太平洋戦争終戦後(1948年頃)「当時は,混乱期とあって,闇屋(ヤミ屋)で儲けた所得を申告しない輩が続出。」庶民の間で広がる新しい申告納税式に対する不公平感や不信感があった。GHQ米国流の方式は納税者が税額を算出して自ら申告する方式。それは合っているのか,それとも自立心が足りないのか。複雑な気持ちで読んでいる。

「戦前の日本は税務当局が税額を決めて納税者に通知する『賦課課税方式』であったという。当局が決めて納税者はそれに素直に従う。中央集権の“上意下達”の命令系統。これはお上への信頼が基本で,信託する,自立心のない,従って自律に欠ける。欲に負ける体質になりやすい。

 

「一見さん,お断り」とは何か? 高級料亭や夜の銀座の飲食店? 「高嶺の花」ともある・・何とか想像はつく。庶民の行く処ではない。高所得者のみが享受する別天地だろう。金に群がる暴力団もまとわりつく,ヤクザな世界だ。オーナー・ママの荒稼ぎホステス業。若い魅惑的なホステスが頻繁に出入りする業界。納税不明朗になりがちな世界らしい。申告漏れ・所得隠し・脱税の典型の一つ。

「ギョーカイ」といえば,芸能界を指すらしい。「芸能界は脱税天国」だという。

”節税“するため,民間テレビのMC司会者が私欲を丸出しするのも頷ける。急にテレビ番組から姿を消す芸能人がいた。あれは国税局調査査察に引っかかった事例かもしれない,公けにならない闇の部分だ。ネアカの人には視聴したくない部分だ。表と裏の世界,公私の偽善欺まんの世界が今もテレビやSNSを賑わしている。嫌われる悪人は,姿を消す。その一方で,本気の,気の優しい人物もまた消えていく。

節税は,実質脱税行為。節税よりも消費の節約を。利益はなくても奉仕できる喜び満足こそ。

「国税記者はツライよ」???

ところで著者の,その取材の実態「国税記者はツライよ」は,読んでいて楽しいものではない。テレビ視聴者受けを狙った取材・ビデオカメラによる隠し撮りなど窮状訴えはむしろ慢心,見苦しい。

 

当時のテレビ局の映像に惑わされてもいた,ということがわかる。何も考えないで,ぼんやり観ているテレビ視聴者はバカにされている感じだ。むずかしい“リクツ”のテレビ画面はチャンネルを換えられてしまうから,と“正当化”している。自分の生業のため?

そういう,西欧風パパラッチ,興味本位の番組作りの映像画面にハマっている・・のは,まさに自分であった・・・。胆に銘じたい。

 

2011年11月発行の書籍。20年前といえば1990年。戦後最大のバルブ経済期の末頃。大手ゼネコンや金融証券などのバブル。2003~4年のITバブル,その後の不動産ミニバブルと言及されている。バブル経済の探求はココでの命題ではない。所得の申告漏れ,所得隠し,脱税。国税庁・国税局の課税部・調査部・徴収部・査察部の働きを通じて知る内実。元国税局長官の書籍や,元新聞記者やテレビ局記者の曝露本は現実社会を教えてくれます。

 

高額所得者は 税金を納入して国庫に入れて 公平に再交配。コレ原則では?

 

現実は 億単位のお金が税収されず,一部の金持ちの間でたらいまわしされて豪遊暮らしに当てられている。真面目に働く庶民が,なけなしのサラリーを源泉徴収され,定年退職後に確定申告して追徴されている現実がある。億万長者が所得隠しで税逃れをし,こつこつ扶養のために耐えた汗水の所得を千円単位で支払っている。血税で国庫は成り立っていることを忘れるな! 多くの庶民は,厳しく所得税や消費税,住民税と“とられて”いる,否,納税義務を果たしている。義務を果たしていないのは権力者,指導的立場の高額所得者たちなのだ。このヒエラルキー社会こそ問題ではないか。首相や米ロの大統領や著名な財界人,テレビに出てくるような有名人だけではない。人気の品物の製造企業の会長や役員など知る人ぞ知る人が絡んでいたりする。例えば,本書で扱われている,廣瀬光男(72)は,エライ人ですね。

茨城県美浦村にあるゴルフ倶楽部・・・。著者は云う。「ヒロセ」さんは「美浦村ゴルフ倶楽部のフロント」の壁に写真(額?)が懸っていた,と。知る人ぞ知るなのです。当時彼はPGM(パシフィックゴルフマネジメント)の会長で,クラブはその傘下にあった。HPやアドビはPCではおなじみですね。J&Jジョンソン&ジョンソン社は,きっと優良企業だろう。ニチレイは冷凍食品で欠かせない。そんな企業で,かつて会長だったり,役員だったり,社外取締役だったりした,経歴は「ぴかぴか」だと著者が指摘するようなエライ方が,アメリカで「ストックオプション」による所得を無申告,つまり所得隠し?していたのだ。廣瀬氏は,「マベリックジャパン」コンプライアンスのコンサルティング企業も担っていた。脱税とは反対側に居る人物だという。コンプライアンス,法や道理を指導する,信望厚い人であるはず。

ところでストックオプション?金融証券・株や貨幣を売買する??・・・チンプンカンプンの世界。経済用語の理解ができない。新規事業法改正? 新株予約権の有利発行? 商法改正? オプション取引? アメリカ経済の動きに合わせた体系らしい。日本にはそもそもない?(合わない?)のに,新自由主義の下,進んでいったベンチャービジネス,先物取引きか? リスクヘッジ? 売り手は買い手から代価をいただく,そこに投資・投機の機会が生まれるのだろう。それが現物でなく,先物。将来の値上がりを見込んで買いたたく。ストックして値上がりしたら売る,それって米騒動の原因でもあったね。それと同じ行為。ますます手工は上達している。深層不可解。素人には分らなくして複雑怪奇。税理士が関与して操作する。優秀な知性が金もうけに携っている。そんな輩に牛耳られている経済既得権者世界。

座席代5万円。ボトル7万円。ホステスが飲んだら○○チャージが追加され,とめどなく膨れ上がる。所得は億単位。オーナーママはノルマで稼がせる。お客帯同での出勤やパーティ。ガッポガッポで儲けながら経費で落とし,所得隠しで税逃れ。バブルの様式に応じて変わってきた収益方法。最近では中小企業の社長さんが相手だろうか。パーティ景品ベンツも経費。無申告。中小企業社長は高級車両ベンツを購入し,経費で落とし私物化する。人件費,会議費,福利厚生費,項目は何でもイイ。法の裏をかく。自ら潤い,家族を潤し夜遊びも豪華なり。ひと晩何百万の浪費は当たり前。不労所得,曰くつきのおカネが回っている。高嶺の花の世界で。

 

美帆クラブは,PGM傘下。PGMは,米国企業再生ファンド,「ローン・スター」の傘下。眼科の医療薬品の大手企業にも携わっていた。各分野に入り込んでいる企業統制。複合企業支配集合体。

タックスヘイブン ペーパーカンパニーはどうして曝露されたか。‘01.9.11 N.Y.の同時多発テロに始まっていた。税逃れはどうなった? 合掌