感動。

 

「フライングがあったとき、1%のメダルの可能性が10%になったと思った。」

 

”いつも通りの力”を皆が出せていたならば、予選通過8位の為末がメダルを獲得することはできなかった。

 

勝負において、”いつも通りの力”が強いかどうかは問題ではない。

 

最終的に勝った者が真に”強い”のだ。

 

”いつも通りの力”を強めることは、真の”強さ”を掴むための一つの道でしかない。

 

それがもっとも明快で確実な戦略だからこそ、”いつも通りの力”を強めるようなトレーニングが最も一般的なものとして受け入れられている。

 

「前半飛ばして、中盤わざとスピードを緩めることで、後続の選手に錯覚を起こす作戦だった。」

 

所与の条件(この場合であれば、為末が外側のトラックで後続に背を向けて走れたこと、や、試合時刻が悪天候によって遅れペースを乱されたものが出てきていたこと)によって、取り得る最大限の戦術を駆使し、ベストを尽くす。

 

こんな風に、


戦術的な創意工夫が、

 

所与の条件と相俟って、

 

”いつも通りの力”の差を埋めていく。

 

この美学に酔いしれる。

 

 

この、「”いつも通りの力”の差を埋める。」という命題に、夢の可能性が見出せる。

 

この秋。

 

差を埋めていく、真の力を手にしたい、と思う。

(真の力=結果)