に貢献があった人の名だろう。どうでもいいが,漸次 と 暫時 と区別して覚えたものだ。「ゼン」だっかな,「ザン」だったかな? 訓読みは?  と独り言しながら待つパイプ席の確定申告会場のステージに貼られた高校生の税金課題作文の佳作たち。確定申告は一国の一大事だった。行政,国税庁・国税局一体となって推進事業展開。課税部・調査部・徴収部・査察部。あくまでも税徴収聴のための公務なのだ。追加徴収は課税部の業か。

「漸」は沁み渡る意味もあった。「ワタル」としてもOKか。鈴木漸でもいいな。鈴木善幸さんっていなかったっけ?失礼ココでは佐藤栄作でも高橋是清でもイイのです。乃木ではいけません。東條ではいけません。大川周平? 勘弁してください。親戚もいるかもしれません。

よーく見ると同じ部首が・・・「斬」なのだった。脳はなかなか衰えない・・・心臓死より脳死が決め手だなとわかる。「ぜんじ」の振り仮名にすぐ気付く。石川三四郎の書物にあり。関連する脳のシラプス。電子のなせる業か,静電気。水は高い所から低い所へ移動する。運動は電気を生む。エネルギー。自家発電がいい。なくても熱いよ我が体。生体のフシギ。

日本海へ注ぐ水源へ。峠道に戻る。山林の間の白く輝く土の巡回路。歩いて15分。果たして一人で辿りつけるか。観光用には見えない。来てもらっても迷惑だろうが。

「ここは福井県側の水源になります。」

分水嶺・・・水源は飲み水にもなる。田舎の山水は美味しかった。水道水ではない。清水。自然の濾過水。山は源・・・海の汚れや生物の危機・・・山にあった原因が・・・別の組だったが。25分,山は過ぎた・・。